2002年04月14日(日) |
光の旅人 K−PAX |
監督:イアン・ソフトリー 出演:ケビン・スペイシー ジェフ・ブリッジス メアリー・マコーマック、他 オススメ度:☆☆☆☆+
【あらすじ】 ニューヨークのグランドセントラル駅でスリの疑いで逮捕された謎の中年男が病院の精神科ドクターマークの所に連れて来られた。その男は自分の名前は「プロート」だと名乗り、更に「自分は1000光年離れたK−パックス星から光エネルギーに乗ってやって来た異星人だ」と主張する。 様々な投薬にも全く効果はなく、それどころかプロートの話は精神病者にしては理路整然とし過ぎていてしかも学会でも未発表の天文学知識まで備えている。更にプロートは不思議な力で他の入院患者を、そしてマーク自身までも次々と癒していくではないか・・・ マークは精神科医らしからぬ思いにとらわれる・・・プロートは本当にK−パックス星人なのかもしれない・・・
【感想】 予告編を見ても「イマドキこんなおチャラけたネタの映画、作るかよぉ〜」としか思えなかったのに・・・ (だったら見に行くな、って感じだけどね。笑) これが・・・ぴよのツボにハマってしまうから映画って面白い!!(爆)
およそ宇宙人らしからぬ風貌のK−パックス星人「プロート」ですが、これはもちろんちゃんと言い訳(あ、説明って言うのか)が映画中に納得する形でありますからご安心を。 K−パックス星人役のケビン・スペイシー、無表情で感情を普段表に出さない異星人を好演してます! この抑えた演技と後のプロートの秘密が明かされていく過程で彼の心の奥を覗いた時の激昂する様子との対比がうまく出てると思う。ケビン、あんたは上手いよ!(笑)
さて、話の大筋としては自称「K−パックス星人」プロートと精神科医マーク以下、プロートによって癒されていく他の精神病患者達との心の交流と、プロートの秘密を探っていくサスペンスな部分があるんですが、プロートの天文学的知識をつまびらかにしていくくだりは理系人間じゃないぴよでもワクワクして面白かった。
一番柱になるべきマークとの関わりの部分が・・・マークが何故そこまでプロートにこだわって関わるのかちょっと納得行かないトコロもありますが(ま、多少ご都合主義的展開は否めず。苦笑)そこはケビン・スペイシーとジェフ・ブリッジス2人の素晴らしい演技が上手にカバーしているんじゃないかと。 プロートへの催眠療法から引き出される小さなヒントを元にマークが核心部分に触れていくトコロではすっかり引き込まれたぴよはハンカチ握り締めてウルウル状態でしたわ。
K−パックス星には政治もなければ法律もないとプロートは語る。 マークが驚いて「ではもし誰かが誰かを殺したり傷つけたり、そういう罪を犯したらどうするんだ?」と聞くとプロートは淡々と「そんな事をしたら宇宙では生きていけない。だから誰もそんな事はしない。(そういう罪を平気で犯す)地球人はよく絶滅しなかったと思う」と答えるくだりがあるんだけど、これは本当に今の「地球人」として恥ずべき事だと痛感するね。 世界のあちこちで諍いが起こり、戦争をしている地球。 自らの星を汚し、自らを傷付けあい、自らを滅ぼす地球人。
説教臭さは全く感じませんよ。映画中の患者達もプロートに癒されていましたが、ぴよもとっても癒されました。
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