監督:ダイ・シージエ 出演:ジョウ・シュン チュン・コン リィウ・イエ、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 1971年中国、文化大革命の嵐が吹き荒れる中、医者を親に持つ「マー」と「ルオ」2人の青年が、反革命分子の子という事で再教育の為に山深い農村に送り込まれて来た。彼らを待っていたのは文字の読み書きの出来ない村民達、そして屈辱的で過酷な農作業や炭坑作業だった。 ある日、年老いた仕立て屋と美しい孫娘のお針子に出会う。たちまち美しい孫娘に恋をしたルオは、文盲の彼女に何とかして外国文学を読んで聞かせたいと思うようになったのだが・・・
【感想】 毛沢東政権下の1970年代、中国では「文化大革命」と銘打って共産主義にそぐわない文学・芸術を廃絶し、知識者階級を「反革命分子」と呼び迫害をしたという歴史があります・・って、これくらいは多少世界史を勉強した人なら誰でも知ってると思うけど、その中身たるやかなり悲劇的なモノだったとぴよは思っている。
実際の中国人(文革を体験した人達)にとって、あの革命をどういう風に受け取っているのかはぴよには想像も出来ないけど、少なくともこの映画は「外国人が想像する文化大革命下における中国人達の本音」はこーだったんだろうなぁ・・っていう映画だと思う。
はっきり言って、文革をかなり皮肉ってる感じだし(苦笑) 映画中に出て来るエピソードは、知識者階級のマーとルオによって「文化」「芸術」を知らなかった農民達、お針子の娘が次第に感化されていくというモノに終始している。 ・・・ま、資本主義の国の人が見たら「文化大革命」なんて実に下らないと思うもんねぇ〜(^_^;)
そんなエピソードが数々出て来るんだけど、話の本筋に対する肉付けにしてはどれもこれも弱いし、中途半端だったような気がしたんだよね。文革の頃の中国の農村ってこんなだったのー?あ、そー!・・とは思うものの、「お針子」がバルザックの小説にあそこまで感化されて、人生観まで変わるという劇的なイメージは持てない。 ルオとお針子の恋愛エピソードも、この映画のトーンにしてはちょっと生臭過ぎる気がしたんだけどな。
ま、でも・・・憧れの中国の雄大な風景がたっぷり堪能出来たし、ぴよもかつて読んだ名作の名前がズラズラと出て来たりして、ちょっとそーいうのは嬉しかったから良しとしましょうか!?(笑)
もう一度、映画中に出て来たタイトルの本を読み返したくなっちゃうね。 基本的に「フランス文学礼賛映画」って言っても差し支えなかったかも。(^_^;)
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