やっと。 本当にやっとのことで、閉店作業が終わった。 杜撰だった。怒りもあったし、ちょっと辟易していた。 そして、あたしは今日から短期の専門学校へ通う。
やっと少しだけ、気持ちに余裕ができたので、masayaにメールを入れた。
「おはよござひます。無事に退職しました。今夜電話しても良いですか?何時なら可?」
午後7時49分にメールが来てた。 あっ、またメールに気づいてなかった。 いつもそうだもの。あたし。
「今なら良いでつが。」
…いつも、携帯電話が携帯の役目を果たしていませんね。焦ってレスを送信。
「まだ良いでつか?」
折り返しで電話がかかってきた。
「はぁい、こんばんわー。」
「こんばんわー。masaya君元気?」
「はぁ。まぁまぁっていうか、元気ではないね。」
「相変わらずなのねぇ。」
他の人からお誕生日祝いにいただいた、パナソのデジカメについて話す。 どうも色が良くない。肌が赤みを帯びてしまう。 そういうことを言うと、サクっと答えが返って来た。
「バカだなぁ。パナソは赤いんだよ。」
「パナソは赤いの?でもフジも紫出るとか言うよ。」
「デジカメなんてな、全部無理して撮るからそうなるんだぁ!』
…ごもっともです、ハイ。返す言葉もござひませんよ。笑
逢いたいなぁというと、はぁという返事。 はぁって言われてもなぁ。 でもはぁって言うときは無理なんだよね。
こちらに来る予定はあるにはあるのだが、うちからは普通にみつもって、1時間半くらいかかる場所です。それに用事が用事なので抜けられる事もなく。
なかなか難しそうだね。
「それはそうと、パラダイッツに行ってきまつ。」
「あい。いってらっさい。気をつけて。私は戻ります。」
そんなことを話して電話を切った。
最近は深夜に働いてる事が多いらしく、この時間に電話がかかってくることが多い。 きっと晩ご飯を食べに出てるんだろうなぁ。 まぁ、電話がかかってくるだけヨシとしなきゃね。
退職後には、×1友達と子連れで海外に行く計画を立てた。 といっても、3時間半のグアムなんだけどね。
でも生憎持って行くカメラがうちにはない。 …どうしよう。 トイカメラのようなデジカメQ1というのが、ネットでとても安く売っていた。 それについて、masayaに質問を送ったのが先週。 あと、チェキを持って行っても大丈夫かしら?フィルムは感光しないかしら?も聞いていた。
長々待ったけど、返事なし。
答えによっちゃ買わなくちゃなのに、何してんのよーと思っていたら、ピロピロと昼間にメールが来ていた。
○Q1は単焦点なので、光学ズームなし。 ○それなりに画素数があるのでプリントには耐えられる。 ○まぁ、コンパクトカメラのノリです。 ○チェキのフィルムの方が普通のフィルムよりX線に弱いよ。
…はぁ。そんなもんですか。 これで、チェキを持って行く夢はなくなった。 Q1にするか。8000円程だし。チェキと同じようなシステムでしょ?(と勝手に思う) それか他の手で新しいデジカメを手に入れるか。
ここが考えどころ。
また質問を送ったけど、それについては常識の範疇に入るらしく、お答えはなかったです。 …冷たい。バカ。
金曜日の夜。 愛用のiBookが燃えた。 基盤のどこかが焦げたのかもしれません。
「iBookがついにご臨終です。泣。」
日付が変わった頃、メールが来た。
「それは大事ですなぁ。泣いてるのね。」
泣くよ! どうすりゃぁいいんだよ!
そんなメールを見ながらちょっとだけ笑った。
9月末は仕事のラストスパーともかかっていて、とても忙しい。
相変わらずだが、masayaからは連絡のひとつもない。 彼が忙しいのはわかっているんだけど、連絡がまったくないのはとても淋しい。
普段は意識をしないように、こちらから連絡をとることは滅多にない。 意識して、凹んで鬱になってしまうと、今の仕事の状況に耐えられないと思った。
前回、彼は海外逃亡していて、あたしが送った泣き言メールも、送信日時からだいぶたってから読んでた。彼は彼で今の最先端部署及び新人教育で忙しそうだ。
「お元気ですか?いつなら電話して良い?」
期待はいつもほんの少しだけ。 返事が返ってこない事も多い。
午後8時半過ぎにメールが来ていた。
「今ならよいでつよ。」
携帯を手元においていなかったので、メールを見たのはもう10分ほど経っていたので、慌てて返事を送る。
「まだ大丈夫でせふか?」
送信。しばらくして携帯が鳴った。ディスプレイはテキトーな顔で微笑むmasayaだ。
「はぁい、こんばんわー。」
「あのねぇ、すごかったのよう。セールの初日とか。」
「そうか。それは会社もびっくりしたんだろう。」
「ねぇ、masaya君は元気なの?」
「元気じゃぁないですよ。とても疲れています。」
転職活動を一応やめたこと。 短期で学校に行こうかと思ってる事。 そんなことを話した。 借金を抱える生活はしたくはないこと。 出来れば働きながら資格をとれればいいなと思う事。
彼は聞いてくれる。普通に。 そして、たまに的確な指摘をしてくれる。 30分程話しただろうか?
「そろそろ仕事に戻ります。」
ああ、また今日も夜業ですね。相変わらずですね。
ぐちゃぐちゃになってる頭の中が、masayaと話す事で少し整理がつく。 いつもそんなかんじ。
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