監督:トニー・スコット 出演:デンゼル・ワシントン ポーラ・パットン ヴァル・キルマー、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 2006年2月28日、海兵隊員とその家族を乗せたフェリーが爆発炎上する事件が発生。ATFの敏腕捜査官ダグが捜査に乗り出してテロ事件だと確定された。更に事件現場近くで発見された女性の焼死死体が、爆発前に発見されたものだったにも関わらず、何か感じる所のあった彼はこのテロ事件との関連性を疑い捜査を進める事にした。死体の女性「クレア」の部屋を捜索したダグは、そこである物を目にする・・・
【監督】 ブラッカイマー製作&トニー・スコット監督コンビの最新作。 毎回荒唐無稽のハチャメチャ展開&やたら金の掛かったド派手なアクション系シーンでファンの心を鷲掴みにし続けるブラッカイマーフィルムですが、予告編を見た時に「おぉ♪デンゼルの新作ぅ♪」となかなか期待値を上げてくれる作品です。
そんな訳で、 やっぱり荒唐無稽でド派手な爆発炎上&カーチェイスシーンが楽しい作品。←またしても結論攻撃(苦笑)
いや、根本的にぴよはこういう作品って大好きなんです。 スリリングで展開がポンポンと進んでテンポが良く、映像も派手派手で楽しめて更に役者も豪華。 「パールハーバー」「アルマゲドン」の2作で「ダメだ。ぴよはブラッカイマーは絶対に肌に合わないんだ」とずーっと思っていたのですが、冷静に考えるとこの2作品以外の作品は、どれもこれも結構好きだったりするんです。 世間では賛否両論(いや、むしろ酷評の嵐?)だった「ナショナル・トレジャー」なんてかなり好きだしネ・・・今後はブラッカイマー信者を名乗っちゃおうかしら?(^-^;
脱線しましたが本作。 映画冒頭からブラッカイマーの真骨頂とも言える、超ド派手な爆発炎上シーンで掴みはOK! デンゼルの登場で観客が一瞬引き締まり、彼の視界が何か不穏な印象を常に与え続けて、タイトルの「デジャヴ」がいつどういう風に絡んで来るの?と期待させる演出はなかなかお上手です。
で、いよいよキーマン(キーウーマンか)のクレアの死体が発見されてからの展開がまた奇想天外で息が抜けない。 ここでまたしてもブラッカイマーの真骨頂「荒唐無稽な設定を大真面目に見せて、客のド肝を抜いて楽しませる」という、いかにも彼らしい「恐ろしく金の掛かった超A級映像で楽しませる超B級ネタ」にグイグイと引きずり込まれて、気を抜くヒマなんぞ一瞬たりともありません! またデンゼルの演技がいいんだなぁ〜!クレアの映像を見つめるデンゼルの表情ったらどーよ?上手過ぎるわよ!
そんな訳で、中盤までは荒唐無稽ながらもかなりハラハラドキドキしながら楽しめるのですが・・・ 後半のクライマックス以降が余りにも陳腐過ぎて「そりゃーねーだろー!」とツッコミどころ満載です。
タイムパラドックスネタというのは、基本的に「未来は変わらない(変えられない)」というのが大前提で、観客の多くもその点は了承した上で見ているものだと思います。 本作でもダグが必死に未来を変えようとメモを過去に転送してみたりするのですが、結局は未来(現在)は変えられないというのが映画中盤までの「作品設定と観客の間で交わされたルール」だった。 そのルールを提示しておきながらこのラストは頂けないでしょう。どんなに悲劇でもやはりルールは守って欲しかった。
上にちょっと書きましたが、本作は明らかにタイトルの「デジャヴ(既視感)」ネタではなく「タイムパラドックス」ネタです。 タイムパラドックスを扱うと、必ずどこかに齟齬が出るのは致し方ない。でも齟齬が出るのは承知の上で、映画の中だけに通用するルールや設定を設けて観客を納得させるというのが「タイムパラドックスネタを扱う最低限のルール」なんじゃないかと思う訳です。ルールなきタイムパラドックスネタはコメディにすらならないと思うんです。
本作はその禁を破って「映画中盤までに見せたルールをひっくり返す」という荒業をやってしまった。 正直ガックリしちゃったんだが・・・でもそれでも案外この作品は好きだったりする。 小技が効いててテンポも良く、映像的にも楽しめる「金の掛かったB級娯楽映画」としては秀逸だな、と思ったんす。
結局ぴよは何だかんだ悪態付いても「ブラッカイマー信者」なんでしょうね。 そんなぴよのような偏差値の低い御仁には、ツッコミまくりながらも楽しめる一作だと思いますヨ!(^-^;
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