2006年07月03日(月) |
ブレイブ ストーリー |
監督:千明孝一 声の出演:松たか子(ワタル) ウエンツ瑛士(ミツル) 大泉洋(キ・キーマ)、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 11歳の少年ワタルは、「幽霊ビル」を探検中に美少年に遭遇し、その少年が謎の扉の向こうに行くのを目撃する。翌日学校に行ったワタルはその少年が転校生の「ミツル」だと知り、更にミツルから「扉の向こうにある幻界(ヴィジョン)に行って宝玉を5つ集めれば、どんな望みも叶う」と教えられる。そんなある日、突然父が「他の人と暮らす」と言って家を出て行き、更に母が倒れて入院してしまったのだ。自分の運命を変えたいワタルは幻界に行く事を決意するのだが・・・
【感想】 宮部みゆき著の同名ベストセラー小説の映画化。 今作も珍しく原作を読んでました。ってか宮部みゆきサンが好きなので、文庫化されたモノは全部読みますよ♪ 文庫本で上・中・下巻の長編ファンタジー。コレをたかだか2時間程度のお話にまとめようってーんですから・・・あれ?少し前に全く同じような事を書いたような記憶があるんだけどな?(苦笑)
まあそんな訳で、ダ・ヴィンチ・コード同様「忙しいったらありゃしない!」
まずは「幻界(ヴィジョン)」に行かなきゃ話にならーん!てな訳で、どうしてワタルやミツルが幻界に行って、ここまで必死に命懸けで宝玉を集めようとするのか?という思い入れを持たせる余裕なんてとてもじゃないけどありません。 幻界と現世(うつしよ)との関係、幻界の世界観の説明も一切なし。せめて幻界がどういう構成で成り立っているのかという世界観くらいは説明して欲しかった・・・そーじゃないと、クライマックスのワタルが女神様にするたった1つの願い事が、単なる3流メロドラマもどきになってしまうぢゃないか。
原作では一つ一つ丁寧に描いていた冒険談を、本作ではナニやら楽しげな音楽に乗せて「思い出アルバム」みたいなカットの数々で誤魔化しながら「ワタルと仲間達は頑張って宝玉集めてますよー」みたいに見せている。 時間短縮にはいいアイディアですが、その時間短縮の為に「旅を続ける事で固く結ばれた友情と信頼」という、一番大切な部分がスッポリと抜け落ちてしまい、ワタルの幻界に対する思い入れを感じさせないのは痛い。
まあ、この作品に関して言えば「ゲーム化には向いているが映画化には向いてない」としか言いようがないですよ。 明らかに時間を掛けて楽しむRPGゲーム化に向いた話です(ってか、思った通りゲーム化決まってるし。苦笑) たかだか2時間で楽しめる話ではないのでメッセージも伝わりにくいし、肝心の作品が放つ感動も、「映画」という短い時間で表現してしまっては薄れてしまうのは否めません。
ぴよは原作を読んだ上で映画を見たので、どうしても「アレも足りない・コレも足りない」になってしまいますが、原作未読の方がご覧になったら、この話は判り易く感情移入が出来る展開と脚本だったのでしょうか? もしぴよが原作を読んでなかったとしたら・・・やっぱり「やたら忙しい展開で薄っぺらい話」に思えるんじゃないかと。
映像は確かにキレイです。ですが公開時期が悪過ぎましたね。 せめてピクサー新作「カーズ」とは確実に公開時期をズラすべきでしょう。ピクサーのクオリティには遠く及びませんから。
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