監督:ロベルト・シュヴェンケ 出演:ジョディ・フォスター ショーン・ビーン ピーター・サースガード、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 突然の夫の事故死に動揺を隠せない航空機設計士のカイルは、6歳になる娘のジュリアを連れてベルリンから故郷NYに帰る事になった。母子と夫の遺体を乗せて飛ぶハイテクジャンボジェット機E-474、それは皮肉にもカイルが設計を手掛けた最新鋭ジェット機だったのだ。悪天候の中ベルリンを飛び立ったE-474の機内、ついウトウトとして目覚めたカイルは、隣にいたハズの娘がいなくなっている事に気付きパニック状態になるのだが・・・
【感想】 ジョディ・フォスター主演最新作・・・って言うか、既に公開終了間近ですね(あわわ) 実は本作、既に見た友人達が口を揃えて「クソ映画」と言うので(コラ)自分の中でスルー決定していたんですが、シネコンに映画を見に行ったら直ぐに見られる映画がコレしかなかったので「まあ・・・ネタとして見ておくのも悪くないか」と思い鑑賞決定した次第。(^-^;
確かに「クソ映画」呼ばわりされても仕方ないですなぁ〜! ←またしてもいきなり結論言うか(苦笑)
要するに「密室サスペンス」なんですが、とにかく全てにおいて設定が破綻しているんだもんなぁ〜 破綻している部分を数え上げたらキリがない。逆に破綻していない部分はドコだ?と聞かれても答えられない。 とにかく見事なまでに辻褄も設定も展開もハチャメチャ、何もかもが矛盾と偶然に彩られて、余りにも潔く、余りにも完璧に破綻しまくっている!という「逆パーフェクト作品」ですわ(笑)
本作に対して「コレは余りにもヒドい」とクレームを付けた航空会社があったそうですが、確かにクレームを付けられて当たり前レベルな能無しで横柄で危機管理の出来ていない非常識キャビンアテンダント&機長。 ぴよは旅好きなので年に何度か飛行機には乗りますが、中国東方航空だってコレ程ヒドくはないだろう(コラコラ)
もっとも、クルーよりももっと非常識なのは主人公の「ヒステリックママ」 テメーの居眠りが原因で娘がいなくなったのに、辺り構わず吠える・叫ぶ・癇癪を起こすのオンパレード。挙句の果てに機内でアラブ人客を見かけると、いきなりテロリスト誘拐犯呼ばわりの大立ち回りまでこなしてしまう差別主義者。加えて自分の娘を捜索する為には機内の客は全員席に縛り付けておくのが当たり前、更にキャビンアテンダント一同は他の客を放置して全員が娘の捜索をするのが当たり前だと考えている、思い上がった選民意識。うーん・・・パーフェクトですっ!(爆)
こういう「バカ母」というのは、世界共通なんだろう・・・と言うか、もしかして世界基準でコレが「母の正義」だと認識されているのだろうかと思うと背筋がゾクゾクしますなぁ。いやはやちょっとヒネったホラー並みの怖さですヨ(^-^;
と、散々書き殴りましたが・・・意外に面白かったです。 ←今更何を言うか(苦笑)
いやホントに。矛盾だらけの破綻しまくりの話なんですが、「エセ・サスペンス」として見せ方はちゃんとエンターテイメントしていて、基本的に誰が見てもきちんと楽しめるように作られているんですよ。 セットも金が掛かっててちゃんとしてますし、「在り得ねーよ!バカモノッ!」とツッコミを入れつつも、ちゃんとハラハラドキドキさせてくれる見せ方はしているんですわ。
根本的にネタは決して悪くなかったんだろうと思うんですわ。 密室サスペンスとしてもっときちんと設定を練り込めば、もう少しマシな作品になっただろう可能性はある。 しかしながら、この話の設定の基本「何故わざわざこの飛行機を設計した家族がターゲットになったのか?」という動機が全くないので、ネタのスタート地点で完全に破綻しちゃっているというのが痛過ぎます(笑)
せめて怨恨ネタか・・・いっそ「本当にママは狂っていた」というオチなら納得出来たかも!(をい)
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