山ちゃんの仕方がねえさ闘病記
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2014年01月22日(水) |
コンラッド著「闇の奥」を読む |
光文社古典新訳文庫から
最近この本を読み終わりました。ブクログというサイトにレビューを登録しました。 英文学の古典、コンラッドは読みづらいと言われるそうですが、そんなことはありません。引き込まれたら一気に最後まで読んでしまいました。
《コンラッド著「闇の奥」を読む》 (光文社古典新訳文庫で)
「英語で読む村上春樹」の題材『かえるくん、東京を救う』に登場するコンラッドという作家読んでみたくて選択したのがこの作品。「ロードジム」を読んでみたかったが入手が面倒だったのでこちらの「闇の奥」にした。
コンラッドは難しいとか堅苦しいとかいうイメージがあって取っ付きにくいと言われているそうだ。しかし私は出だしこそ確かに難しそうな気がしたが、間もなく主人公マーロンの語り口に引き込まれ、一気に読むことができた。これは新しい翻訳のせいかもしれないし、実はコンラッドはとても魅力的な文章を書いているのではないだろうか。
英文学の古典とされているが、発表された当時は「文学史上最も痛烈な帝国主義糾弾の書」と讃えるものから「骨の髄まで人種差別主義者」の「腹立たしく嘆かわしい書物」と評価が両極端に分かれ、それは今日まで傑作か駄作か読む人の数だけ解釈が生まれるという。
これでもかと言うほどの難しい表現を用いた自然描写は確かにくどいような気もするが、慣れてくるとどんどん引き込まれていく。そして気がつくと最後のページまで読んでいるのだった。これもコンラッド独特の語り口によるものなのだろう。
解説によると映画『地獄の黙示録』は、この「闇の奥」をベトナムに舞台を移したものだそうだ。まだ見ていないので、ぜひ一度鑑賞したいと思う。
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