ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2007年07月03日(火) ボンボン

監督:カルロス・ソリン
出演:フアン・ビジュガス
    ワルテル・ドナード
    ロサ・ヴァルセッキ、他
オススメ度:☆☆+


【あらすじ】
ビジュガスは20年も勤めたガソリンスタンドが売却された事をきっかけにあっさりクビになってしまった。手作りナイフを作ったがさっぱり売れず、身を寄せた娘の家も生活が苦しくて厄介者扱い。さっぱりツイていないビジュガスだったが、道で車が故障して立ち往生している娘を家まで送り届けると、お礼にと血統書付きの大きな白い犬を譲り受ける事に。犬を飼う余裕のないビジュガスだったが、この犬がきっかけで人生が好転し始める・・・


【感想】
あまり馴染みのないアルゼンチン映画。
なんと本作に出演している役者はほとんどが素人だそうだ。と言うか、プロの役者としてのキャリアがあるのは子役の少女だけで、後は全員全くの素人かアマチュア役者だというから驚き。
しかも主人公と犬のトレーナーを演じた方は自分の本名がそのまま役名として使われています。

大して予告編も見ずに鑑賞したので、車の助手席に犬を乗せて走っているシーンしか記憶になく、自分の中で勝手に犬が相棒のロードムービーなんだろう、とばかり思っていました。
・・・ぜーんぜん違いましたね。いや確かに犬を連れて旅?に出る事は出るんですが、ロードムービーではない。

何でもこの映画のコピーは「ラテン版わらしべ長者」だそうですが、正直言うと「わらしべ長者」とも言い難い。
確かに犬と出会ってから「番犬付き倉庫番」の仕事が入って来たり、「犬を使って大儲け出来る」という話が舞い込んで来たので犬のお陰で人生が好転したのかな?とも思えるのですが、犬に出会う前にガソリンスタンドのスピードクジが当たったりしてるじゃないですか。
元々主人公にはどんなに苦境に立たされても何とかなってしまう、というツキがある人なんじゃないか?とも思えます。

映画全体が何とも言えないほのぼの感に包まれているし、ALLパタゴニアでロケしたという乾いた大地と広がる青い空のコントラストが美しい映像は非常に高感度が高いです。

それにしても、展開もほのぼのし過ぎて小ネタはほとんどオチを付けずに放置(苦笑)
そもそも整備士の仕事をしていた主人公はどうして「手作りナイフ」を売ろうと考えたのか?結婚をしているものの離婚もせずに20年も会っていないという妻との事情は?緊張すると声が出なくなってしまう少女のエピソードの意味は?等々、これらは今思い出した「放置ネタ」の一部でして、ほとんどのネタは何のオチも付けていない。

まあ、唯一きちんとオチを付けていたのが「性欲のない犬」ネタですね。ってかコレが唯一無二の柱ネタですか。
このオチがまたゆるゆるで・・・笑っていいのか呆れればいいのかよく判らない微妙なラインなんですが、個人的には結構こういう作りって好きだったりするんですわ(苦笑)

確かに映画の作りとしてはかなり行き当たりばったりの展開で、主人公のキャラの描き込みだとか背景説明はほとんど何もないし、いくらいい犬だからといって見知らぬ人がこんなに次々と声を掛けてくるのも妙な話ですし、どのエピソードもコレといって特筆する程の事もない、地味で淡々とした話なんですが・・・

理由は判らないけど、見ていてなんだか優しい気持ちになれるんですよね。
主人公はどこにでもいそうな普通のおっさん、というか本当にどこにでもいる普通の素人のおっさんが演じちゃっていた訳ですが(苦笑)、このおっさんが何とも言えないいい表情をするんです。
いかにも善人な小市民といった感じで、このおっさんの善人面と犬のマヌケな顔が絶妙のコンビネーションなんですわ。
見ていて「お前ら何だか妙にツボに入る表情だよ。もういいよ。お前らの顔だけで満足してやるよ」って感じ(笑)

まあ〜・・・映画の作りとしてはかなり微妙ですし、こういう「ゆるゆるな映画」が苦手な人には全く受け入れられないタイプの作品だろうとは思います。でも逆にツボに入る人にはかなりグッと来るという、クセのある作品だと思いましたね。
ぴよは「こういうゆるゆるも悪くないネ」とは思ったけど・・・でも映画としてはちょっとなぁ〜(^-^;







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