2004年02月17日(火) |
キリクと魔女(吹替版) |
監督:ミッシェル・オスロ 声の出演:浅野温子(魔女) 神木隆之介(キリク)、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 アフリカにある小さな村で、母親のお腹から自力で生まれて自分でへその緒を切った小さな小さなキリク。村は魔女カラバの呪いをかけられて泉は枯れ、村の男達はほとんど食べられてしまった。 何度も村を魔女から救ったキリクは思った・・・“どうして魔女は意地悪なの?”ところが誰もその質問に答えられない。キリクはその答えを探す為に、たった1人でお山の賢者に会いに出かける事にしたのだ。
【感想】 アフリカが舞台のフランス・アニメ。本国フランスではアニメーション作品におけるフランスでの歴代興行収入第1位の記録を樹立し、今も伝説的に語り継がれる作品なんだそーだ。 日本公開ではジブリの高畑勲氏が日本語版・翻訳を手掛け、自ら演出も担当。力入ってますなぁ〜!
さて。 生まれたばかりで・・・つーか、腹の中でいきなりママに話し掛けて自力で腹からはいずり出て来た挙句、いきなり歩き出して自分で体を洗う赤ん坊のキリク。しかもそこらの大人よりよっぽど利口。しかも髪型はモヒカン(笑) このとてつもないガキが村人を魔女の手から何度も助け、そして最終的には魔女の呪いを解くという至極簡単な内容なんだけど、色々含蓄深いおとぎ話になっているなぁ、と思ったわ。
キリクに何度助けられてもまるで学習能力のない村人達。ガキ共もとことん超ド級のバカ揃いで、キリクに助けられた直後にもうケロッとしてキリクを小バカにする「喉元過ぎれば熱さ忘れる」見本帳のようなマヌケども。
魔女の怒りに触れ、最後のチャンスに「全ての金塊を差し出せ」と言われたのに、バレやしないと隠して、それがお約束通り見つかって家を燃やされてしまう欲深い女の業。
散々助けられたクセに、キリクが死んでしまったらしい?と悟るまで、誰1人としてキリクに礼を言わなかった事に気付かず、常に唄って踊って誤魔化し続けるという恥知らずで礼儀知らずな村人。
人間の汚れて乱れて腐りきった性根を赤裸々に綴って行くのだった(をいこら。笑)
・・・んーと。何かこの映画のメッセージと違う部分ばかりに目が行っていたよーな気がします。(^_^;) でも映像はとってもキレイ。この監督さんは大変な親日家だそうで、特に葛飾北斎の絵の心酔者でもあるそうです。 言われてみると、何か独特でいて馴染みのいい色使い、ハッとするほど艶かしい赤の使い方等、ちょっと浮世絵を彷彿とさせる感じがしなくはないです。
最後の最後までバカでマヌケでお調子者揃いの村人達の、この映画のラストシーンのその後が非常に気になります。 きっと魔女から金塊を取り戻して「これはアタシのよぅ!」「何言ってんのよ!これはアタシのよ!」と強欲丸出しのバトルが繰り広げられ、そしてキリクに受けた恩等すっかり忘れて、魔女を影でチクチクいじめたりするんだろーなー(笑)
つーか、生まれて数週間(数ヶ月?)の赤ん坊がいきなり婦女子にプロポーズだもんなぁ! 結局この映画って「人間の欲には際限がない」という話なのかも?(爆)
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