2003年06月04日(水) |
ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密 |
監督:カーリー・クーリー 主演:サンドラ・ブロック エレン・バースティン アシュレー・ジャド、他 オススメ度:☆☆☆☆+
【あらすじ】 NYで劇作家として成功した「シッダ」は、TIME誌のインタビューに子供の頃母親から殴られたというエピソードを語ったのだが、その記事を読んだ母親「ヴィヴィ」は大激怒!意地っ張りの母娘は冷戦に・・そこで立ち上がったのが、ヴィヴィと共に50年以上も変わらぬ友情で支え合って来た親友グループ「ヤァヤァ・シスターズ」だった! 「ヤァヤァズ」はNYに飛び、シッダを拉致誘拐してルイジアナにある一軒家に連れ込んだ。そこで彼女に一冊の古びたスクラップブックを見せたのだ・・・そのスクラップブック表紙には『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』というタイトルが。 今正に「ヤァヤァ・シスターズ」の、そして若かりし頃の母親の、知られざる過去の全貌が明らかにされるのだ・・・
【感想】 まず映画のタイトルからして「すげーB級っぽくて、ぴよ好みかもー♪」と思って楽しみにしてた1本。 B級っぽいタイトルなんだけど、実は同名タイトルの小説の映画化なんだそーで、ご当地アメリカでは50以上も「ヤァヤァズ」ファンクラブがあり、小説も世界20ヶ国以上に翻訳出版されている大ベストセラーなんだそーだ。
B級、B級って勝手に決め付けちゃってるけど、出演してる役者は全て超A級ドコロ。それぞれのキャラクターが実にピッタリ役に当てはまってて、これ以上の配役は考えられないくらいのハマり度だよ! 特に母親「ヴィヴィ」他、ヤァヤァ・シスターズの面々は素晴らしい!サンドラ・ブロックは先日鑑賞した「トゥー・ウィークス・ノーティス」の主人公とかなりキャラ被るけど、やっぱりこーいう勝気で意地っ張りな娘役が生きる役者だよね♪
映画は現在の「ヴィヴィ vs シッダ」の関係を修復させるという事が主軸のハズなんだけど、実はヴィヴィと親友の4人で結成した「ヤァヤァ・シスターズ」の娘時代からのエピソードを見せる事がメインになってる。 このエピソードの数々が、どれもこれも実に楽しくて、愉快で魅力的で、そして切なくて悲しい。
何故ママは意味もなく自分を殴ったりするのか。 何故ママはあんなに優しいパパに冷たく当たるのか。 何故ママは突然家出したりするのか。
シッダが子供時代に受けたトラウマの理由が、『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密』を紐解く内に段々明らかになる。 それは余りに切ない、母親ヴィヴィの美しかった娘時代の悲しい過去が明るみになるという事だ。
この映画のいい所は、こんな辛い過去があったんだからヴィヴィは悪くないんだよ、という言い訳めいた感じじゃなく、ヴィヴィ自身も自分がどれだけ娘のシッダを傷付けているかを痛い程自覚しているし、娘のシッダもまた、普段口にするのは母親を罵る言葉ばかりだけど、自分の心の中にはヴィヴィに思いっきり愛された沢山のエピソードが詰まっていて、母親を思う時はいつもステキな思い出ばかりが蘇って来るという事。
ただ、ヴィヴィもシッダも素直になれなくて、ちょっぴり意地っ張りなだけなんだよね。実は誰よりも愛し合ってる母娘なのに、それをお互い自分の中で封印しちゃって、ついツンケンしちゃう・・・そんな2人の心の葛藤が実に愛らしく、瑞々しく表現されていて、ぴよは何度も涙目になって画面に見入ったよ。
ヴィヴィはワガママで奔放で自我を押し通す「トンデモない母親」の部類に入るんだけど、どうしてこんなにヒドい母親なのにこんなに愛しく感じるのか・・・それは「ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密」を知ればアナタも納得出来るハズ♪
ウィットに富んだシニカルで楽しいセリフ回し、魅力的なエピソード、木目細かい心理描写とそれを支える役者の名演技、どれを取ってもぴよのツボにドンピシャにハマる大当たり映画だったねぇ♪ 単館系だから見られる人は限られてるかもしれないけど、お近くの映画館で上映してたら是非オススメしたい一本!
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