サミー前田 ●心の窓に灯火を●

2004年03月16日(火) ロック画報の誤植

 もうすぐ出る15号は、表紙&大特集は遠藤賢司、小特集は、はっぴいえんど、突然段ボール。
 エンケンの記事では「ハードロックとエンケン」というテーマで依頼が来たのでがんばって書いたのだが、規定の文字数で収まりきらず、掲載された拙文は実際に書いた原稿の三分のニくらいに削られてしまったものである。 
 エンケンに関しては、編集部はじめ熱の入った特集に仕上がっていると思う。本秀康画伯による表紙もポスターにしてほしいほど。(そういえば本さんには、日本人によるジョージ・インスト・カバー集CDRを作りますって約束してそのままだったなあ)
 
 特集記事の「ライブ音源」リストに、『黎明期ライブ』収録の福岡市民会館における「終わりの来る前に」が<1969年12月>とあるが、これは間違いで正しくは<1968年12月>です。
 これは、「URCレア・トラックス・シリーズ」として97年頃に再発した『黎明期ライブ』東芝EMI盤CDの誤植クレジットを参照してしまったからなのだろう。
 この誤植クレジットについて。当時、僕はシリーズ監修者だったにも関わらず体調不良のため特に何もしていなかったのだが、完成したCDを届けてもらい、すぐに誤植に気づいた。そして、間違いを見逃してしまった張本人である制作アシスタントY.Oを連れて、謝罪するためエンケンさんのライブ会場に行ったのだ。ステージ上での活火山のようなエンケンさんの雄姿を観た後に、楽屋に向かおうとすると、Y.Oは恐怖のため本当に震えている。大学の先輩の某ミュージシャンからも「エンケンは怖いゾ」と脅かされていたらしい。そして「おつかれさまです」と楽屋に入れてもらい、Y.Oを紹介した瞬間に彼は泣きそうな声で「申しわけありません」と土下座したのだ。土下座の事情を説明すると、エンケンさんは「いいよいいよ」と優しく言ってくれたので、すぐに彼の顔がホッとすると「でもこれからは気をつけてね」と釘を刺していた所はさすがだった。現在、発売中のエイベックス盤CDは確認していないのだが、もしかしたら誤植のままなのかもしれない。ということはやっぱり罪は重いぞY.O。だって、文化的にも68年と69年の一年の差というのはあまりにも大きいでしょ。
 
はっぴいえんどの箱もいいけどさ、今年はエンケン35周年だよ。


 < 過去  INDEX  未来 >


サミー前田 [MAIL]

My追加