監督:ロジャー・ドナルドソン 出演:ジェイソン・ステイサム サフロン・バロウズ スティーヴン・キャンベル・ムーア、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 1971年ロンドン。中古車屋を営むテリーは経営不振で借金取りに追い立てられる日々を送っていた。そんなある日、昔からの付き合いがあるモデルのマルティーヌから、ある銀行のセキュリティシステムに1週間だけ穴が開くので地下の金庫室を襲おうと誘われる。この話に乗ったテリーは仲間の小悪党達に声を掛け、見事大金奪取に成功する。ところが手に入れたのは現金・財宝だけではなかった。英国を揺るがすとんでもないスキャンダラスな写真や帳簿が混じっていたのだ。
【感想】 1971年に実際に英国で起こった銀行強盗を元に作られた作品。 映画中でも語られますが、実際この事件は発覚後しばらくは連日新聞等を賑わしていたが、ある日からパッタリと報道されなくなり完全に闇に葬り去られたそうだ。完全な報道規制が掛かったそーで、この事件の真相は2054年まで政府によって封印される事が決まっているらしい・・・2054年って、そりゃ確実にアタクシこの世にいませんよ(涙)
実際に起こった事件が下敷きになってる割には、結構話が「トンデモ系」だったりする(苦笑) どこまでが事実なんだか判りませんが(少なくとも王室スキャンダル写真が存在したのは事実のようだ)、公式サイトを見る限りでは「本作で描かれているエピソードの9割は事実」とか何とか・・・ホントかよー(^-^;
話の展開としては「ロンドンのド貧乏小悪党達が突拍子もない銀行強盗を企てて成功する」→「だがこの銀行強盗自体には実はある黒幕がいて、目的は別の所にあった」みたいなクライム・サスペンス仕立てな訳ですが。 あーどうしよう。これ以上感想書こうと思うとどうしてもネタバレせざるを得ない!(涙) ・・・てな訳で、以下は「本作未見」の方は読まない事をオススメします〜(^-^;
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さて。 そもそもこの事件に「黒幕」が本当にいたのか自体が疑問な訳ですが、もし本作の真相が事実だったと仮定して。
彼ら(黒幕)のような集団が、本当にこんなド素人の小悪党を使ってこんな大胆な計画を企てるのか? 確かにもしも途中で強盗失敗したとしても、完全に自分達とは切り離せるから便利っちゃー便利なものの、明らかに失敗するリスクの方が高い訳で。実際犯人グループは誰でも盗み聞き出来ちゃうような周波数の無線使って連絡を取り合ったりしていて(バカ過ぎ)、計画が杜撰な事この上ない。
コレがもし本当に本当に「事実」だとしたら、もう笑っちゃうしかない訳ですが(苦笑) 映画として見ていると「アホ過ぎるだろ」としか言いようのないB級感がバリバリな展開。それから地下金庫室に潜入するまでのエピソードがかなりダレますね。もう少しテンポ良く出来ないものだろうか?
「銀行強盗事件」に様々な人物の思惑が絡んでいるせいで、どのエピソードもパンチが弱く感じるのも勿体無い。 しかも肝心の黒幕達の存在感が薄過ぎるので、この事件がどれだけ英国的にヤバヤバなのかという危機感を観客が今ヒトツ味わう事が出来ないので、とっても消化不良な感じがしますよ(涙) ついでに言うと登場人物が多過ぎて「誰が何チームなのか判り難い」という難もありますねぇ。
ぶっちゃけジェイソン・ステイサム目当てで鑑賞したのですが、本作は比較的地味にまったりとエピソードを交えて強盗事件が進んで行くので(簡単に言うとスピード感もなければアクションシーンもほとんどない)、どうして本作にジェイソン・ステイサムが起用されたのかがイマイチ納得できーん! ・・・まあ、彼が出演してなかったら多分本作見なかっただろうしな。と言うか彼以外の出演者ってほとんど誰も知らない状態だったしな。そう考えると「主役だけはギャラ高くてもメジャーな俳優を!」てなトコロだったんでしょうか(苦笑)
かなり面白いネタだと思うんですが、どーも煮え切らない感じがしますねぇ。 ラストもバタバタと追っ付け仕事で話を強引にまとめ上げちゃってるような感じしますし。もう少しアップテンポなノリかあっと驚くようなどんでん返しがあったりすると良かったんでしょうけど・・・ ああ、本作はあくまでも「関係者によると9割方事実」なお話らしいですから、あまり大胆な脚色は敢えてしたくなかったという事なんでしょうかね(^-^;
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