2005年03月01日(火) |
レーシング・ストライプス |
監督:フレデリック・デュシュー 出演:ブルース・グリーンウッド、他 声の出演:ダスティン・ホフマン ウーピー・ゴールドバーグ、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 ある嵐の夜、農場主のノーランは道に置き去りにされたシマウマの赤ちゃんを見つけて家に連れ帰った。娘のチャニングは大喜びでこのシマウマに「ストライプス」という名前を付ける。農場に飼われている優しいヤギのフラニーおばさん、気難しいポニーのタッカー等の仲間達に受け入れられてすくすくと成長するストライプス。ある日農場の隣にある競走馬の調教場の様子を見たストライプスは、いつか競走馬になってレースに出たいと夢見るようになるのだが・・・
【感想】 動物好きやファミリー層など、大ヒットは難しくてもある程度の観客数が見込める事から、年に何本かコンスタンスに製作されている「動物ご出演モノ映画」というジャンル。 アニメーションと実写版モノが仲良く住み分けて製作されるこのジャンルの、正に王道的作品の登場。 本作は実写にCGを組み合わせて役者と動物の共演、更に動物のセリフの吹替えにダスティン・ホフマン、ウーピー・ゴールドバーグ、マンディ・ムーア等の有名俳優を起用する事でパパママ世代にも魅力をアピール。
話は「希望を持って一生懸命努力すれば、誰だってきっと願いが叶う」という、お子様向け直球ど真ん中ネタ。 一応ストライプス達の動物さん側のドラマと、農場主ノーラン親子側の絆と再生ドラマの二本立てで話は進行しますが、どちらも磐石でヒネリもなく安心して子供に与えられる作品に仕上がってます。
狂言回しにハエのコンビが登場してきっちり笑わせてくれたり、悪ぶってるもののドジでマヌケな「ボケ担当」のペリカンや、話の筋に直接関わらないけど「幕間」代わりに一息付かせる犬の存在等、どれを取っても本当に過去何千本も作られた動物モノ映画のセオリー通り。 ハズさないけど意外性もないから大人の鑑賞にはちょっとな・・・とは思うけど、こういうジャンルを見に来る人で驚くような展開を期待している人は皆無だと思うので、まあどーでもいい事ですわネ(苦笑)
ネタも展開も何もかも子供向けだけど、子供だけが楽しむには勿体無いくらい撮影に手が込んでます。 そもそも「シマウマ」というのは臆病で野生が強い動物なので、調教したり演技をさせるのはムリだろうと言われていたそうなのですが、本作では10頭のシマウマを数ヶ月に渡り調教し、見事に「役者」として演技させています。
特にスゴいのはクライマックスのレースシーン。映画見てた時は競走馬だけを走らせた映像にシマウマの疾走映像をCG合成しているんだとばっかり思ってたんだけど、何と全て実写で撮影してるそうですヨ! 負けん気の強い競走馬を、シマウマの速度に合うようにわざとゆっくり走らせるのは至難の業なんだそーだ。 クライマックスシーンは思わず腰が浮いて「行け!行け!行けぇーっ!」と叫びたくなる迫力!
他にも人間の役者が全く登場しない「ムーンライト・レース」のシーンも圧巻。これもてっきりCG合成だとばっかり思ってたんだけど、ちゃんと馬達を並べて、その間をシマウマがレースをするように演技させているんだとか・・・どーやって調教すればこんな事が出来るんだか不思議ですわ〜
要するに、ハエの動きや動物が喋る時の口の動きにはCGを使ってるけど、基本的な演技シーンはほとんど実写。 きっと物凄い時間かけて調教して、撮影にも相当の苦労をしているんだろうなぁ・・・と、映画を見終わった後に家に帰ってから公式サイトを読んで感心していたんですがネ、
問題は、この映画を見たほとんどの人はわざわざ公式サイトでそういう情報を仕入れようとはしないという事でしょ。 だから映画見ても「最近のCG技術ってスゴイねぇ〜」としか思わない。まさかコレが全部実写だなんて、今の時代誰も思わないのが普通でしょ(実際ぴよも公式サイト見るまではCG合成だとばっかり思ってたし) そもそも映像にこだわりのあるよーな「映画通」の方が大挙して押し寄せる類の作品じゃない。 子供同士、もしくはパパママと一緒にお子ちゃまがご鑑賞する程度の客層の作品に、ここまで実写にこだわる意味があるんだろうか?という疑問がフツフツと湧く訳でして(苦笑)
こーいう手間ヒマのかけ方って、物凄く空しい努力のよーな気がするんだけど(^-^; それとも・・・「希望を持って一生懸命努力すれば、きっと観客動員数の記録が塗り替えれる!」のでしょうか(爆)
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