監督:ウィリアム・フリードキン 出演:トミー・リー・ジョーンズ ベニチオ・デル・トロ コニー・ニールセン、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 野生動物保護官として働く初老の男「L.T」の元へFBI捜査官がオレゴンで起こった連続殺人事件の捜査協力を依頼しに尋ねて来た。現場に向かったL.Tは単独でわずかな痕跡を頼りに犯人のアジトを突き止めた。ところが犯人はかつてL.Tが軍部でトラッキング、サバイバル、そして究極の殺人技術を教える教官だった頃の、最も優秀な教え子「ハラム」だったのだ。
【感想】 トミー・リー・ジョーンズにベニチオ・デル・トロの共演ってさー♪ぴよ大好きな俳優ずくしぢゃ〜ん(萌) 特にベニチオはぴよが最も注目してるハリウッド俳優の一人。前回「プレッジ(2002.8.31の感想を参照)」でヤバヤバなインディアン青年の役やってぴよを萌えさせてくれた彼・・・今回もイッちゃってました。(笑)
ベトナム戦争以後、今も問題になっている「戦争後遺症」の問題。この映画でベニチオが演じる「ハラム」という殺人鬼も、1999年のコソボ紛争で名誉ある任務をまっとうした兵士であったものの、過酷で悲惨な戦場の情景が頭から離れずに狂気の淵に落ちてしまった正に「戦争後遺症の申し子」だ。 相変わらずこの手の「イっちゃった人」の役やらせたら世界一の演技力のベニチオ♪大体からしてこの人ってば顔付きからして卑怯だってば!彼には一生精錬潔白な正義のヒーロー役は回って来ないんぢゃないだろーか(^▽^;)
話自体はストレートな「追いかけっこ話」で、観客をあっと言わせるよーな大逆転や想像もつかないよーなオチ・・みたいなものは全くないから、どんでん返しや展開の妙を楽しみたいタイプの人にはちょっと面白みに欠けるのかもしれない? けど、この映画はハリウッドの名優達の怪演とリアリティ溢れるトラッキングとサバイバル、そして実力者同士の心理戦を楽しむモノなんだと思うんだよね。そうやって割り切って見れば・・・多少説明不足で判りにくい人物背景にも目をつぶる事が出来るんじゃないかと(苦笑)
かつての教官と教え子。教え子は教官を父親のように慕いつつも狂った感情をもはや抑える事は出来ず、教え子を結果的に殺人鬼に育て上げてしまった教官は自責の念と教え子への愛着・愛情に挟まれて心痛めつつも、彼のトドメを刺すのは自分しかいないのだという責任感に燃え・・・ここら辺りの感情の流れはさすがオスカー俳優同士、絶妙の表情と圧倒的演技力で観客を魅了してくれてると思うわ♪
それにしても、御歳57歳のトミー・リー・ジョーンズとベニチオの息詰まるサバイバル・アクションは必見!銃撃戦と爆薬ぶっ放して派手な映像垂れ流しの昨今のアクション映画とは一線を画す、ナイフ一つでぶつかり合う本当の肉弾戦!! 相当訓練したんだろーし、スタントも随所に使ってるんだろーけど・・いやはやそれを差し引いてもあの素晴らしいアクションのキレの良さには名優魂を見せ付けられましたなぁ〜!
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