腕枕が好き。
今の季節は丁度いい季節かもしれない。 くっついてもそんなに暑くもないし、かといって寒さに震える事もない。
起きた時にmasayaの寝顔を見るのが好きだ。
寝ている顔は決して、ものすごい男前なんてものぢゃぁないんだけど、 それでも子供のような顔をして寝ているmasayaを見るのが好きだ。
そして、あたしは悪戯をする。これも恒例。
…だって、夜に1度なんて物足りないんだもの。 …だって、逢いたい時にすぐには逢えないんだもの。
朝は彼はイカナイ時が多い。 ていうか、いつも寝てるんだもの。
時間なんてすぐに経ってしまう。 フラフラと起き出して、いつものように一緒にお風呂に入って 出かける用意をする。
今日はmasayaは午後2時台の新幹線に乗る予定。
短いね。
昼食は近くの中華街でとることにした。 家を出る前に、少しだけキス。 だって、いつも外に出たらしてくれないんだもの。
適当なお店を見つけて、お昼のコースを注文する。 少しづついろいろな料理が出てきて、それはそれでおいしくて、そして、車海老のマヨネーズ炒めを追加注文。
「うわぁ。美味しい♪」
「うむ。うまひね。昨日テレビで見たのとは少し違うけどね。」
食べながら料理の味付けや他のいろんなことや、明日からのあたしの旅行のことを話した。何を話していても素敵に楽しい。 この日のランチはmasaya君にごちそうしていただきました。 ごちそうさまです。
名残惜しいけど。 もう時間がありません。
車で、新大阪まで送っていく。 道路は空いていて、スムーズに車は進む。 こういうときに少しでも渋滞すればいいのにね…。
駅のそばでハザードをつけて停車。
「気をつけてね。」
「あい。~*Yuuちゃんも気をつけていってらっさい。」
「あい。いってきます。」
車を降りた彼は、テクテクと歩いて行く。 いつも振り返らない。ほんと潔いのね。
彼が歩いて行くのを見送って、あたしはアクセルをゆっくりと踏みこんだ。
しばらくすると、メール着信。
「乗りました。テキトーに用意しておくれ。」
ん?何?意味がわからない…。少し不安になる。
「何の用意?」
「旅行行くんだろ?用意しておくれ。」
そか。そういう意味だったのね。 なんか変な意味にとって、不安になっちゃったじゃないか!
16時間だけの滞在。 短い時間だけど、ステキなセックスとステキな時間を過ごせた。
明日からあたしはグアムです。 お土産もちゃぁんと買って来る!
masayaが用事があってこっちに来る事になっていた。
10日ほど前に電話があって、用事でそっちに行くから泊めてくれないかと言われていた。
もちろん、あたしが断るはずもない。
前日の夜の仕事は久しぶりに午前2時をまわり、昼過ぎまで寝ていたあたしは彼が来るからと部屋を片づけはじめる。
何時頃に来るんだろう…。
きっといっぱい飲んでるんでしょうね。 いつものように。
何時になるのかわからない。 じりじりと時間が経つのが遅く感じられる。
午後10時前に待ちに待った携帯が鳴る。 masaya専用の着信音。 急いで出ると、いつものようにひょうひょうとした声で彼が言った。
「終わりました。」
「あい。どこまで行ったら良い?」
「○○まで。」
「すぐ行く。」
慌ててあたしは車のキーを掴んで家を出る。 嬉しい嬉しい嬉しい。
途中でメールが入る。あたしの勤める紳士服屋まで歩いて来たらしい。 え?もうそんなとこまで? アクセルを踏む。もう少し。あと少し。
駐車場の入り口の横にmasayaが立っていた。
「こんばんわー。」
「こんばんわぁ。」
いつもと変わりない。少し酔ってるかもしれないけど。 masayaを拾って、また家までの道を引き返す。
あたしは最近車を買い換えた。 だから、masayaがあたしの車に乗るのははじめて。
「をを。軽だぁ。」
「うん。軽だよ。小さいでしょう。」
「そだなぁ。」
「まだ慣れなくて、どーしても右よりで走ってしまいます。」
「そだろうなぁ。こっちだいぶ空いてるぞ。」
そんなことを話ながら、10分ほどのドライブ。
「お風呂入る?」
「あい。入ります。」
彼がこの家に来るのは何度目だろう? 一緒にお風呂に入るのは何度目だろう?
最初は特別な事に思えたけど、なんだか最近は普通のことのようにも思える。
まだ、あたしの部屋に来たのは、別れた夫以外の男では彼だけだ。
小さなお風呂でいつも少し戯れて、そして、上がってからはベッドで抱き合う。
ネットで知り合った女の子達が集まって、「愛撫向上委員会」というのを開催した。男の人をどうやって愛撫すれば喜ぶのか?というのがテーマだった。
ベッドで戯れながら、あたしは彼に習得してきた「技」を披露する。
ねへ。これはどう?
ううううむ。使えないなぁ。
…そ、そう?
萎えている時点でダメだと思うよ。
裸で二人ちょこんとベッドに座ってそんなやりとりをする。変な体制での愛撫はムードも何もないのは当たりまえ。
「じゃぁ、裏向きになってください。」
「はぁ。」
彼をベッドに俯せに寝かせて、あたしは次の「技」を試そうとして、でもどうしていいのかわからなくて、途方に暮れてしまう。
「なぁにやってんだぁ?」
「えと。どうやっていいのかわかりません。」
「ダメだなぁ。」
結局、最終的にはいつものように、あたしは彼のモノに唇をはわせた。
「気持ち良いよ。普通が一番いいね。」
一生懸命にあたしは彼をくわえる。 先だけを含んで舌先でちろちろと遊んでみたり、喉の奥までくわえてみたり、たまに彼が言う「気持ちいいよ」という言葉がたまらなく嬉しくて、あたしはいつもくわえるだけで濡れてしまう。
上を向いて寝ていた彼が急に反転して、あたしが下になった。
押さえつけられたまま、喉の奥までガシガシと突き立てて来る。
苦しくて呼吸が出来なくて、涙が出て それでも無理矢理されるということにあたしは感じる。
めちゃくちゃにされたいという願望をいつも抱いているから。
限界まであたしは我慢をして、それでもまだ彼はあたしの喉の奥を突いて、苦しさで歯を立てないようにと、それだけをあたしは考えて 喉をめいっぱい開く事だけしかできなくて。
苦しいのか感じているのかは、もう全然わからないのに、あたしの身体からはたくさんの体液が流れ出ている。喉の奥を突かれる度に子宮が疼いて痛い程だった。
やっと苦痛のような責めから解放された。
「動いてみました。」
「…あい。苦しかったです。でも、なんだか良かったです。」
恥ずかしいほど濡れているあたしの中に masayaが入って来る。
濡れすぎると摩擦感が少し足りないかもしれない。 でも、ものすごく感じて、あたしは声を抑えるのに精一杯だった。 快感はどこまで深いんだろう…。 きっと普通の人には苦痛だとしか思わない事にも あたしは快感を感じてしまっている。
もっと激しく犯して。 もっと淫らに犯して。 無理矢理シテ。
たくさんの絶頂。 いろんな種類の欲求。
先はまだ見えないし、いきつくところもまだわからない。
彼はあたしの中でイク。 その瞬間が一番気持ちいいのだけは変わらないんだけど。
いつもより苦痛が大きいセックスだったけど、終わったあとは いつもと同じ、やっぱり幸せな気分で眠りに着いた。
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