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■ 大切な人を失っても。
先週 母の弟が急逝し、実家に帰っていました。
本当に突然で、未だ現実として受け止めきれておらず
大切な人を失ったのに、今まで通りの日々を 続けて行かなくてはならないことの不自然さと
新しい写真立てに、兄の写真を飾る自己矛盾。
兄を想うと、途端にノドの奥に小石が詰まるような 違和感が消えません。
叔父さんとは一度も呼ぶことなく、 私が幼い頃からずっとお兄ちゃんで、家族同然の人でした。
よく喫茶店に連れていってくれたり、パチンコに付き合わされたり 厳格な両親が教えてくれない、遊びの部分を教わりました。
兄の誕生日には必ず電話をして 「アンタは律儀だねぇ。俺の歳なんて忘れろ!」なんて 毎年冗談を聞くのが楽しみでした。
私達の結婚式も、父方の叔父達は遠方を理由に断りましたが 兄にはもちろん出席してもらいました。
祖父母が2年前に他界してから、ひとり暮らし。 祖父の土建業を継ぎ、社長として現場に出る毎日。
頑固で面倒な性格の反面、優しくて、賑やかで楽しい事が大好きで 私が実家に帰る度に必ず会い、冗談を言い合うのが常でした。
7/ 7 昼 訃報 / 夜 一家で帰省 兄に会う 7/ 8 夕方帰京 7/ 9 朝 娘と私で帰省 7/10 火葬 7/11 通夜 / 夜オットが帰省 7/12 葬儀告別式 / 夜 一家で帰京
死因は急性心筋梗塞。享年59歳。 土建の現場で倒れ、そのまま帰らぬ人になりました。 心臓なんて、全然悪くなかったのに。
唯一の救いは、誰も居ない所で倒れなかったこと。 皆の居る現場で、すぐに気付いてあげられたこと。 車の運転中に発症しなかったこと。苦しまなかったこと。
綺麗な、寝顔のような微笑んでいるような顔をしていて 皆で「お兄ちゃんはいつ起きるのかねぇ?」なんて 冗談を言いながら泣き腫らす おかしな日々。
冗談が好きだった兄のことだから「嘘だよ!」と言って ひょっこり現れるといいのにと何度祈ったか。
結局、二度と目を覚ましてはくれませんでした。
納棺も、火葬場に行くのもつらくて、気が狂いそうだったのに お骨になった兄を見たら、不思議と涙が出ませんでした。 つくづく、身体は入れ物なんだと思いました。
通夜は一体誰の通夜なのか?悲しみに麻痺してしまったせいか? 葬儀ごっこのようだと、姉と二人で「変だね」と話していました。
葬儀を終えて、祖父母の居るお墓に納骨を済ませて 頭では分かっているつもりでも、気持ちが付いていかない感じで。
2年前の1月に実母を失い、半年後に実父を失い 今年初めに義兄を失い、4月には叔父を、姪を失い 今回、実の弟を失った母は、精神的に深いダメージを負っています。 「こんなヒドイ事が、いつまで続くんだろう」という一言が、胸に染みます。
大事な人が増え続ける限り、それを失うつらさも受け止めなくてはと思う。
でも今はただ、もう一度兄に会ってあの冗談を聞きたいのです。
2008年07月16日(水)
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