2006年08月30日(水) |
X-MEN ファイナル ディシジョン |
監督:ブレット・ラトナー 出演:ヒュー・ジャックマン ハル・ベリー イアン・マッケラン、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 天才科学者の手によりミュータントの能力を奪い「普通の人間」にする薬「キュア」が開発された。普通の人間になるか能力をそのまま持ち続けるかでミュータント達は大きく揺れる。そんな中、マグニートー率いるテロ組織はキュア根絶の為に動き出す。同じ頃、仲間のジーンを喪って失意のX-MEN達だったが、サイクロップスがジーンの声を感じて湖に行くと、何とそこに蘇ったジーンが現れたのだ。しかしジーンの中の「もう1つの人格」が覚醒を始めて・・・
【感想】 大ヒットシリーズ「X-MEN」の最終章・・・らしい。 前2作はブライアン・シンガーが監督だったが、何故か最終章にして監督がブレット・ラトナーにバトンタッチ。どうしてブライアン・シンガーはメガホンを取らなかったんだろう?飽きたの?んな訳ないよね?
まずいきなり吠えるのもどうかと思うが・・・この邦題の「ファイナル ディシジョン」ってどーよ? ちなみに原題は「X-MEN THE LAST STAND」別に原題のままで全く問題がないと思うんですが。ちなみに邦題のファイナル ディシジョンってのは直訳すると「最後の選択」ですか。選択もクソもあなた・・・(^-^;
まあ、とにかく「ファイナル」っちゅー事で、色んな事に一応の決着?を着けようとしています。 それにしても映画序盤でいきなりサイクロップスが・・・もーちょっとジーンを巡ってウルヴァリンと何か事を構えるのかと期待していたんですが、余りに唐突だったので「へっ!?そ、そんなんでいいんすか?」と拍子抜け。 他にも前作を見た時にかなり期待していた「パイロ」と「アイスマン」の宿命の対決?シーンも・・・ちょっとアレは余りにもアッサリし過ぎてませんか?見てて「うそぉ〜ん。そんだけなのぉ〜?(涙)」って感じでしたよ。
でも一番拍子抜けしたのは、やっぱりラストの「ジーン vs ウルヴァリン」だな。 プロフェッサーXですら近付けなかった彼女のパワーも、ウルヴァリンには屁でもないです。ってかウルヴァリンは間違いなく不死身ですね。最初っからウルヴァリンがジーン捕縛に動けば話は簡単に終わったでしょ。(苦笑)
要するに、キャラクター描写の掘り下げがないんですよね。 そのくせ登場キャラが増えたので、どのキャラのエピソードも中途半端と言うか「追っ付け仕事」みたいになっちゃった。 どいつもこいつも実にあっけなくて、「ホントにこんなに簡単にカタ付けちゃっていいの?」って感じ。それは悪役でありながらシリーズ通して誰もが絶賛の声を惜しまないマグニートーに対しても・・・こんな奇襲攻撃?であっさりカタが付くようなヘッポコなリーダーじゃありませんよ!マグニートーというお方はっ!!(怒)
映像は確かに凄いんですよ。このシリーズで1番大掛かりで迫力があったかもしれない。 だけど単に映像が凄いだけだったら、このシリーズはここまで世界的ヒットにはならなかったでしょ。ミュータントの苦悩だったり人間との共存、思想、そしてミュータント同士の人間関係、様々な魅力的なキャラクターに観客が時に同調し、時に反発し、そして魅了された事が、このシリーズを爆発的にヒットさせた1番の理由だったんじゃないかと思うんですよ。 この監督さんは、このシリーズの何が魅力なのかを根本的に履き違えていると思う。
シリーズファンなら「上映時間2時間半、いや3時間にしてくれてもいいから、もっとキャラ描写を掘り下げてくれよー!」と誰もが言いたくなるんじゃないでしょうか? これで「最終章」なのかと思うと、余りにもそっけなくて悲しくなっちゃいます・・・(涙)
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