2003年03月05日(水) |
西洋鏡 〜映画の夜明け |
監督:アン・フー 出演:シア・ユイ ジャレッド・ハリス シン・ユイフェイ、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 1902年、中国・清朝末期時代、北京の写真館に勤めていた「リウ」は新しいもの好きの好奇心旺盛な青年だった。ある日写真館にやってきたイギリス人「レイモンド」が「写真はもう古い。これからは活動写真(映画)の時代だ」と熱く語った。 写真ですら「魂を抜かれる」と噂されていたような時代だったが、リウは瞬く間に「西洋鏡」と呼ばれる「動く写真」の虜になり、写真館の仕事そっちのけでレイモンドの活動写真の手伝いをするようになっていった・・・
【感想】 中国版「ニューシネマ・パラダイス」と銘打った一作。確かにニューシネマ・パラダイスにネタ思いっきり被ってるよーですが、ノスタルジック感は薄いかも?・・・カラー映画だったからか?(それだけかよ。苦笑)
生まれて初めて「映画」を見た時の感動・・・映画を見て素晴らしい!と感動したのは一体いつの頃だったか。 この映画に出て来る「リウ」を始め、中国の人達の素直な驚愕の姿は実に微笑ましい。汽車が迫って来る映像を見て逃げ出そうとしたり、自分達が映し出されると大喜びして勝手に吹替えをしたりする様子を見ながら、何時の間にかぴよもまるで初めて「活動写真」を見てるような気持ちになっちゃったよ。(^-^)
この映画の面白いところは、ただ「初めての映画体験」というだけの話じゃなくて、時代と共に目まぐるしく変貌を遂げようとする中国の、滅び行く「古き良き伝統芸能」と対比させている事だと思う。 映画中、中国の古き良きモノの象徴として扱われているのが「京劇」で、中国一と称えられた京劇役者の娘と身分違いな恋に落ちるリウとの関わり合い方、心の動きが、そのまま「伝統芸能の京劇が廃れ、そして新しい芸能(映画)が取って代わる」様子とシンクロしている。 京劇役者「タン」が京劇の素晴らしさを守りつつも、映画という新しい芸能媒体を認め、自分達が滅び行くものを司っているのだと自覚している様子はすごく切ない。
映画中出て来る万里の長城と中国屈指の美しい山並みが目に清々しい。 そしてそれをスクリーンで眺めて「中国は美しい国だ」と感嘆の声を漏らす中国人達・・・ぴよも一緒に頷いたよ♪
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