2008年02月04日(月) |
チーム・バチスタの栄光 |
監督:中村義洋 出演:阿部寛 竹内結子 吉川晃司、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 東城大学付属病院で難易度の高い心臓外科手術「バチスタ手術」を26回連続成功させた天才集団「チーム・バチスタ」だったが、ここ最近立て続けに3回も失敗が続き、原因調査の為に心療内科医の田口が任に当たる事になった。ところが厚生労働省の破天荒な高級官僚「白鳥」が突然現れて「コレは殺人だ。犯人はチーム・バチスタの7名の中にいる」と断言。田口と白鳥のデコボココンビは犯人を追うべく調査を開始するのだが・・・
【感想】 現役医師・海堂尊氏著の大ヒット同名タイトルミステリー小説を映画化。 ・・・って言うか、本屋に並んだ本作の原作本を何度手に取っては我慢した事か。阿部ちゃん+竹内結子さんで映画化が決まっているのが判っていたので・・・ミステリはオチを知ってたら映画が楽しめないと思いましてね。 あー。コレでようやく原作本が読めるー!よっしゃーーー!!
という訳で、今回は映画を楽しむ為に敢えて原作未読。 どうやら原作では心療内科医・田口はイケてないおっさんという設定らしいんですが、おやじ2人がタッグ組んで犯人探ししてる絵は見ていて興醒めすると考えたのか?映画では「おっさん田口」は癒し系美女の竹内さんが演じています。
まあ、合ってると思いますよ。このキャスト。 押し出しの強い、と言うかちょっとイッちゃってる高級官僚・白鳥は正に阿部ちゃんのハマリキャラ。 迎え撃つ「病院内から忘れ去られたような閑職@グチ外来」担当の心療内科医を、竹内サンがポーッとした暢気な顔で飄々と演じています。彼女が殺伐とした外科手術の場に立ち会っておたおたしている様子なんて「いかにも」な感じ。
「犯人当てミステリ」なので、余り核心には触れないように感想書かなくちゃ・・・難しいな(^-^; ※ 以下、ネタバレスレスレの記述があります。未見の方は読まない方が懸命かと。
で、その肝心の「犯人当て」部分なんですが、チーム・バチスタのメンバーがどいつもこいつも怪し過ぎる(笑) ミステリを読みなれてる人は、特に怪しそうなヤツや最初から殺害理由を持っている事が明示されているヤツは、真っ先に容疑者からは外して考えるのがセオリー。 そんなこんなでとりあえず「コイツかコイツのどっちかが犯人」と目星を付けながら鑑賞していた訳ですが、それはあくまでも犯人当てのセオリーで選んだだけで、映画を見ていても殺害理由や殺害方法のヒントがなかなか見つからない。
結果から言うと・・・真犯人だと当て込んだヤツがやっぱり真犯人だったんだが、殺害理由はちょっと弱いなぁ(^-^;
でも本作はぴよにとっては意外な展開でして。 要するに「二段オチ」というヤツでしてね。ぴよが予想したのはあくまでも「真犯人」でしたが、その前オチについては全く考えていなかった。と言うか、まさか二段オチだとは思っていなかったので「事件の形」を色んな方向で考えていましてね、その中の可能性として「コイツかコイツのどっちかが犯人だろう」と予想した2人の内の1人が前オチの犯人(とはちょっと違うけど)で、もう1人が真犯人だったという次第で。
少なくとも前オチの犯人(じゃないけど)に関しては、その前にきちんとヒントが提示されていたのに気付けなかったのは非常に悔しいです・・・コレ、原作は相当面白いんでしょうね。原作読むのが楽しみですよ。
で、真犯人の方は「あるシーン」が何だか妙に強調されてスクリーンに登場するよなぁ・・・と感じたので、きっとこのシーンに関わる何かが殺害方法として利用されるのだろうと当たりをつけた訳でして。 勿論劇中には別のアプローチから犯人に辿り着くヒントとなるシーンが登場しますが、コレに関しては医療知識のない人には絶対に解くのは不可能だと思うので「なるほど、あのシーンがココに生きるのね」という、展開を楽しませる為のシーンという役割でしかありません。
基本的に非常によく練られたプロットなので、最後まで「犯人当て」を楽しむ事が出来ます。 そういう意味では非常に評価が高いのですが・・・コレは根本的に医療知識がなければ殺害方法(+真犯人)、それから前オチの事情などをズバリ的中させる事は難しいでしょう。 要するに、原作も本気で犯人当てをさせる事を目的に書かれた訳ではなく、あくまでも犯人に辿り着くまでの展開を楽しませるというタイプのミステリなんでしょうね。
そう考えると、ちょっと描写やヒントの出し方が手ぬるいと言うか稚拙?と感じる部分もあったんですが・・・ ミステリ好きも、そうじゃない人も、些細なシーンやカットも見逃さずに話の展開を楽しんで下さいな♪
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