2003年12月05日(金) |
ブルース・オールマイティ |
監督:トム・シャドヤック 出演:ジム・キャリー モーガン・フリーマン ジェニファー・アニストン、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 ブルース・ノーマンは地元TV局に勤めるリポーター。憧れのアンカーマンをライバルのエヴァンに取られ、局をクビになった上にストリートギャングには袋叩きに遭い、街を歩けば水溜りに足を突っ込み、車で飛ばせば街灯に激突・・・ブルースは神を呪い、「お前は職務怠慢だ!」と天に向かって吠えた――すると、神が現れてそんなに神に文句があるなら代わりにお前が神の仕事をしろ言われたのだ。神の「全能パワー」を身に付けたブルースは、それまでのうっぷんを晴らすようにやりたい放題を始めたのだが・・・
【感想】 トム・シャドヤック監督が、「エース・ベンチュラ」「ライアーライアー」に続きまたしてもジム・キャリーと組んで送るハートフル・コメディ。ジム・キャリー自身も「大笑いして、そしてホロリとさせる」というが定番キャラ化していますから、この2人がタッグを組んだと聞いただけで「こりゃ、磐石ですな」と思わず言ってしまうぴよですが。
何をやっても空回り、周囲の人間は彼のユーモアに癒されているんだけど、本人は思い通りにいかない自分の人生にイライラしっぱなしで被害妄想気味。そんな被害妄想@自己中男・ブルースを、ジムが相変わらずのキレの良いパフォーマンスと豊かな表情で好演。 おまけにモーガン・フリーマン@重鎮に、クソ真面目な顔でジムとパフォーマンスさせる大胆な演出は見モノです!
とにかくジム・キャリーの演技は判り易い。よく動く顔筋としなやかでリズミカルな体の動きは、見るだけで笑いが取れる希少な才能だと思う。今回は「全能パワー」を持ったという設定なので、ジムのパフォーマンスに更にふんだんにCGを加えて、随所に笑いドコロを散りばめて観客を楽しませようと頑張っている。
とは思うものの、「ライアーライアー」の頃に比べるとジム独特のパフォーマンスがかなりパワーダウンしている気がする。 良くも悪くもジム・キャリーは「アクが強い」「クセのある」役者さん。彼が好きだという人はあのアクの強いパフォーマンスに心酔している事だろうし、逆にジムのアクが強すぎる演技が「わざとらしくてウザい」と嫌う人が多いのも事実。 この映画では、その両方の観客がどちらもホドホドに楽しめるように上手に作ってあるとは思うものの、上手になり過ぎて本来のジム独特のアクが抜けて、ジムファンには少し物足りないと感じられないだろうか?
実際、ぴよがこの映画で1番笑ったのはジムのパフォーマンスじゃなくて、ブルースのライバルでアンカーマンになったエヴァンが、番組本番中にブルースのいたずらによってとんでもない事を口走るシーン。 やっぱりぴよはジム自身のパフォーマンスで笑いたかったんだよね。そう思うとこの映画の毒気のなさが逆に悲しい。
全能の神にも操れないモノがある・・・それは人の心。 そこんとこのツボがこの映画ではうまく利用されているし、後の「ホロリ」とさせるオチにキレイに着地している。 映画中盤までのブルースの自分勝手な傍若無人ぶり(ちょっとムカっ腹立つくらいな、ネ)が生きてると思うね。 キレイにまとまり過ぎてちょっと説教臭くなってる感はありますが。(苦笑)
ジム・キャリーのクドい演技が苦手だ!という人にも安心して楽しめる、充分及第点の付けられるハートウォーミングコメディに仕上がってると思いますが・・・ジムからアクを抜いたらただのお馬鹿パフォーマーになっちゃうぢゃんかよう!と思ったのはぴよだけですか?(^_^;)
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