監督:手塚昌明 出演:江口洋介 鈴木京香 鹿賀丈史、他 オススメ度:☆+
【あらすじ】 陸上自衛隊東富士駐屯地で極秘実験中に事故が発生し、的場一佐率いる実験中隊が忽然と姿を消してしまった。調べる内に460年前に的場達がタイムスリップした事が判明するが、その後何もかも飲み込んでしまう「ホール」が出現する。それが的場達の過去への過干渉が原因らしいと判った自衛隊は、かつて的場率いる特殊部隊の精鋭だったが今はしがない居酒屋の雇われ店長をする鹿島をメンバーに加え、再度タイムスリップする事にしたのだが・・・
【感想】 1979年に映画化されて大ヒットした半村良氏原作の同名作品のリメイク・・・だと思ったら、どうやら本作はあくまでも半村氏の原作の「戦国時代にタイムスリップする自衛隊」というテイストだけを「原案」という形で頂いて、「戦場のローレライ」「亡国のイージス」の著者として知られる福井晴敏氏が本作の原作を書き下ろしたようです。
てな訳で、リメイクじゃないとは知ってたけど・・・恐ろしい程マンガちっくな世界でした(今日も吠え) もう何もかもがツッコミ入れたくてうずうずする、笑って笑って泣けて来るじょー!!←どっちだよ
そもそも、どうして江口クン演じる鹿島は退官して居酒屋店長なんでしょう? 日本の(地球の?)一大事に、どんな理由があろうが絶対に退官した人間を起用するなんて考えられない!極秘実験での失敗の尻拭いだから、更に「超極秘指令」のハズなのに、どーして退官した人間使うかなぁ〜? どーせなら、かつては的場率いる精鋭部隊の有能な部下だったものの、何か個人的事情で今はしがない自衛隊の事務職員になってるとか・・・その程度の設定の方がまだ納得が出来る。
それから鈴木京香嬢はとても好きな女優さんなんだけど、彼女は全く必要がない。 彼女の役自体が必要じゃないんじゃなくて、あの役を彼女が演じるのはリアリティに欠ける。 なんだかんだ言ってもまだ自衛隊は男社会の典型みたいなもんだ・・・というのが一般的な感覚だと思うんだけど、彼女の演じているような重要なミッションを背負う役割を女性が演じると腰が砕ける(苦笑)
何故富士山の麓で原油が採れるのか? たかだか数年でどーやってあの原油プラントを作ったのか? そしてあれだけのシステムを誰がどーやって構築したのか? どうして信長の人妻となった濃姫の寝所に夜オトコが尋ねて行けるのか? 勝手に実在する(予定の)人物の名前を語らせて、後々歴史に齟齬を来たさないのか? 歴史を歪めない為にタイムスリップした自衛隊の戦車やヘリを、どうして1549年に置き去りにしてしまうのか?
・・・まあ、コレらはぴよが映画を見ながらツッコミを入れていた一部ですが(一部かよ。苦笑) その後も何から何までツッコミ入れずにいられる箇所がないくらいの、とにかくハチャメチャな設定のオンパレード。 「タイムスリップする」というネタ自体にリアリティがないんだから、これくらいは面白くするって事で許されるよね?くらいに思って作ったのか、 それとも最初から「こりゃーB級〜ウルトラC級映画ファンは泣いて喜ぶぞぉ♪」と思って作ったのかはさだかではありませんが、少なくとも見てる限りはどーやら本気でリアルを追求して作ってるように感じるから怖いんですよ(笑)
中途半端に爆破シーンとかリアルを追及するんだったら、もーちょっと設定を考えて欲しいよぅ〜 これじゃー「宇宙戦艦ヤマト」の「波動砲」の方がよっぽどリアリティを感じますって(^-^;
妙に金の掛かったセットや、妙に金の掛かった爆撃シーン、そして陸上自衛隊の全面協力で実際の自衛隊機を使用したという鳴り物入りの大道具(←って言っちゃっていいのか?)、コレらがなかったらとてもじゃないけど見てられない・・・どーしてあの名作が21世紀になるとこんな駄作になってしまうのか?と思わずにはいられなかったっすヨ(涙)
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