2005年03月07日(月) |
ロング・エンゲージメント |
監督:ジャン=ピエール・ジュネ 出演:オドレイ・トトゥ ギャスパー・ウリエル ドミニク・ピノン、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 第一次世界大戦下のフランス、恋人マネクの帰還を心待ちにする婚約者マチルダの元へある日悲報が舞い込む。軍法会議で死刑宣告を受けていたマネクが、武器も食料も持たされずにドイツ軍との前線に置き去りにされたというのだ。戦争が終わっても戻って来ないマネクがきっとどこかで生きていると信じるマチルダは、必死になって彼の消息を探すのだが・・・
【感想】 「アメリ」のジャン=ピエール・ジュネ監督とオドレイ・トトゥ嬢が再びタッグを組んだ超話題作。 今年のアカデミー賞の撮影賞と美術賞にノミネートされたので(残念ながら受賞しませんでしたが)タイトルくらいは聞き覚えのある方も多いでしょう。フランスのミステリー作家セバスチャン・ジャプリゾ氏著「長い日曜日」の映画化です。 オドレイ嬢が出演するといつも「アメリの」「アメリの」って前置きが付くのにそろそろ嫌気が差しているぴよですが、本作に限って言えばこの前置きは当然と言えるでしょうね。何しろ監督さんも「アメリの」ですから(笑)
そんな訳で、本作も「アメリ・テイスト」がふんだんです。 戦争が終わっても戻って来ない恋人マネクの生存を「直感して」彼の消息を辿るマチルダ。そんなマチルダを支える周囲のみんなも、表現は違えどマチルダの幸せを願う心優しい人達ばかり。
更にマチルダは自分の中で日々小さな賭けをしている。「食事に呼ばれる前に犬が部屋に入って来たらマネクは生きてる」とか「7つ数え終わるまでに車掌が切符切りに来たらマネクは生きてる」とか・・・ こーいうの、誰でもやりますよネ!ぴよもよくパチ屋に行って「300回転までにスーパーリーチが来たら確変がかかる!」みたいな賭けをやっていつも負けるんですが(をい)、こういう遊び心もアメリを彷彿させて楽しませてくれます。
ですが、本作はアメリの「ふんわり幸せカラー」とは打って変わって非常にストイックなサスペンス仕立てです。 加えて言えば舞台が第一次世界大戦の悲惨な仏独対決、戦争シーンはかなり力が入っていて「アメリ」みたいな映像世界を期待しているロマンティストの方にはかなりショッキングなシーンも多々出て来ます。 ただ映像はとてもキレイで手が込んでいる。戦闘シーンの悲惨な様子の描き込みも素晴らしいですが、戦後の花畑やマチルダとマネクの回想シーン等の映像は本当に美しい♪
で、問題なのが「サスペンスな展開」ですわ。 マチルダが少しずつマネクに近付くヒントを見つけて、マネクが最後に一緒にいた仲間の兵士達の所に赴いては次のヒントをもらって真相に辿り着くという展開なのですが、登場人物が多くて名前と顔が一致しないから困るんだな(^-^; マチルダと誰かが話してる時に話題に上る人名が、具体的にどういうキャラでどういう顔だったか思い出せないから、話がずんずん進んでも結局何やってた人だったんだか最後までわかんないヤツもいたりして(涙) 会話の中で人名が登場する度に、スクリーン脇に白抜きで顔写真だけ出してくれればまだ判り易いんだけど・・・ってそんな事出来る訳ねーっつーの(爆)
なかなかトリッキーでよく考えられたプロットですし、キャラクターの作り方もいい。映像も素晴らしい! けど、映画全体を支配するこのサスペンスな展開に着いて行けないと、どうしても作品自体に乗れない。 少なくとも映画に登場する人物全ての名前と顔とマネクとの関わりを、映画冒頭のナレーションを聞きながら瞬時に理解して完璧に記憶するという荒業をこなさないと置いてきぼり食らってしまい、話の全容が全て明らかになったトコロでムリヤリ納得しなければならなくなる(薄涙)
とは言え、見終わればきちんと理解出来るようには作られていますから。 ただ話が展開している間、顔と名前が一致しないと訳わかんなくて退屈するって事ですわ(こらこら) きっともう1回見たら全然違う感想になると思う。作品の出来としてはかなりいいと思いますから。
登場人物の名前と顔を瞬時に記憶出来る頭脳がぴよにあれば・・・バカって映画楽しめなくて損ネ(^-^;
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