2005年02月08日(火) |
ビフォア・サンセット |
監督:リチャード・リンクレイター 出演:イーサン・ホーク ジュリー・デルピー、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 9年前にユーロトレインの車内で出会い、ウィーンで一夜を過ごしたアメリカ人青年ジェシーとフランス人美女セリーヌ。半年後に再会する約束は果たされる事がなく9年の月日が流れ、ジェシーはセリーヌとの経験を小説に発表した事でパリの書店で朗読会が行われた。そこに現れたセリーヌと再会を喜び合う2人だったが、残された時間はジェシーがNY便に乗るまでのたった85分しかなかったのだ。
【感想】 1995年に発表された「恋人までの距離(ディスタンス)」の続編。 監督も主演の男女俳優も9年前のキャストのままで、しかも前作からの時間と同じ「9年後の2人」という設定で映画化するというのは面白いと思う。思うものの・・・前作未見ですぅ〜(^-^;←このパターン多いっすな しかも2人が再会して別れなきゃいけないタイムリミットが85分。そして映画上映時間も85分。要するに2人の再会をそのままライブで見せようという趣向・・・最近では「24シリーズ」のようなライブドラマ流行りですが、本作もそんな「ライブ好き」さんを刺激する一作!?
実はこの作品が続編だと知らなくてネ。 ぶっちゃけ言うと、前作のファンだった方とそーじゃない方では結構評価が分かれるんじゃないかと思うんですよ。 前作ファンの方はたぶんこの2人のウィットに富んだ会話のやりとりに惚れ込んだんだろうし、前作を見ても大して興味をそそられなかった方はたぶん本作は見ないだろう(コラ)、そして前作未見のぴよの場合は・・・
いや、正直言って結構楽しかったですね。 前作未見というハンデはあるものの、2人が会話をしていく様子を見てる内に「確信」まではいかないまでも「たぶんこんな事だったんだろーなー」くらいには前作までの展開が理解出来るように脚本が練られていました。 更に前作の映像(だよね?)も所々会話に被せて見せてくれましてね、これは前作ファンはたまらんでしょう!
9年経ってお互いその後人生経験も豊富に積んで大人になった。 そんな2人が空白の時間を埋めるかのように、政治・地球環境・恋愛感・セックス、様々な話を延々としていくんだけど、人生経験を積んだこの年齢だからこそ言える「等身大の今のアタシ・オレの人生観」をお互いがまくしたて続けるプロセスが・・・最初は再会出来た喜びと興奮、それから9年間のブランクもあって多少遠慮がちに語り出し、興が乗り始めると熱くなり、皮肉を交え、自虐的になり、そしてようやく本当に伝えたかった言葉を交し合うという展開は、たった85分の中にまるで人生を凝縮したような面白さがありました。
彼らが語る言葉のいくつかは、多少人生の辛酸を舐めて来た人には大いにうなずける名言だったろうし、過去を悔やんだり懐かしんだりする気持ちもこの年齢(どの年齢だよ。苦笑)になればすごくよく判る。
しかしながら、ぴよは見ていてこの2人がかつて愛を確かめ合った恋人達にどーしても見えなかったんだな。 もっとも9年振りに再会していきなり「愛に飢えて燃え燃えです!モード」なんてあり得ないし(苦笑)、実際にもし昔たった一晩だけ愛を語り合った人に再会したら、やっぱりこの映画みたいに「ちょっとぎこちないけど親密」という微妙な状態になるんだろうなぁ・・・とは思うのですが。
でもネ、「実際」だったらいいんですが、コレは「映画」な訳でして。 ぶっちゃけ言って恋愛映画に必要不可欠な「色気」が余りに足りないんですよ。 「9年間くすぶっていた思いを言葉で綴る」と文章で書くとすごくロマンティックな感じがしますが、半年後の再会の約束を果たせなかったが為に人生の歯車が狂った2人の「恨み節」を延々とぶつけ合ってるだけみたいな感じがして・・・コレって少なくとも「恋愛映画」というカテゴリには当てはまらないよなぁ。すごく微妙だよなぁ〜って感じでして。
ラストがこれまたねぇ・・・ぴよは正直言ってこのラストは悪くないと思うんだけどサ、エンディングのスタッフテロップが流れ始めた瞬間、会場がどよめきましたヨ(笑) 「えぇっ!?コレで終わりなの?マジで!?」・・・だって。
コレでいいと思うけどナ。次回はまた9年後かなー?ってネ(爆)
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