監督:ジェレマイア・S・チェチック 出演:ジョニー・デップ メアリー・スチュアート・マスターソン エイダン・クイン、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 12年前に事故で両親を亡くしたベニーとジューン兄妹。妹のジューンは両親を亡くした後に精神障害を患い、兄のジューンは常に目が離せない状態で恋愛もままならない。ある日、ベニーの代わりにポーカーに参加したジューンは賭けに負けて、ポーカー仲間の家に居候している厄介者のサムを引き取る事になってしまう。サムは文字の読み書きもロクに出来ない風変わりな男だが、ジューンはそんなサムに興味を持ち始めて・・・
【感想】 1993年の作品。単に「若かりし頃の(いや、今も若くてステキなんだけど♪)ジョニー・デップが出演してる」という理由だけでレンタルして来たんですけどネ(^-^) 借りて見るまで知らなかったけど、ベニーといい雰囲気になるウエイトレス役でジュリアン・ムーアも出てます。
上記↑の「出演」の役者の順序ね、 ジョニーをまず先頭に書きましたが、原題は「BENNY & JOON」というんですヨ。 要するに話のキモは「心が病んじゃった妹を親の愛のように慈しむ兄貴との麗しい兄弟愛」だという事なんですが、邦題では当然だけどキャストの中で一番目玉のジョニー・デップを前面に出したモノに変えられちゃってます。
普段だったら「違うだろ」と吠える部分だとは思うんだけど、今作に限って言えば「この邦題でいいでしょ」でした。 要するに、この映画を盛り上げるのも楽しませるのもいい気分にさせるのも、何もかもジョニデが1人で担っていて、それ以外の部分は別段面白くもなかったという・・・(わー。今日も吠えてるぅ〜)
まずからして、精神病んでるという妹ジューンのキャラクターが全く掴みドコロがないんですわ。 確かに意味不明な行動を取ったり癇癪を起こしたりするトコロを見ると「あぁ、コイツどこかおかしいな」と思わせるキャラクターなのですが、兄貴があそこまで心配する程のレベルには見えないんだよね。 それよりジューンって何歳という設定なんだろう?少なくとも成人しているという設定だろうと思うんだけど、彼女の様子を見る限りでは訓練次第では充分に社会に適応出来るレベルに見えたんだけどなぁ・・・
兄貴のキャラクターがまた中途半端でね(^-^; 妹を思うが余りに社会と妹を隔絶してしまう「過保護な兄貴」というのはよーく判るんだけど、その割に妹の態度にブチ切れると相当ヒドイ言葉をジューンに吐きまくるし、妹が心配で旅行なんてとんでもない!と言いながらもサムが家にいるからという理由で(しかもサムの事を相当胡散臭い目で見てるクセに)、ラブな彼女との逢瀬を楽しむ為に深夜帰宅は辞さない。 ・・・兄貴の方が精神病んでんぢゃねーの?(コラ)
そんな意味不明な兄妹の間に割って入って、次から次へとパフォーマンスを繰り出して観客を魅了するジョニデ♪ 彼はいわゆる「一芸に秀でた天才肌の癒し系@でも社会不適合者」という役を演じていますが、何考えてんだかよく判らないよーな怪しい目付き、バスター・キートンやチャップリンを彷彿とさせる形態模写(役の設定もサムはキートンを敬愛しているという事になってる)、何もかもが素晴らし過ぎるパーフェクトな演技でした!!
・・・どーしてサムは親元を離れて従兄の家に居候していたのか?とか考えちゃダメみたいだけど(笑)
てな訳で、根本的に色んな部分が破綻しまくってるのですが、ただただジョニデの演技を楽しんで、更に見て胸糞悪い話じゃないですから(いや、素直に言えばかなりハート・ウォーミングなんですけどネ)先の見えたオチにホッとして♪
割といい話だと思ったんだけどなぁ・・・何でこんなに酷評してんだろ?(^-^;
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