監督:塩田明彦 出演:妻夫木聡 柴咲コウ 中井貴一、他 おすすめ度:☆☆☆
【あらすじ】 賢帝歴3048年、東の果てにある国。戦乱の世で国は荒れる中、武将・醍醐景光は国を我が力で統一し治める事を望み、我が子の体48ヶ所を魔物に差し出す代わりに力を得るという約束をする。かくして48ヶ所を魔物に取られた子は川に流され、それをたまたま拾った男の術によって仮の体を得て「百鬼丸」と名乗るようになった。20年後、魔物を倒して我が体を取り戻す旅を続ける百鬼丸は、ケチな盗賊「どろろ」と出会う。
【感想】 手塚治氏の名作コミック「どろろ」を映画化。 既にアニメ化もされていて、ご覧になった記憶がある方も多いでしょう。ぴよはアニメを見た記憶はないけど、兄貴が原作のコミックを持っていたので子供の頃に読んだ・・・ハズ。実はほとんど内容なんて覚えちゃーいなかった(苦笑)
で、映画を見ていて「結構原作に忠実なんじゃないか?」という気はしたんですよ。 気がするだけね。実際はワカリマセンよ。何しろ小学生の頃に読んだっきりですもん。ほとんど忘れてるって(^-^;
まあ、とりあえずぴよは妻夫木クン目当てで言ったので満足ですよ♪ 彼って舞台挨拶なんかでトークさせるととてつもなくおバカっぽいんだけど(コラ)、少なくとも目で見て充分婦女子を楽しませてくれる可愛い風貌だし、それに若手役者さんの中では結構演技も上手だと思うんだけどな。 雰囲気あるし「売れる役者」さんが持ってる独特のオーラを感じますよ。
それにしても・・・柴咲コウちゃんの「どろろ」、これはいいんですか? ぴよが元々柴咲コウちゃんが嫌いだからってのを差し引いても、コミックのどろろとは余りに違い過ぎる。 実はコミックのラストを覚えてなくて、コミック(アニメ版も)では最後の最後に「どろろは実は女だった」という種明かしがあるそうなんですが、少なくとも本作のどろろは最初っから誰がどう見ても「乱暴なおねーちゃん」にしか見えない。
ぴよが記憶している「どろろ」の風貌は明らかに「少年」だった。少なくとも「青年」でもない。 妻夫木クンだけでは観客が呼べないから「人気女優さんにやっていただこう」という趣旨かもしれないけど、だったらせめてもう少し小柄で「少年に見えない事もない」程度の風貌の女優さんを起用しても良かったんじゃないだろうか? いくら少年ぽさを出そうと苦労しても、あのキンキンの高音でまくしたてられたら違和感はぬぐえない。結構頑張って演技はしていたと評価はしますが、柴咲コウちゃんの見た目と「どろろ」のイメージがぴよには余りにギャップがあり過ぎた。
それから魔物のCGや着ぐるみが・・・ショボ過ぎるって。いくら何でも(苦笑) ワイヤーアクション等は結構気合入ってて楽しませてもらいましたが、いくら何でもこの魔物はヒド過ぎるわよ。
散々吠えてますけど、内容自体はなかなか良かった。 戦乱の世で荒む人の心の浅ましさ、それから孤児のくだりはとても良く描けてたと思いますね。 それにしてもどうして長男や妻に対しては情け容赦なかった醍醐景光が、次男には急に「父ゴコロ」を発揮してしまうのかがよく判らなかったんだけど・・・これは「天下統一しても跡取りがいないとシャレになんねーしな」というだけなのかしら?そうでもなさそうに見えただけに、もう少し次男と景光の関係を見せてくれればいいのにな、とは思いましたが。
まあ、「邦画にしてはなかなか面白いエンターテイメントになってたんじゃないの?」程度のクオリティは維持していたんじゃないかと思いますよ。あの魔物のCGと着ぐるみをもうちょっとどうにかしてくれれば、他のアジア各国に出しても恥ずかしくないレベルだと思いましたね。
結局、原作が素晴らしかった・・・という事なんだろうと思いますよ。手塚氏はやっぱり天才だったんだなぁ〜
|