self-satisfaction
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仕事はなんとなく順調ですよ。 まだまだ、時給に見合う仕事になってると思えないけど、 でも誰にでも最初はあるんだしさ、がんばるよ。
おじさんの整髪料がいい匂いだったら 最終バスの座席はこんなに狭くなかったはずなんだけど そのすこしギラギラ眩しい白髪の襟足を 後ろの席からチラッと眺めては 不規則な点滅を繰り返す街の灯を眺める
おじさんの整髪料はなぜあんな匂いなんだろう もう少し違う匂いでも損することはないだろうに でもその焼け付く匂いのせいで おじさんはおじさんであることを私に主張する おじさんは身だしなみに注意を払うサラリーマンとしてシートに座ってる
最終バスはどんどん走る 走るほどに濃くなる夜に 吸い込まれるように道を滑る 整髪料で固められたシルバーグレイもバスが揺れると一緒に揺れる その匂いに包まれながら後ろに座る私も揺れる ごとごと 今日を追い越す ごとごと 明日に追い着く ごとごと 今日を終えても ごとごと 明日はまた来る
おじさんの整髪料はもっと違う匂いでもいいはずなのに でも、そのおじさんたる匂いのせいでおじさんはおじさんであるので 私は窮屈でもその主張を受け止めている おじさんがおじさんであることは紛れもないことなので その匂いに囚われている私も紛れもないことなので
最終バスは夜の街を走る シートにまばらなお客を乗せて走る 匂いなんてどうだっていいと言わんばかりに どんな人が乗っていようともひたすらに
夜空に傾いた月は ただ穏やかに その行く先を見据えていた
おやすみ。
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