2004年06月01日(火) |
カレンダー・ガールズ |
監督:ナイジェル・コール 出演:ヘレン・ミレン ジュリー・ウォルターズ シアラン・ハインズ、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 英国ヨークシャーの田舎町に住むクリスとアニーは婦人会に参加している親友同士。ある日クリスは、夫を白血病で亡くして悲しみにくれるアニーを励まそうとあるアイディアを思いついた。何とそれは「婦人会でヌードカレンダーを作って、その売上金でアニーの夫が入院していた病院にソファーを送ろう!しかもヌードモデルは自分達で!」という大胆なものだった。 紆余曲折の末に出来上がったヌードカレンダーは国内どころか米国でも話題沸騰!沸き立つクリス達だったが、周囲で微妙な不協和音が起こり始めるのだった。
【感想】 1999年に発売されるや否や、30万部という記録的な売上を記録・・・って、これはこの映画の原作本がどーのこーのという話じゃないですよ。この「婦人会製作・ヌードカレンダー」の事ですヨ! そう。これは本当にあった話を映画化しているんだそーですわ。「事実は小説より奇なり」とは言うものの、本当にこんな大胆な事を考える田舎のおばちゃん達がいるなんて、何とも楽しいぢゃーありませんか♪
事実を映画化している事、そしてその主人公になった主婦達が本当にどこにでもいる、普通に生活している一般人である事、更にはこのカレンダー製作のきっかけにもなった「夫を白血病で亡くしたアニー」の気持ちも考慮して、かなり気を遣った作りの作品になっていると思う。
映画冒頭からカレンダーを撮影するまでのエピソードが多少冗長な感じがしなくもないですが、このカレンダーを製作する事になったのが単なる「刺激を求める平凡な主婦の冒険物語」な訳ではなく、そこには夫を失った妻の悲しみと、それを何とかして癒してあげたいという優しい気持ちと、そしてちょっぴり刺激的なスパイスを求める事で、人生に彩りを見出そうとする「愛らしいお茶目な心」があった・・・という事を正確に観客に伝える為には端折れないモノだったんだろうね。
この映画のキモは「平凡な主婦がヌードカレンダーを作った事」自体ではなく、作った事によって生じた様々な軋轢や不協和音に彼女達が苦悩して、そこからどうやって立ち上がって行ったのか、という部分だと思う。 映画としては「こんなすっとこどっこいなカレンダー作ってみたら大ウケだった!楽しいな♪」で終わっちゃっても全然面白くてOKなんだろうけど、実際の彼女達はこの映画では表現し尽せない程の批判や誤解、軋轢や障害に晒されたであろう事は容易に想像が付く。 この彼女達の苦悩を映画で表現してあげなければ、彼女達はいつまで経っても「露悪趣味のババアが、ちょっとウケたからっていい気になりやがって」という偏見から開放される事はないでしょう。 そういう意味で、この映画はとても彼女達に好意的かつ真摯な姿勢で作られていて、非常に好感が持てましたね。
セリフ回しも非常にウィットに富んでいて楽しいし、イギリスの美しい田園風景がこれでもか!とスクリーンに映し出されて、旅好きさんには涙モノの映像の数々。 何よりカレンダーのモデルになった「おばちゃん達」が、とてもCUTEに撮られていて、とても愛を感じます♪
ハリウッド・シーンや細かいエピソードには多少のもたつきを感じなくもないですが、イギリスおばちゃんから元気と勇気と愛と癒しをめいいっぱい与えてもらえる、とってもステキな作品でしたヨ♪
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