監督:宮崎駿 声の出演:奈良柚莉愛(ポニョ) 土井洋輝(宗介) 山口智子(リサ)、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 海を見下ろす崖の上の一軒家に住む5歳の少年「宗介」は、ある日ビンに入って出られなくなったさかなの子「ポニョ」を海で見つけて助けてあげた。お互いの事が大好きになった2人だが、人間を止めて海で暮らしているポニョの父親「フジモト」によってポニョは海深くに連れ戻されてしまう。ポニョは宗介の傍にいたい・人間になりたいと望み、フジモトの溜めた魔法を解き放って再び宗介の元を目指すのだった。
【感想】 スタジオ・ジブリの最新作は、久しぶりの駿のオリジナル脚本&監督。 前々作「ハウルの動く城」は駿が監督だったけど既存の小説を映画化したものだったから、完全オリジナルなのは更にその前の「千と千尋の神隠し」以来かな?「千と千尋」は2001年の作品なので本当に久しぶりだと思いますね。
予告編を見た段階で「トトロ系かぁ。ガキは喜ぶだろうけど、個人的には微妙だなぁ〜」とは思ったものの、本作はこれまた久しぶりにジブリが原点回帰して?CGを一切使わずに全てセルで描いたという情報を仕入れていたので、この点に関しては非常に期待しまくって鑑賞!
少なくとも映像に関しては、CGを使うようになった以降では一番満足のいく作りでした。 やっぱりジブリはセルアニメの会社ですよね。CGの動きとは絶対に違う「人の手で描かれた柔らかい空気感」が最大限魅力的に引き出せるのが手描きのセルアニメの魅力だと今でも思ってます。そしてそのセルアニメの魅力を最大限に引き出せる会社もまたジブリだろうと・・・そういう点では本作非常に評価が高いです。
本作、建物等の背景を「手描き絵本風」の絵にしています。 最初見た時はかなり違和感を感じましたけど、このパステル画調のタッチが今も懐かしい「月刊アニメージュ」で駿が連載していた頃の「風の谷のナウシカ」のカラー原稿の絵そのまんまって感じの画風で、ナウシカのコミック連載当時にハマりまくった身の自分には「ああ・・・コレ!コレ!駿らしい絵だよなぁ♪」なんて、ちょっぴり嬉しくなったり。 でも、個人的には背景も全てベタ塗りのアニメにしてもらった方が好きです。コレはコレでよかったけどさ。
内容に関しては・・・うーん。 まあいつもの通りの「駿節」なファンタジー、とでも言うのか。アンデルセンの名作「人魚姫」を駿風味にアレンジした大人にも子供にも優しい「かなり子供寄り」なお話。 ただ、アンデルセンの古典童話は悲恋の物語ですが、本作は愛にも親子の情にも地球環境にも飢えた現代のお子様達の心をホッとさせるような、非常に優しい物語に仕立てられていましたね。コレはコレでよかったと思いますよ。 ただ、大人が見るには少々かったるいと見る向きもあろうかと(^-^;
それにしても、声優は何とかなりませんかねぇ(溜息) 前々からジブリ作品の声当てには大不満なんですけど、どうしてここまで「タレントに声優をやらせる」事にこだわるのかが理解出来ないですよ。本作も声が絶望的に合ってなかった(涙) 特にフジモトの声を当てた所ジョージさんは違和感あり過ぎ。山口智子さんはかなり頑張ってたと思うけど、所さんといい山口さんといい「声」を聞いてるだけで「ご本人の顔」が脳裏にチラ付いて、スクリーンの絵に集中出来ない。 本作、声を本職の声優さんにやってもらったら、もっともっといい作品になっただろうと思うと残念です。
個人的には声優に関してはともかく、概ね好感が持てましたね。 明らかに夏休みに親子で楽しむ【お子様向け仕様】に作られているので、内容が啓蒙ネタでクサいだの子供騙しだのなんて文句垂れるのも無粋だろうと思うし、少なくとも絵に関しては本当に良かったですしネ。
それから・・・なんつってもテーマソングでしょ! 「ポーニョ ポーニョポニョ さかなの子〜♪」←ウマ過ぎ!一度聞いたら耳から離れない。 駿は「映画見た後、親子で口ずさめるような」というコンセプトで作ったそうですが、コレは正にドンピシャ。親子じゃなくても大人1人で見たぴよでも1日中気付くとうっかり口ずさんでますよ。 ・・・ジブリ、商売上手いな。ってかCD買おうかマジで悩んでるわよ(苦笑)
|