監督:堤幸彦 出演:唐沢寿明 豊川悦司 常盤貴子、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 ロックスターの夢破れ、今は実家のコンビニを継いで失踪した姉の子供の面倒を見ているケンヂ。久しぶりに小学校の同窓会に出席したケンヂは、そこで最近世間を賑わせているカルト集団「ともだち」の噂を聞いて愕然とする。「ともだち」が解く終末論は、ケンヂ達が子供の頃にお遊びで書いた「よげんの書」の内容とそっくり同じだったのだ。「ともだち」の正体は「よげんの書」の存在を知る誰かだと当たりを付けたケンヂ達は、事件の真相を追うのだが・・・
【感想】 1999年〜2007年まで連載され、累計発行部数2000万部を超える浦沢直樹氏著の大人気コミックを映画化。 本作は最初から「3部作」で製作されると発表されていて、本作がその第一章。何しろ原作コミックは22巻+2巻という超大作なので、単発で作れるハズもない。 一昔前の邦画ならコレをムリムリに一本の映画にしてしまうトコロでしょうが、「デスノート」が前後編で製作されて空前のヒットを飛ばしたのに気を良くしたのか?本作は更にスケールアップして3部作で行くという事ですね?
肝心の原作コミックなんですが、珍しく既読・・・と書きたいトコロなんですが、これが微妙でして。 コミック発売当時からコツコツとマンガ喫茶で読み進めていたものの、12〜3巻辺り(多分)で挫折。いや、つまらないから挫折した訳ではなくて、読みたくてもいつマンガ喫茶に行っても誰かに最新刊が取られてるから読めなくて〜・・・その内マンガ喫茶に行かなくなっちゃったので放置してある状態、という事でして(苦笑) だから結末は全く知りません。でも本作(第一章)の辺りは既読・・・という、正に「微妙な状態」
かなり前に読んだ(しかも途中まで)作品なので、正直細かい部分とか忘れちゃってたんですが・・・ 本作、かーなーりー原作コミックを忠実に再現しているなーという感じがしました。印象的なシーン等はコミックのカットをそのまま実写に写し取っているのではないでしょうか?
最初、本作のキャスティングが発表になった時、「えええええ。好きな役者さんばっかりだけど・・・うーん」というのが正直な感想だったのですが、少なくともキャスティングに関してはコレで良かったんじゃないかと思いましたよ。少なくとも著しくコミックのイメージが崩された、という感じはありませんでした。 ちなみに本作、何でもないチョイ役でもすんげー豪華な役者を大量投与。同窓会のシーンなんて溜息出ますヨ。
3部作、しかも原作は超人気コミック、加えて「先の読めない(要するにオチが大切)」展開という事で、本作だけで評価をするのは少し厳しい・・・という部分と、ある程度までの内容を知っている分、内容に関して触れると何がオチバレになるかちょっと判らなくて書き難いんですが。
確かに原作コミックにかなり忠実に作られているのですが、見ていて何か上滑りな感は否めません。 エラソーに書くと「話に厚みを感じない」とでも言うのか・・・まあ、マンガが元ネタなのに「厚み」がどうこう言うのも筋違いだと言われればその通りなんですが(苦笑)、原作コミックがここまで爆発的な人気を博したというのは、大人が読んでも惹き込まれる厚みのある内容だったからだと思うんですね。 伏線の張り方、登場人物の横顔を伝える(本筋には絡まないが)小さなエピソード等が実に丁寧に描かれていて、その細かな描写とダレさせずに読者を牽引した圧倒的なパワーに、これだけのファンが付いたのだろうと思う訳です。 まあ簡単に言っちゃうと、本作は「大筋をキレイになぞっている」というだけにしか見えなかったと言うのか(苦笑)
そうは言ってもですね、本作は決して「つまらない」訳ではないです。むしろ「かなり面白かった」です。 邦画でしかも3部作の第一章なのに、上映時間は2時間20分もある。それなのに全く退屈せずに楽しめたんだから、これはこれで非常に良く出来た作品なんだろうとは思うんです。思うんですが・・・原作をここまで忠実に再現した作りなら、そりゃ面白くない訳ないだろ?だって原作は映画の100倍面白いんだぜ?と思ったらダメですか?(^-^;
まあそんな訳で、評価は低めにしておきましたが・・・本シリーズは絶対に全て映画館で見ますよ! 何しろ自分も原作コミック途中までしか読んでないから先が気になるしネ!(笑)
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