監督:ウェス・アンダーソン 出演:オーウェン・ウィルソン エイドリアン・ブロディ ジェイソン・シュワルツマン、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 父の死をきっかけで仲違いしていた3人兄弟が、長男フランシスの呼びかけで再び集まった。フランシスはインド北西部を走るダージリン急行に乗って、「心の旅」をする事で3人の結束を深めようと提案したのだ。しかし妻の妊娠がきっかけで離婚を考えている次男のピーター、元カノとトラブっているけど気にかかっている三男のジャック、個々に悩みを抱える3人はなかなかまとまらず、あるトラブルがきっかけで遂に列車から放り出されてしまう。
【感想】 「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」のウェス・アンダーソン監督最新作。 正直ウェス・アンダーソン監督の事はコロッと忘れてたんですが(をい)、予告編を見て素晴らしく面白そうなキャストの組み合わせ+舞台が憧れの地・インドという情報に踊らされてウキウキしながら鑑賞。
メインキャストの中ではオーウェン・ウィルソン君が一番お気に入りでしてね、 彼が去年の夏に自殺未遂を起こしたというニュースを聞いた時には、本当にびっくり仰天コキましたよ。 そんなオーウェンが顔中に包帯巻き巻きで登場するもんだから「切ったのは手首だけじゃなかったのね・・・」なんて訳の判らない事を考えちゃったじゃないですか!(こらこら) ウソウソ。いいのよ。元気になってくれればそれでいいの♪
脱線しましたが、本作。 豪華なキャストで送る「まったりロードムービー」・・・舞台がインド&列車の旅というシチュエーションだけで既にまったりする事は確定している訳ですが(苦笑)、それにしてもこの3人のキャラは濃いですなぁ〜
そもそも長男・オーウェン・ウィルソン、次男・エイドリアン・ブロディ、三男・ジェイソン・シュワルツマンってさ・・・ 誰がどう見ても「血の繋がった兄弟」には見えませんよね(笑)、映画を見始めてしばらくは「異母兄弟か異父兄弟?」と思って見ていたくらい似てないしキャラも違い過ぎ。 でも、見てる内に「まあこんなバカ兄弟もアリだな♪」と思えるような、3人それぞれキャラが立ってましたね。
とりあえず何も説明なしで、登場人物の会話だけで順を追ってこの話の背景を明らかにしていくという趣向。 とにかく延々とどーでもいい会話をしていて、長男を疎んじているようで微妙に次男・三男は持ち上げていたりして、旅行先をインドに選ぶだけあってやたら「スピチュアル」なイベントを重視していたりして・・・ まあ、本当に「まったりしててどーでもいいロードムービー仕様」な作りなんですよね(苦笑)
どーでもいいんだけど、何か妙に和んじゃうんですねぇ〜。 コレこそが「インドパワー」なのか、それとも映画の作りが良かったのか悪かったのか(謎)、とにかく何がどうという話でもないんだけど妙に旅心を刺激されるし、妙に3兄弟の様子に「この手のスタイルの旅行って、こんなトラブル在りそうだよな」みたいな、本当にまったり(グッタリ?)させてくれるんですよ。
まあ、「それで面白いの?」って聞かれるとコレがまた微妙な訳なんですが(苦笑) 少なくとも旅好き・インド好き・インドに憧れ中〜の方だったらちょっといい感じ♪な気分にはなれそうですが、話自体が非常にとりとめのないエピソードを繋いでいるだけなので、「何が言いたいんだかワカンネー」と思い始めたら、もうダメダメのグダグダになっちゃうんじゃないかと(^-^;
本作、タイトルの作品の前に「ホテル・シュバリエ」という短編作品を上映するんですが、最初見ていて何の事やらさっぱり訳が判らなかったものの・・・コレは本編に到る前の三男のエピソードでした。後に劇中に三男が書いている小説の内容が出て来るのですが、コレが先に上映した短編と繋がっている。ちょっとひねっていて面白い趣向ですね。
好き・嫌いがはっきり分かれそうな作りですが、個人的には「旅好き+インド憧れ中」の身なので、本作のまったりしたインド旅行の様子はなかなか楽しめましたよ。音楽のチョイスも好みでしたね。
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