監督:スティーブン・ホプキンス 出演:ヒラリー・スワンク デイビッド・モリッシー アイドリス・エルバ、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 キャサリンはかつて牧師だったものの、愛する夫と子供を殺された事がきっかけで信仰を捨て、大学教授となって全ての超常現象や奇跡と呼ばれるものには科学的根拠があるという事を証明する専門家となった。そんなキャサリンの元にある田舎の町から「川が血のように赤く染まり、不気味な噂が立っているので調べて欲しい」という依頼が入る。次々と起こる災いが聖書の「10の災い」に則していて、それが森に住む邪悪な少女の仕業だという噂が立っているというのだ。
【感想】 オスカー女優ヒラリー・スワンク主演の新作B級オカルトホラー・・・って、勝手に「B級」って決めるなってか(苦笑) いや実際、本作で顔を見て直ぐに名前が判るのがヒラリー嬢しかいませんよ。監督は「ライフ・イズ・コメディ!」や米国TVドラマ「24」シリーズのファースト・シーズンの監督・総指揮等も手掛けているスティーブン・ホプキンス氏。
映画の舞台となる信心深い小さな田舎町で起こる超常現象が、ことごとく旧約聖書の出エジプト記に記載されているモーセとエジプトのファラオとの間に起こった「10の災い」のエピソードに則しているというのがキモ。 日本人には聖書ネタは余りウケないと思うのですが、本作は逆にこの「10の災い」のエピソードを知らない方がオチまで楽しめるんじゃないかと思いますね。(敢えてここには10の災いの内容を書くのはやめておきます) ちなみにぴよは子供の頃に教会に通っていたので、この10の災いのエピソードは知っていました。
知ってはいましたが、本作はなかなか脚本が良く練れていて面白いです! 序盤に何気なく交わされる会話が、後に重要な意味を持っていて「ほほーう」と感心させられます。本作をご覧になる方は映画序盤を「かったるいなぁ」と思わずにきちんと細大漏らさず見ておいて下さい。
要するに、オカルトホラーと言うよりもミステリーに近い作りですね。 確かに薄気味悪いシーンも随所にありますが、それ程恐怖感におののく程ではありません。音とおどろおどろしい映像で煽っておいて突然誰かが現れてビビらせたりするパターンが多いし、何かに触れると過去のある場面がフラッシュバックのように再現されるみたいな・・・ホラーとしては割りと平凡な作り(苦笑)
でもサスペンスとして考えれば非常によく出来ています。 ただし「10の災い」の内容をよく知っている人だと、映画序盤のシーンでオチが見える可能性が高いし、男性陣に今ヒトツ魅力がないので「ヒラリーの相方」としては物足らない感があります。 それからキャサリンが見る夢と現実がごっちゃになっている?何が現実で何が夢の出来事なのか観客に判別の付かないような卑怯な見せ方をしているのでちょっとなー・・・と思うんですが、これは最後の最後で「ずるいな」と思いつつもなかなか気の利いたオチを付けていましたね。
でも、この映画で一番痛いのは何と言っても「映画宣伝用ポスター」でしょ(苦笑) 本作のポスター、ご覧になりました?キャッチコピーが「イナゴ少女、現る。」ですよ。全然違うっちゅーの!(^-^; しかも映画チラシの裏なんてもっと笑えるヨ。「虫とか出しちゃうよ」だもん!こらこら!! 確かに日本では聖書ネタがウケないのは事実だけど・・・映画配給会社の社員も苦労が絶えませんなぁ〜(笑)
個人的にはホラー苦手でサスペンスや聖書ネタは好きなので、本作は楽しめましたね。ホラー嫌いの方も是非♪
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