濃いアルコールが溶け込んでいく
僕の身体はばらばらさ
もう何も考えられないよ
君以外
どうして?
どうして?
また笑ってよ
手首から滴りゆくような
リキュールの甘い赤にくらくらさ
そうやって僕を狂わせる
狂わせる
もう一度笑って
お願い
もう一度好きって言って
もう一度好きって言って
君と歩いた道が虚しいな
寒々しい雪景色に
泣きそうな一人の夜
もう待ってるフリもせず
君は歩いて行っちゃうのだね
もうとっくに傷を癒して
新しい道にいるのだね
でも何故かな
ひどく悲しいよ
切ないよ
君はまた愛の歌を歌い始め
そうやってまたひとつ
諸行無常が積み重なるのだな
僕を顧みない態度はとても好き
ちょっと狂ったギターも好き
そうやっていくつも
いくつも誰かの好きを集めて
もう待ってるフリもせず
君は歩いて行っちゃうのだね……
初めて君に宛てる。
君へ。
君の詩が眩しすぎてまだ読めない僕から。
寝不足の頭に響く
ふわりふわりと落ちる雪は
世の全てを埋めるつもりらしい
一面 ただ白く
果てしなく
それはまるで狂気
このくだらない想いも
君の悲しい涙も
隠してくれたら良い
交差する足跡にも
やがて白は積もり積もり
何もなかった平原のような
悪寒をもたらすのだ
この地に横たわる
僕の上にも狂気が降り積もる
狂気が降り積もる