監督:サム・ライミ 出演:トビー・マグワイア キルスティン・ダンスト ジェームズ・フランコ、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 既にNY市民の人気者となったスパイダーマンことピーター・パーカー。大学は主席の成績、恋人のMJはブロードウェイの舞台に立つ事になり恋愛も順調。遂にMJにプロポーズする決意をする。ところが謎の黒い生命体に寄生されたピーターは、復讐にとらわれて自分を見失って「ブラック・スパイダーマン」となってしまう。そんなピーターの前に現れた最強の敵サンドマンとヴェノムがスパイダーマンの命を狙う。
【感想】 大人気アメコミ映画「スパイダーマン」シリーズ3作目。 2作目で「ヒーローとしての生き方」に苦悩していたピーターは、一皮向けてすっかりヒーロー生活にも慣れてちょっぴり天狗状態になっているという設定。ま、人間誰しも散々持ち上げられれば天狗にもなりますわな(苦笑)
で、今回のテーマは「許し」 自分を許せるか、相手を許せるか、そして受け入れられるか・・・これは全世界共通のヒューマンネタだと思います。 毎回このシリーズはピーターの叔父&叔母(2作目からは叔母のみ)が作品テーマに沿ったうまい事を言う。 本作でも叔母ちゃんが「一番難しい事から始めるのよ。自分を許すの」と語るシーンがありますが、ぶっちゃけこのシーンに一番感動してる段階でラストシーンなんてどうでもよくなったぴよです。(こらこら)
今回は敵が多い。前作から引き続き大活躍?のニュー・ゴブリン、それから砂と同化しちゃう「サンドマン」、更にはピーターも被害に遭った謎の黒い物体に寄生されて悪玉宣言しちゃったカメラマン「ヴェノム」 しかもサンドマンとヴェノムはタッグを組んでスパイダーマンを亡き者にしようと画策するという大盤振る舞い!
大盤振る舞いし過ぎたのか?ちょっとエピソードが多過ぎて詰め込み過ぎな感じ。 それぞれの悪役キャラの人物像や背景も見せながらMJとの恋愛模様も見せて、更には叔父の殺人犯への復讐や前作まででネタ振りしてるニュー・ゴブリンとの関係も見せなきゃいけないので忙しいったらありゃしない。 どれか1つキャラを削ってエピソードをもう少し掘り下げても良かったんじゃないか?と思うんだけど。少なくとも3作全てに登場してるニュー・ゴブリンことハリーとのエピソードは削れないから、サンドマンかヴェノムのどちらかは削った方がスマートだったじゃないかと思うんだけどな。個人的にはサンドマンは削れたんじゃないかと思う。
でも別の方向から見れば、これだけエピソードを詰め込んでいるのに、とにかく「許し」というテーマに沿って、全てのネタを半ば強引だろうがきちんと収束させているという点は凄いと思いますよ。 それから今更評価するのも?って感じがしますが、改めてこのシリーズは本当に映像が手が込んでると思う! 最新VFXやCGを駆使した映画って「もう見慣れちゃったよー」と思うものですが、このシリーズの映像は本当に出来がいいと思いますね。細部まで非常に手が込んでて本当に凄い!
この手の作品はどうしても映像技術や話の筋自体しか評価されないものですが、ぴよは今作のトビー君の演技はなかなか良かったと思いますね。 「いい人ピーター君」と黒い生命体に乗っ取られて「ノリノリピーター君」になった時のギャップが凄く上手い。顔付きや細かい表情から目付き・身のこなしに到るまで、実に上手く演じ分けていたと思いますよ。 ・・・ブティックの前で腰フリフリすんのはやり過ぎだと思いますけど(苦笑)
テーマに沿って上手くまとめてあるという感じはしましたが、やっぱりちょっと詰め込み過ぎましたね。 あれもこれもと手を広げずに、もう少しエピソードを絞って見せてくれればなぁ〜という感じです。これだけの映像とこれだけのキャストとこれだけの脚本・演出なのに、どれもこれもエピソードが小粒な印象を受けてしまって勿体無いです。
ただ、見て損はないと思いますよ。全世界で大ウケするシリーズって数少ないです。 どの国でもウケるという事は、それだけクオリティの高い作品なんです。それは誰もが認める所でしょう。 ・・・でもぴよ個人的には、3作全部鑑賞してみて「2作目」が一番面白かったかな?
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