監督:ピーター・カッタネオ 出演:ジェームズ・ネズビット オリヴィア・ウイリアムス レニー・ジェイムス、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 ジミーとルディは幼馴染みのワル。何度もチンケな泥棒をしては投獄を繰り返していた2人だが、ある日身の程知らずの銀行強盗を起こしてやっぱりあっけなく捕まりロング・ラドフォード刑務所に投獄されてしまう。刑期は7年。こんなトコロにいるのはまっぴら御免だが脱獄しようにも警備は厳しく、唯一脱獄チャンスのありそうな古いチャペルには近付くチャンスすらない。 そんなある日、ミュージカル好きの刑務所所長から刑務所内のモラル向上の為に古いチャペルを使ってミュージカル公演をしないかと持ちかけられる。願ってもない脱獄チャンス!ジミーは囚人仲間を誘って「ミュージカル・脱獄計画」を着々と進めるのだが・・・
【感想】 5年前に「フル・モンティ」という映画で少なからずも映画ファン達の注目を集めたピーター・カッタネオ監督の第2作。 が、ぴよはフル・モンティ未見です。どーやらすっごくこの映画も面白いらしい・・・見なくちゃな〜♪
舞台はワルの巣窟刑務所、主人公もワルなら出演者もワル。なのにそのワル達がミュージカルを演じるというミスマッチがマヌケで面白い。当然だけど犯罪を犯したから刑務所にいる訳で・・・そんなヤツらなのに何故か憎めない(ともすれば愛着すら感じさせる)キャラクターばかり。
「ミュージカル・脱獄計画」という柱に主人公「ジミー」と更生カウンセラー「アナベル」の恋愛、それから小さなエピソードが盛り込まれてるんだけど、そのエピソードの一つ一つはあまり本筋には深く食い込んでいない気がした。だからと言って決してつまらない訳じゃないのよ。それぞれ「ぷぷぷっ」っていう笑いが散りばめられていて飽きる事は全然なかった♪
腹がよじれる程の笑いでもないし、シニカルという訳でもない。「ほのぼの」とか「爽快感」というのもまた違う気がするんだけど、なーんか「後引く面白さ」って言うのかな?コソコソ笑わせといて、見終わった後も「ここがこう面白い!」って特筆出来る部分もないのに何故か「面白かった」という気持ちにさせるのよね。不思議な映画だわぁ〜(笑)
ただね、ジミーと同室だった気の優しい囚人「クリフ」のエピソードが・・・ (ここからちょっとネタバレかも?未見の人はドラッグしないよーにね♪) 【クリフを自殺させてしまったのはどーかと思ったんだけど。もちろんその後の展開でジミーがクリフの敵討ちをする大きな理由付けにはなるものの、そこまでしなくてもよかったんじゃないか?あのクリフの自殺シーンだけがこの映画からちょっと浮いているよーな気がぴよはしたんだけどな。】
この映画、音楽もよかった。ちょっとマヌケで安っぽい(をい)感じが音楽と実によく合ってたわ♪それからラストのスタッフテロップにも映像を挿し込んでて最後の最後まで楽しませてくれる! 手作りミュージカルの部分、必ず歌い出しを間違えるヤツがいたり、最初は全然やる気なかったルディがいつのまにかすんごい役にのめり込んで陶酔しちゃってたりして・・・そーいう「すげー雑なのに細かい作り」って言うのかな? まるで全然期待もしないで素人の自主製作映画を見たら予想に反してツボにハマっちゃった!みたいな、そんな雰囲気の楽しい映画だったわ♪
って、プロが作った映画に「素人の自主製作映画のよーな」なんて言っちゃったらマズいか?(^_^;) でも不思議な面白さがあったよ。何がどうって言うんじゃない本当に不思議な面白さ! こればっかりは映画を見てもらわないとね・・・この感覚って文章にするの難しいですわ(笑)
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