ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2004年07月08日(木) スチームボーイ

監督:大友克洋
声の出演:鈴木杏(レイ)
      小西真奈美(スカーレット)
      中村嘉葎雄(ロイド)、他
オススメ度:☆☆☆


【あらすじ】
19世紀半ば、万国博覧会を目前に控えたイギリスに住む少年レイは、祖父ロイド、父エディと続く発明一家の3代目の才能溢れる男の子だ。ある日レイの元に、アメリカで父と共同研究中の祖父から謎の金属ボールが届けられた。そこへオハラ財団と名乗る男たちがボールを渡せとやって来た。祖父の「オハラ財団には絶対に渡してはならない」という指示に従い、ボールを持って逃げるレイだったが・・・


【感想】
「AKIRA」から16年、アニメ&コミックおたくの教祖・大友克洋氏の待望の新作が登場!
原案・脚本(共同脚本)・監督をこなし、ノリノリの大友氏が送り出す本作は制作9年、総制作費24億円というとてつもない巨額を投入し、満を持しての登場〜♪・・・ぴよ、大友氏のコミックはかなり好きで本も持ってるんだけど、実は映画「AKIRA」すら見てなかったんすよ(勿論原作本は持ってますわよ)

映像はさすがにキレイネ。
大友氏のコミックが動き出したらこんな風だといいなぁ〜・・・という世の大友信者達を充分満足させられる出来です。
ロンドンの万国博覧会会場の様子なんて、当時の写真のまんまですっげー忠実!この作品の製作に当たって大友氏はかなり当時のロンドンの様子を下調べしたそーで、見事に現代に蘇っています。

加えてオモチャちっくなメカデザインも凝ってて面白い。
所詮19世紀半ばの技術ですから動きも微妙にコミカルで、宮崎アニメに出てくるエセロボットに大河原邦男氏のデザインメカを足してタツノコプロのメカを引いて2,3回ドツキ回したよーな感じで、ぴよはかなりお好みです♪(をい)
(※大河原邦男氏→「機動戦士ガンダム」のメカデザインを担当した、ロボットアニメの教祖みたいなおっさん)

話の大筋は「科学進歩の未来の行方」なんだというのはわかります。
思いっきりマッドサイエンティストになっちゃって科学を戦争の道具にしようと躍起になる父エディに対抗するのが、科学とは純粋に人間の幸せの為に使われるべきであると主張する祖父ロイド。
問題はロイドじいさんの主張する「人の幸せの為の科学」というのが、妙ちきりんな遊園地を作る事であるという事だ(笑)
じいちゃん、キミの気持ちはよーく判るけど、あのメリーゴーランドの動力にスチームボールは必要なかろうて(^-^;

じいちゃんの作ってる遊園地では今ヒトツ説得力に欠けるので、レイ少年も最初にエディパパが作ったという最新兵器を見た時は素直に「すっごーい♪」と喜んでいます。その後ロイドじいちゃんに物凄い剣幕でまくしたてられたので、何となく「そこまで怒られちゃうからには、やっぱりコレは悪いのかな?」程度の強引に納得させられたかのような微妙感(苦笑)

見せ場多くて絵もキレイだから見てて退屈とまでは言わないけど、映画後半「天空の城ラピュタ」と「ハウルの動く城」を足して意地クソ悪くしたよーなマッドサイエンティスト城が出て来た辺りから、正直言って「もうそこら辺でシメようよ」という気分になって来てました(^-^;

「科学を悪用してはいけない」「人を殺戮するための道具にしてはいけない」という素晴らしいメッセージは充分伝わる作りになっていると思うんだけど・・・今ここまで科学が進歩して来た背景には「兵器開発の為の科学」があったからこそだという事実は、誰も否定出来ない事だと思うんですよ。
理想論としては誰もが納得出来るけど、現実は「兵器開発の為の科学進歩」だったという事が判っている大人にとって、この映画のメッセージに感慨を覚える人は少ないんじゃないでしょうか。

子供だけに見せるには余りに素晴らしい映像なだけに、見せ方をもう少し工夫して欲しかったと思う。
宮崎アニメもこの作品のようなメッセージ性の強い作品が多いですが、宮崎氏の作品が大人にも受け入れられるのは、誰が見ても愛らしいと思える魅力的なキャラクターと、メッセージ色が濃いけれど「ファンタジー」というオブラートに包む事で「娯楽映画」としてきちんと形を成しているからだと思う。

大友さん、意気込みは判りますが気合を入れ過ぎてはいけませんヨ。
所詮アニメ映画を見に来る観客は、「娯楽」を求めているんですから(笑)







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