2008年05月01日(木) |
僕の彼女はサイボーグ |
監督:クァク・ジェヨン 出演:綾瀬はるか 小出恵介 桐谷健太、他 オススメ度:☆☆−
【あらすじ】 独りぼっちで20歳の誕生日を迎えた大学生ジローの前に突然キュートな「彼女」が現れて、楽しいヒトトキを過ごす。ところが彼女は謎の言葉を残しジローの目の前から去ってしまった。それから1年後の誕生日、21歳になったジローの前にまたしても「彼女」が現れた・・・と思ったら、それは未来の自分がこれから起こる災難からジローを守る為に送った「サイボーグ」だと言うのだ。サイボーグの「彼女」と奇妙な共同生活をする事になったジローだが・・・
【感想】 「猟奇的な彼女」「僕の彼女を紹介します」で日本でも大ヒットを飛ばした韓国人監督クァク・ジョエン氏が、日本のスタッフとタッグを組んで日本人俳優を起用し、日本で撮影したという作品。 綾瀬はるかちゃんと小出恵介君、共に今大ブレイク役者のダブル主演・・・コレは今年1番の萌え映画になるか!?
上記に書いた前2作品と同様、「横暴な彼女に振り回される気の弱い男の子」という図式を本作も踏襲。 ただし今までは「ワガママで暴力的だけど実は心優しいキュートな彼女」だったけど、本作のヒロインは感情を持たないサイボーグという設定なのでワガママという訳ではない。 ジローに降りかかる危機や、未来のジローが「あの時こうなっていれば」「ああしておけば」と後悔している事を未然に防ぐ為に送られてきたボディガードのような役割だけど、所詮はサイボーグなので非常にパワフルで、ちょっと力加減が判ってないようなのでジローはハラハラしっぱなし・・・という感じか。
コミカルなエピソードを繋ぐ事で2人(1人と1体?)の関係が深まるのを見せて行くやり方も、中盤以降ガラリとシリアスに変わり後に意外な真相が明かされるという展開も、既存のクァク・ジョエン氏の作品と全く同じなのである意味安心して楽しめるとは思うのですが・・・根本的に「どうしてこの作品を日本で撮ったんだろう?」というのが率直な感想。
わざとらしいオーバーアクション、大袈裟であまり普段使わないようなセリフ回し。 これらは日本人の様子とは絶対に違うと思うんですよね。綾瀬はるかちゃんはサイボーグ役なので日本人じゃないから問題ないとは思うものの、少なくとも小出君の演技は見ていて物凄く違和感を感じました。 こういうオーバーアクションな演技というのは韓国人俳優さんの方が絶対に上手に演じられるし違和感なく見れる。
また、ジローの生まれ故郷に2人で出掛けるシーンがあるのですが、コレは一体いつの時代の物語??? ジローは山間の小さな村出身で、その村は後に災害によってなくなってしまった為に帰る故郷がない。それを彼女のパワーによってタイムスリップしてジローの子供時代の故郷を見せる?というような設定になっているのですが、2008年の11月時点で21歳のジローが小学校低学年と言うとせいぜい1994〜1995年でしょ。 子供達の服装、遊び、ジローの宝箱に入っているレトロなメンコ・・・こんなのぴよの子供時代でも有り得ねーって! その後のクライマックスの東京の様子等も・・・とにかく「ココはどこ?いつの時代?」という違和感のオンパレード。
何も日本の役者を使って日本で撮影しなくても、最初から韓国の役者さん使って韓国で撮影していれば違和感も感じずにすんなり話も楽しめると思うのですが、どうして敢えて日本で作っちゃったんでしょうか? ちなみに上記の「ジローの故郷に帰る」というネタ、特に話の筋に絡んでいる訳ではない割りにかなり長い。クァク・ジョエン監督らしいノスタルジック感を演出する為のシーンだろうと思うのですが、余り意味は見出せません。
クライマックス以降の「あっと驚く真相編」で冒頭エピソードの種明かしをして行く訳ですが・・・見ていてスッキリするという感じはなく、正直「しつこいな」とダレてしまいましたね。 クァク・ジョエン監督の作品を本作で初めて鑑賞するという方には「まさかこんなどんでん返しが!?」という新鮮な驚きを持って楽しめるのかもしれませんが、前2作を知ってる人が見ると・・・(苦笑)
総じて「本作は韓国で作られるべきだった」という作品でしょう。 韓流スター使って韓国で製作されていれば、もう少しすんなり楽しめたでしょうね。 ただし、本作が韓国制作だったらぴよは見なかったと思いますが。もう韓流映画にはすっかり飽きちゃいました(^-^;
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