監督:チャン・イーモウ 出演:金城武 アンディ・ラウ チャン・ツィー、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 中国・唐の時代、凡庸な皇帝と政治の腐敗から各地で反乱勢力が台頭、その最大勢力「飛刀門」の討伐を命じられた県の捕吏・劉は、遊郭に潜んでいた飛刀門の刺客で盲目の美少女・小妹を捕らえた。どうやら彼女が前頭目の娘らしいと勘付いた劉は、同僚で武芸の達人・金に身分を偽り小妹を助け出した上で、飛刀門のアジトを突き止めるように命じた。 かくして目論み通り金と小妹2人は逃避行を始め、劉は金と密通しながら後を追うのだが・・・
【感想】 昨年「英雄-HERO-」でジェット・リー様にワイヤーアクションを施してぴよを激怒させたチャン・イーモウ監督が (この出だしはマズイか・・・世間的には非常に評判がよく、ぴよも映画としては素晴らしいと思います。えぇ) HERO製作スタッフを再集結させて送り出す武侠映画の第二弾。
HEROでも大絶賛でしたが、その映像美は今作も息を飲む程です。 ひとまず映画冒頭のチャン・ツィーちゃんの舞踏シーンは圧巻の一言!体めっちゃ柔らかいし異常に動きが良すぎて「まさかこのダンスシーンもチャン・イーモウお得意のCG処理なんすか?」と思ってちょっと調べてみたら、チャン・ツィーちゃんは元々ダンスをやってらっしゃったよーで、11歳で北京舞踊大学附属中学に合格し、在学中に全国青年ダンス・コンテストで優勝なさったという筋金入りのダンサーでした(^-^; いやぁ〜・・・この冒頭の舞踏シーン見るためだけでも映画館に足運ぶ価値あるよ。マジで!!
話は前作「HERO」と全く逆。 HEROはお上に謀反を起こそうとするカッコイイ男(リー様♪)と、彼を取り巻く男女達のストイックな話でしたが、今回は謀反を討伐する方の立場の男を中心に、謀反を起こす美女との恋愛模様が中心に据えられています。 あくまでも筋立ては恋愛モノなんだけど、話を進める上で小気味良くアクションシーンを挿入して観客を楽しませてくれて、更に美しい風景・衣装・音楽・演出で一級のエンターテイメントに仕立て上げるという贅沢な作り。
今作もCGやワイヤーを多用したアクションシーンになっていますが、前作の「HERO」ほど嫌味な使い方をしていないので、ぴよはアクションシーンに関しては今作の方が評価は高いですネ。 特に映像的に素晴らしいと思ったのは竹藪でのアクション。中国雑技団の皆さんが(をい)スルスルと頭上から竹を伝って滑り降りて来たり、四方八方から竹が乱れ飛ぶ映像は、単に迫力があるだけでなくチャン・イーモウ監督の映像美に対するこだわりをまざまざと見せ付けられる思いでしたね。
今回もきっとロケ地にも随分こだわっているんでしょうねぇ・・・晩秋の紅葉した山並み〜雪が舞い降りて次第に辺りを白銀の世界に染める辺りの演出なんて、チャン・イーモウの真骨頂と言っても過言じゃーないでしょう! 今作の衣装にも相変わらずのこだわりが見える。セットやロケ地の風景に実にマッチした色と、品が良く格調高いデザインの衣装・・・舞踏シーンの衣装の美しさも筆舌に尽くしがたいですが、竹薮から「飛刀門」の一団がゆらりと現れた時の光り輝かんばかりの若竹色の衣装の美しさと言ったら!!
と、大絶賛の本作ですが・・・「恋愛映画」として考えるとどーでしょう? 少しパンチが弱い感じは否めませんね。クライマックスでもう一捻りあってもよかったよーな気がするよ。 後これは見た人の好みの問題だと思うけど、映像の美しさにこだわり過ぎた為に展開が少し冗長でぬるく感じて、めくるめく展開を期待するとすこーしだけダレる感じがしなくはなかったですね。
正直言うと「映像もアクションも素晴らしいけど、話自体はそれほど面白くない」←コラーッ!(^-^; ・・・あー。今日も吠えちゃったけどサ、でもこの作品は誰が見てもかなりの満足感が得られる秀作ですよ。 劇場に見に行って絶対に損はない作品です。これだけは太鼓判!
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