深夜に買い物をする。 日付は変わってもうバレンタインデーだ。
2月半ばか。もう一月半逢っていない計算。 強がってはいるが、正直なところ逢いたい。
返事が来ないかもしれないが、もう一度メールを送った。
「そろそろ逢いたいです。来週の土曜日時間とれませんか?」
彼が動けないなら、あたしが動くしかない。 交通費もバカにならないけど、それを押してでもあたしはmasayaに逢いたいと思う。
甘やかしてもくれないけど。 けっして優しいとはいえないけど。
それでも逢いたいと思うのは何故なんだろう?
いつもいつも自問自答を繰り返す。そして、答えは出ない。 ただ、逢いたいから逢う。それだけ。
メールを送って買い物をしていると、思いがけなく返事が来た。
「すぐにはわかりません。」
そか。やっぱり。苦笑。
彼は。 あたしを特別扱いして優先することは絶対にしない。 それは、彼にとってあたしは【特別扱いする存在】ではないということ。
そんなことはもうだいぶ前からわかっている。
すぐにはわからないのなら、また近い日に聞いてみよう。 きっと何もなければ逢ってくれるはずだから。
あたしは無理強いはしない。 あたしはワガママを言わない。 それは自分で決めた事。
逢う時は気持ちよく逢いたいから。
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土曜日のショッピングセンターは人出が多い。 今日は気温も高めで暖かい1日だった。
世間はバレンタインデーなのね。
少しだけその気分を味わいたくて。
あたしは彼に「バレンタインデーの貢ぎ物」を宅配便で送った。 そのことはまだ彼には言っていない。
きっと期待も何もしていないだろうしね。
あたしが送ったものは、彼の為ではなく、あたしの気持を満足させるためなのかもしれない。
2004年に入ってから、まだ1度も彼に逢えない。
masayaが多忙なことはわかっている。 あたしも今年に入ってから、仕事面で忙しくなってきた。 それでなくても、あたしの仕事は土日に休みがなかなかとれない。
あたしは彼からのメールを待つ。 が多忙な彼からは滅多に来ない。
以前なら、悲観して泣きそうになっていたところだけど、ここのところ、自分自身が忙しくて、気付くと夜になっているということも多い。
思うように連絡が取れないのはもどかしい。
でもそんなことすら日々の業務に追われて忘れてしまいそうになる。
バレンタインの前日の今日。 ふと思い立ってmasayaにメールを送ってみた。 深夜まで働いてることも最近では珍しくない彼の事だから もちろん返事は期待しない。
メールを送ってそのままあたしはネットの世界で遊ぶ。 友人達とチャットをして、いろんなサイトを見てまわって、思いついて買い物に行く事にした。深夜0時過ぎ。
出かける用意をして、充電していた携帯手に取る。 確認すると、一件のメール着信。
「さて、豚丼でも食べにいってみようかねぇ。」
何それ?時刻はほんの15分ほど前だった。 あたしはくすっと笑ってレスを返す。まだ寝ていないはず。
「牛はもうないのね。買い物に行きます。」
きっと。 無視をしているわけではない。とあたしは思ってみる。
そう思うだけで少しだけシアワセな気分になる。
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