2008年12月04日(木) |
ワールド・オブ・ライズ |
監督:リドリー・スコット 出演:レオナルド・ディカプリオ ラッセル・クロウ マーク・ストロング、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 ロジャー・フェリスは中近東局配属の凄腕CIAエージェント。常に死と隣り合わせの状況での彼の任務を、ベテラン局員のエド・ホフマンがクリーンで安全なオフィスから、時に子供の世話をしながら電話で指示している。現場を熟知したフェリスの助言も聞かずに冷徹な指示を平気で出すホフマンとは衝突が絶えないが、方向性は違っても2人の目的は共に「テロ組織のTOPを捕まえる事」、そしてその為に最も大切な武器は「身内をも欺く嘘」なのだ。
【感想】 ワシントン・ポスト誌のコラムニスト、デイビッド・イグネイシアス氏著の「ボディ・オブ・ライズ」を映画化。 監督は「グラディエーター」のリドリー・スコット、そしてキャストはレオ様と「ハリウッドの暴れん坊」の異名を持つラッセル・クロウの初共演という、何とも豪華な顔ぶれの話題作です♪ ラッセルは本作の役作り(メタボで横柄なベテランCIA局員)の為に何と体重を20Kg増やして臨んだそうだ。プライベートは叩かれまくりのラッセルだけど、仕事だけはきっちりやるから憎めない(^-^;
物凄いサスペンス色が強いに違いない!と、予告編を見て勝手に想像していたのですが、ちょっと違った。 違ったけどかなりリアリティのある話で(本作は入念な取材を元に書かれたフィクション)、本作をご覧になったCIA工作員や局員の皆様はきっと「ちょっ・・・俺達ってここまで冷酷?・・・だよな(苦笑)」くらいは言いそうな感じです。
描いている方向としては、相変わらず「世界の警察アメリカの象徴!CIA様vs冷酷無比な唾棄すべき中東テロリスト」という図式に変わりはないのですが、だがしかし見た人のほとんどは「やっぱテロリストって最低だよな。みんな死ねよ」という方向には行かずに「CIAってこんなに残酷な集団なのぉ?アメリカって自分達の正義の為なら、自分達に協力してくれた現地の善良なる市民をも見殺し(むしろ自らが殺す)しても平然としてられるキ○ガイ集団なんだぁ〜」と、大抵の良識ある日本人なら思うでしょう(苦笑)
そんなこんなで本作は「アメリカ、マンセー!」というフリをしながら、実は「CIAってこんなに汚いんだぜ?」と痛烈に今のアメリカの中東への対応を批判しているという構造になっていると思います。 ・・・えー。そう受け取ったのはぴよが「アメリカ(の中東への対応)が嫌い」だからかもしれません(^-^;
ところでレオ様、ここ数年で本当に「いい感じに歳取って来たよなぁ〜」と思いますよ。 彼、ぶっちゃけ「タイタニック」の頃は「ベビー・フェイスのアイドル俳優君」というイメージしか持っていなかったのですが、近年社会派の非常に難しい役ドコロを次々とこなして、着実に実力を付けていますよね。 本作でも彼の演技が光ります。「所詮アイドル俳優」という色眼鏡を外して見て欲しいですね。 逆に何を演じさせても「上手い!」としか言いようのないラッセルが、本作では体重を20kgも増やして頑張って冷酷な上司を演じたものの、レオ様に完全に食われる形になっていたと思いますよ。まあ上手いんだけどね(^-^;
映画中「中東が好きなヤツなんている訳ないだろ」みたいなセリフがあるのですが・・・ 「中東大好き!アメリカ大っ嫌い!」なこのアタクシ(苦笑)、本作は個人的に非常に興味深く鑑賞しましたね。
ただ、ネタがネタだけに日本人ウケは難しいだろうな、と。 よっぽど中東ネタに興味のある人でないと、なかなか入り込みにくい内容ではあります。絵的にはリドリー・スコットらしく派手なシーンもかなり盛り込んでいて頑張っていますが、基本的に「話術」で見せる地味な展開ですので、出演役者目当てだけで見に行った「レオ様可愛いぃ〜♪」なファンの方だと正直かなりキツいだろうと(^-^; それから・・・サスペンスっぽい緊迫感はあるものの、ぶっちゃけ展開は先読み出来ますね。もう一捻り欲しかった。
本作が終わった後で「何かさー、話が難しくてよく判んなかったわー」と言ってるおば様グループが・・・ 判らなければ、本作を鑑賞したのをきっかけに少しは中東情勢のお勉強もしましょうよ、ね?(苦笑) 日本ではまだ人的被害のあるようなテロが起こった事はありませんが、コレは他人事の話じゃないんですよ?いつまでも日本は安全な国なんだと勘違いしないで、今世界で起こっている事を、本作を見てみんなで勉強しましょうよ!(^-^)
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