監督:スパイク・リー 出演:デンゼル・ワシントン クライブ・オーウェン ジョディ・フォスター、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 マンハッタン信託銀行が武装した強盗団に襲われ、店内にいた50人が人質となった。犯人グループは人質全員に自分達と同じ服装・覆面をさせるという陽動作戦に出て、誰が犯人で誰が人質なのか見分けが付かないようにした。犯人側から型通りの要求はあったものの、交渉は千路として進まず膠着状態に。そこへマンハッタン信託銀行のオーナーからの直々の依頼で、敏腕女性弁護士が現場に現れた・・・
【感想】 社会派作品をずっと撮り続けているスパイク・リー監督最新作。 とにかく出演している役者が目もくらむ程豪華。上記の3人は説明するまでもなく、他にも名優クリストファー・ブラマー、ウィレム・デフォー等々、映画ファンなら誰もがうなるようなすんごい役者がバンバン出演してます。 予告編見てキャスティングを知った段階で、期待値がバビューン☆と跳ね上がりましたネッ!!
そんな「バビューン☆と跳ね上がった期待値」をあざ笑うかのような微妙〜な作りです(苦笑)
予告編を見た段階から派手なアクションを楽しませるタイプではなく、会話のキャッチボールによる心理戦を楽しませるタイプの作品だろうと当たりを付けてて、少なくともそれは決して間違いではないんだろうけど・・・ 正直言って、本作は役者を揃え過ぎたのが逆にミスキャストになってると思うんだけどな(苦笑)
敏腕捜査官フレイジャー役、デンゼルが演じる意味あるんだろうか?むしろ彼じゃない方がよかったんじゃないか? 犯人グループのリーダー役を演じたクライヴ・オーウェンはすっごく良かった。でも彼と対峙する刑事役のキャラクターを考えると、デンゼルが演じるのでは「出来過ぎ」な気がして、正直言って微妙な違和感がありましたね。 更に女性弁護士役のジョディ・フォスター、彼女の役回りが映画を見終わった今も「よく判らない」んですよ。
かなり緻密に伏線を張り巡らせているにも関わらず、見ている観客に「コレは一瞬たりとも気を抜けないゾ」と思わせるような緊張感を持たせてくれないのがすっごく痛い。 むしろダラダラと間延びした展開の連続で、観客は緊張の糸切れっぱなしでどうにもこうにもお手上げです。 話のプロット自体はすごく良く出来てると思うのに、物凄く残念な作りでしたね。見せ方次第ではもっともっと面白くなるだろうと思えるだけに、脚本・演出の悪さが目に付いてガックリですよ。
この作品の一番の見せドコロは、多分「事件が終わった後の種明かしシーン」だと思うんですが、コレがどーにもこーにも判りにくくて説明不足。種明かしを聞いても「なぁんだ!そーいう事だったのかぁー!」というスッキリ感がまるでなくて、尻がむず痒いったらありゃしない!(^-^; 種明かしシーンを見ても「で?結局誰が何だったの?」って人が結構いると思いますヨ。
これだけいい役者使って、プロットだってかなり緻密で、もっとずっといい映画になる可能性が無限大にあると思うのに、どうしてこんなスッキリしない小品になっちゃったんでしょー(涙) スパイク・リー監督には「遊び心」がちと足りませんネ。もー少しエンターテイメントしていればよかったのに・・・
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