監督:田中光敏 出演:内田朝陽 松坂慶子 酒井美紀、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 海を見下ろす長崎の家で育った雅彦は、優しい母が望むバイオリニストを自分もまた夢見て、単身上京して学ぶ事になった。母の妹・節子が後妻として嫁いだ先・鎌倉に住まわせてもらい、そこで節子の義理の息子・春人と出会う。 時は流れて大学生になった雅彦は、自動車修理工場でのバイトに明け暮れ、母も既に他界、母の思いのこもったバイオリンも、今は部屋の隅にホコリをかぶっていた。そんなある日、叔母の節子が突然離婚して故郷の長崎に帰る事を決めた。
【感想】 「精霊流し(しょうろうながし)」とは、長崎のお盆の風物詩・・・というのは誰でも知ってますわね。 さだまさし氏が「グレープ」時代に大ヒットした楽曲タイトルでもある。でもって、この映画は長崎出身のさだまさし氏の同名タイトル小説の映画化。映画のロケもほとんど長崎県内で行われた、正に超ウルトラスーパーご当地映画ってヤツだ。
主人公「雅彦」は長崎から単身上京して、バイオリニストになるべく勉強をするもあえなく挫折する。これはさだまさし氏ご本人の経歴と全く同じで、きっと原作本は私小説的要素も強いんだろうと推測出来ます。 (その後の展開はまるでご本人とは関係ないんでしょうけどネ)
時代設定は昭和30年代〜40年代前半、全編ノスタルジック感を押し出して「昔の日本」を再現させようという苦労が偲ばれますが、どーもぴよには映画全編を通して「ピン」と来るものがありませんでした。(^_^;)
結構「泣かせ」な作りしてて、節子を演じた松坂慶子も随分熱演してるんだけど、やっぱ彼女に娘役をそのままやらせるのにはムリがあるでしょうに・・・しかも、役ドコロが高島礼子の妹役だよ!?ぴよは映画見てから公式HP見たんだけど、公式HP見るまでずっと松阪慶子は高島礼子の姉役だと信じて疑ってなかったわよ。配役にムリあり過ぎるってば。
んで、この節子がまた踏んだり蹴ったりの人生で、彼女と彼女の周りには「これでもかー」と次々と都合良く不幸な出来事が襲い掛かるのだ。ぴよの隣に徳光さんがいたら、間違いなくハンカチ握り締めてうなずきながら涙しまくってるランクの不幸度が満載(苦笑)
そんな「不幸のデパート」節子@妹が歌うような口調で語る。 『私ね、信じてる事があるの。自分に正直に生きていれば、苦労はするかもしれないけど後悔はしない・・って♪』 んー。不幸のデパートに言われても説得力があるんだか、ないんだか。(^_^;)
少なくとも、彼女は自分に本当に正直に生きて来たのだろうか?という疑問が残るのだ。映画中ではやたらと「自由奔放に生きて来た」と強調されていますが、ぴよの目から見て彼女の人生が自由奔放にはとても見えない。 愛する人と共に人生が歩めなかった彼女は、ヤケッぱちで結婚して、結婚後も男と遊びまわるただのインラン女のようにしか見えなかったんすけどねぇ(をい) 何か話に一本筋の通らない・・・煮え切らない物が残るような気がするんだよね。
が。 この映画で今更ながら1つ発見したものがある。
田中邦衛って、すんごい「癒し系」なんだね♪(爆) 普通「癒し系」って言うとマタ〜リした雰囲気の女優さんに使われる誉め言葉ですが、田中氏のあのひなびた顔を見ると、何故かフッと和んでいる自分がいるのだ。 正に「好々爺」という言葉がピタリとハマる、癒し系おやぢ・田中邦衛。
えーと。 何の感想だったっけ(をい)
いや・・・会場はかなり鼻すすって泣いてる方、多かったですよ。 きっと大抵の人は「感動した!」「泣いた!」っていう感想だと思うわ。 ごめん。ぴよの感動のツボにまるで空振ってただけだから。ぴよの感想はアテにしないで楽しんでチョーダイよ。(^_^;)
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