監督:マイケル・マン 出演:ウィル・スミス ジョン・ボイト ジェイミー・フォックス、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 アメリカの伝説ボクサー「モハメド・アリ」の1964年から1974年にかけての姿を描いた作品。 カシアス・クレイと呼ばれる天才ボクサーが22歳の若さでヘビー級チャンピオンに登りつめる。彼はイスラム教団体「ネイション・オブ・イスラム」への入信を発表し、"賞賛に値する人"を意味する名前「モハメド・アリ」へ改名する。 その後ベトナム戦争徴兵を拒んだアリはチャンピオンの称号もボクサーの資格も剥奪され、巨大な「アメリカ」と孤独な戦いを強いられる事となる・・・
【感想】 またしても試写会で見て来ました。
この映画、主役がウィル・スミスと聞いて「へ?マジっすか?・・だって彼とアリって黒人ってだけで他に全然似ても似つかない軟弱系コメディー専門役者だと思うんすけどぉ〜」と思ってたんだけど、何とウィル・スミスは1年かけてかつてのモハメド・アリと同じメニューをこなし、体重を20kg近く増やしてこの役に臨んだんだとか。 超迫力のボクシングの試合シーン、スタントなしでこなしてます。もう驚きの肉体美!! オスカー候補になってるらしいけど、さもありなんの役者根性です。これだけで脱帽です!
『蝶のように舞い、蜂のように刺す』という言葉は誰でも1度は耳にした事があると思うんだけど。 これはモハメド・アリの全盛時代の様子を語った名言なのです。もちろん映画中にも出て来ます。
ぴよと同世代だと(あえて年齢は明かすまい。苦笑)モハメド・アリという名前は知っていても、その人の栄光と挫折までは知らないという人がほとんどだと思う。もちろんぴよもそーだった。 だから、彼の心のひだを知りたかった。ベトナム戦争の徴兵を拒否した彼の気持ちだったり、拒否した事で離れて行った人々や自分のとりまく環境や自分の心の葛藤がどんなだったか知りたかった。
にも関わらず、この映画は何も語ってくれないのです。 モハメド・アリがどんな状況に置かれて、どんな風に過ごして来たのか、そして世間はどんな反応だったのかはこれでもかというくらい表現されているのに、肝心のアリの心の奥は覗かせてくれないのです。 まるでモハメド・アリの生活と時代背景をそのままビデオで撮って流しているだけって感じ。(^_^;) これでは彼の全盛時代をリアルタイムに知っていた人には理解出来ても、彼の名前程度しか知らない世代には何が何だかさっぱりわからないのです。 ただただ「モハメド・アリ」という歴史の教科書を読まされているのと変わらないのです。(言い過ぎっすかぁ?苦笑)
モハメド・アリを語る上で黒人の人種差別問題や宗教問題は避けて通れない事なのだと思う。 特に黒人差別の問題は今尚アメリカでは根深く、この映画でもある意味柱になっているんだけど・・・きっとこの映画を見る観客の多くは人種差別問題そのものよりもアリの心に触れたいんじゃないかと思うのね。(少なくともぴよはそーだった) だから人種差別問題に触れる時、アリがどういう気持ちでいたのかをもっとつまびらかにして欲しかった。
でもね、ボクシングシーンは必見ですわ。マジでスゴイ迫力です!! これをスタントなしでやったウィル・スミスは見直しましたね♪このシーン見るだけでも価値ある1本かも!?
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