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優しい=青い部屋=あたしとmasayaの日々。

2003年01月13日(月) 2003 First date #4

目覚める。
隣を見る。
まだ眠っているmasaya。
あたしが眠っている間中ずっと
彼の腕はあたしを抱いていた。

安堵。


また目を閉じる。
浅い眠り。



もう一度目覚めて
ベッドを抜けてオレンジジュースを持って来た。

一口飲んでから、目覚めたmasayaに手渡す。


おはよう。

あい。おはようだ。



キスから始まる。
眠る前に約束したから?
昨夜の事はちょっとしたアクシデントだ。
だから気にしない。


今あたしの中に彼がいるのが事実で
感じているあたしがいるのが事実で
抱かれると嬉しいと思うあたしがそこにいる。


少し明るい中でのセックスは
適度に羞恥心を刺激して
まだ眠気の残る身体は
みょうにふんわりした感覚だ。



すごいことになってるよ。


ん。


すごい音がしてるよ。


そだね。




犬が水を飲む音に似てる。
ぺちゃぺちゃと言う音。

昨夜の事があったからか
いつもより少し優しいセックスだと感じた。
でもいつもと同じセックスだとも思った。

masayaの優しさ。


愛ではないかもしれない。
恋でもないかもしれない。
不思議な関係だとフと思った。




昼食をとり、お風呂に入る。
3泊したら6回もお風呂に入るんだよね。
そのうち5回も一緒に入ってるよね。
些細な事が嬉しい。


masayaが身体を洗うのを見る。
masayaが髪を洗うのを見る。
masayaが
masayaが

結局何をしてても嬉しい。



時刻はもう夕方に近い。
そろそろだ。



PCを立ち上げて
帰りの新幹線の時間を確認する。

荷物をまとめるmasayaを
少し淋しい気分で見ていた。


あたしは化粧をして、出かける用意をする。
準備はもう整った。







忘れ物ない?

あい。ないと思われます。

これは、洗濯しても良いの?

あい。しといておくれ。




口紅を塗る前に
抱きしめてキスしてもらう。

一度では足りなくて、
もう一度抱きしめて貰った。


ギリギリの時間。





3連休なので新大阪は混雑するかもしれない。
だから来た時と同じJRの駅。
新幹線の発車時刻に間に合うだろうか?


乗ったらメール入れてね。

うむ。そうします。




軽いキスをして
大きな荷物を持って
masayaはあたしの車から降りた。

軽く手を振ってから、いつものように飄々と歩き出す。

階段をのぼる後ろ姿が見えなくなるまで見送って
あたしは車を発進させた。



またね。





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3日も彼が居た部屋にひとりで戻るのは淋しくて
友人と一緒に夕食をとることにした。

3日間の出来事をいろいろと話すと
少し淋しさが薄れる。



メールが来た。



新幹線の車内です。とうぜん座ってます。


また逢える?


あい。またです。
予定はありませんが。





相変わらず正直だ。
でも、きっと【また】はある。

根拠はどこにもないが
なんとなくそう思った。






masayaの考えてることは相変わらずわからないが
あたしはそんなmasayaの事が好きだ。


3日目はセックスしてくれないけどね。




2003年01月12日(日) 2003 First date #3

朝、目覚めた時に
隣を見るのが好きだ。


確認。


まだここに居る事の確認。
もしかしたら、寝てる間にどこかへ行くかもしれない。
そんなことはないんだけど
漠然とした不安をいつも抱えてる。


だから確認する。



おはやう。


あい。


お腹空いたねへ。


さうだねぇ。




軽いブランチにしようかと思ったけど
もうお昼だったので、昼食を作る事にした。


簡単に野菜をいためて中華風の焼そば。


あたしは料理が好きじゃない。
だから簡単なものしか作れない。

それでもけっこううまひよと食べてくれるのは
ありがたいです。



今日は民俗学博物館に行く事にした。
1年に一度くらい、あたしはここに足を運ぶ。
別に大きな変化はないんだけど
なぜかそこに行きたくなる。

お気に入りの場所に一緒にいきたかった。



寒いねといいながら大きな公園をずぅっと歩いた。
手を繋いで歩いた。
博物館で展示品をみて、あたしはひとりはしゃぎ気味。
masayaはどう思ったんだろ?

閉店間際の公園売店で
半額のコロッケを食べて
缶コーヒーを半分ずつ飲んで
また手を繋いで公園を横切る。

起きるのが遅かったので1日が短い。
買い物をして帰るともう夜だ。





masayaは自分のPCを立ち上げて何かしている。
あたしは昨日食べた中華料理の海老のマヨネーズ和えを
我流で作ってみた。
けっこう手間がかかったのに
やっぱり何か違う。
何が違うんだろ?


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3日も一緒にいると
生活が見えて来る。

masayaの日々の暮らし。
彼の行動。


ご飯を食べ終えて
無防備にホットカーペットの上で眠るmasaya。
あたしは無理に起こす事もせずに
いつものようにPCを立ち上げる。


ひとりは嫌いではない。
ひとりで遊ぶ事にも慣れている。
masayaが隣で眠っていることが
いつもと違うだけだ。


時折寝返りをうつ。
暑いという彼の為に温度を少し下げる。


なんて無防備に眠るんだろう。
それでも、あたしの身体に回った腕が
時折抱きしめるように動く。
それだけでも嬉しい事。



2時間以上もそうしていて
やっと目覚めた彼はお風呂に入ると言った。
あたしは用意をして
まだウトウトするmasayaの横で
またPCで遊ぶ。



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少しだけいつもと違う雰囲気があった。
眠った彼は当然眠くないわけで
あたしは眠くなってきたわけで
珍しく勝手に寝ると言って寝室に引き上げた。


しばらく和室でテレビの音が聞こえていた。

ベッドで文庫本をめくりながら眠くなるのを待つ。
あたしの日常だ。


聞こえていたテレビの音が途切れ
足音が聞こえた。masayaだ。



寝るの?

テキトーに。



ベッドに入ってから、いつものように彼はあたしの身体をもてあそぶ。
胸を、首筋を、太腿を掌で撫でるように触ってゆく。


スルの?

わかりません。



そんな事を言われて、あたしはどうしていいのかわからなくなる。




くわえておくれとか言わないの?

今日は言いません。~*Yuuちゃんがくわえたいならくわえても良いです。



変なの。
意地になってるあたしは
そんなことは別にしたくないからしませんと返す。


相変わらず掌は身体を弄ってるわけで
延々と続く妙な快感に
あたしはどう反応していいのか戸惑う。




ね。

ん?

スルの?

わからないよ。

2日も連続でしたからしなくてもいいやとか思ってる?

それもあるね。

そか。もし、しないんなら
あたし寝るから。お薬飲んで。

わかんないよ。





焦らしてるのか
あたしの反応を楽しんでいるのか
よくわからない。

あたしはmasayaの好きにさせて
延々と身体を触らせて
そうなると身体は正直に彼を欲する。



しないの?

さあ。


2時間もそうしていて
まだ『さあ。』というバカにされたような返事で
急にあたしは悲しくなった。


もういいっ。
しないならしないって言ってよ。
したくないんだったらもう触れないでよ。



気付くとそう口にしていた。
ベッドを出ようとするあたしを
masayaが引き止める。


ごめん。

もういいっ。



こんな事はじめてだ。
滅多にけんかをしないあたしたち。
あたしが怒った事に対して
彼はどう思っているんだろう。



真っ暗な和室で泣く。
ひとしきり泣くと自分が恥ずかしいような気になった。
そして、後味がとても悪い。


歯磨きをして、どうしようかと思ったけど
このままひとりで眠るのも淋しくて
もうmasayaは明日帰ってしまうのに
こんなことで気不味い雰囲気になるなんて
…バカみたい。あたし。



そぉっとベッドに戻ってみた。
向こう側を向いている彼の腕を取って
腕枕にする。
masayaの腕に力が入るのを感じた。
抱き寄せられた。



…ごめんね。


良いよ。こちらこそごめんねだ。


あのね。


ん。


あたしはおもちゃじゃないんだよ。触れば反応するの。


ああ、そだね。
ごめんよ。俺は触るのが好きなんだよ。


知ってるよ。
でもそうすると反応しちゃうの。
別に最初はとってもしたいとか思ってなかったけど。


うん。ごめん。


さあ。とか言われてね。悲しかったの。
もうあたしの身体ではmasayaが反応しないのかと思った。


そんなことないんよ。
ちゃぁんと反応してる。
でも別に俺もそんなにしたいわけじゃなくて。
ただ触っていたかったんだよ。


うん。




しばらくそうして話をしてて
抱き寄せられたまま眠ろうと思った。
でも、意識が昂ったままのあたしは眠れない。




masaya君。眠れないよ。


そか。じゃぁしようか?


うんと。でも今はいい。
お薬飲んで来ようかなぁ。


お薬は飲まない方がいいよ。


…うん。




またしばらくそうしていた。
masayaの寝息が聞こえて来た。
あたしは眠れない。

そっと抜け出そうとすると
寝息を立てていたmasayaが聞く。




どした?


お薬飲んで来るよ。


そか。眠れないか。


うん。ダメだよ。



ベッドを抜けて睡眠導入剤を流し込み
また彼の隣へ戻る。



masaya君。


ん?


ね。起きたらスル?


スルよ。当然のように。


そか。


あい。そうです。


おやすみ。


おやすみ。




薬が効いてきたあたしは
ストンと眠りに落ちた。





2003年01月11日(土) 2003 First date #2

深夜の道路は空いている。
深夜のドライブは快適で何の問題もなく駅に到着。

まだ午前零時までは十分程ある。

駅前ロータリーのタクシー乗り場には
タクシー待ちの人たちが並ぶ。
駅の階段下の道路には迎えの車が並んでいた。

その一番後ろでハザードを点滅させて
あたしはmasayaにメールを送る。



着いたよ。

あと一駅です。



午前零時少し前に
上りの各駅停車がホームに滑り込んで来た。
降りて来る人たちが、車の中から見える。
あの中にmasayaはちゃんといるんだろうか?


駅の階段を下りる人達の中の彼を探す。
最初の一団の中にはいない。
人影がまばらになる。
急に不安になる。

それでも階段から目を離さずにいると
ひょうひょうと歩くmasayaをみつけた。
大きな荷物。
コート。
そしてスーツ。


出張なので今日はスーツだ。
masayaのスーツ姿は今日で3度目。
やっぱり、なんか変。
着慣れてないんだね。
そんなかんじ。



こんばんわー。

あい。こんばんわ。

はぁ。疲れたよぉ。

あい。


普通に会話をして、車を発進させる。
masayaからはビールの匂いがする。


ねぇ。酔っ払い?

そうでもないよ。


masayaは酔うととてもご機嫌で下らない話をする。
それを聞きながら、あたしは運転する。


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部屋はなんとなく片付いた。

大きな荷物と小さな荷物をおろし、
はぁっとmasayaはため息をつく。
あたしにはお土産と言って、名物のお菓子を手渡してくれた。

お風呂入る?

あい。はいります。


お風呂を沸かす間、何を話したんだろう。
彼は機嫌良く仕事の話をし
あたしは「逢いたかったよ」と伝えたいけど
なんかご機嫌な彼をみてると
もうそれでいいような気がした。



あたしは先にお風呂に入ってしまってたので
今日はmasayaだけが入る。

お湯を流す音。

身体を洗う音。


しばらくすると身体から湯気をたてて
彼が風呂から上がってきた。

もうアルコールは入ってるので
今から飲む事はない。



寝ますか?

あい。寝ませう。


そう言って寝室に移動した。





今年初めてのキスはビールの香りがした。

しばらくキスを繰り返した後
すこぅしだけの愛撫の後
それだけでも十分に潤んでいるあたしの中に
masayaが入って来た。


酔いが回るよ。

そう言うとあたしを上にする。
自分が感じるように動いて
あたしは勝手に果てる。
そして動きを止める。


どした?

…気持ちイイの。


何度か同じ事を繰り返した。
動いては果て、休んでは動く。
このまま動いていたいと頭では思うが
何度もイクと身体がもたなくなる。



…masaya君、お酒派逝ってるからイかない?

ん?イクよ。


そう言って彼は上になると
少し荒く動き始める。


出していい?

ん。



動きが止まって小さな痙攣があたしの中に伝わる。



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眠れない。

彼が隣にいると思うと嬉しくて。
眠れない。

頭の下にあるmasayaの腕と
身体に回る彼の腕と
後ろから抱きかかえられた姿勢で
あたしは目を閉じる。

意識があるようなないような感じ。


薬を飲むとだんだんと眠くなる。
意識が途切れて、抱きかかえられたまま
あたしは眠りについた。




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お昼前に目覚めた。


ねへ。お腹空かない?

あい。空きました。



チーズトーストを焼いて
コーヒーを入れて
簡単に朝食をとる。

テレビをみながら、少しだらだらする。




浴槽にお湯をはって
ふたりでお風呂に入る。

あたしの右足は月曜日に外科に行った後で
湯船にまだつけられない。

向かい合って座るmasayaの肩の横に、あたしの右足。





はあ。浸けられないのね。

あい。さうです。




髪を洗って身体を洗って
お風呂から上がるともうお昼をだいぶ回っていた。




どうする?

どうする?

お腹空いたねぇ。

さうだねぇ。

何にしやふ。

ねぇ。中華は?

ああ。良いねぇ。
じゃぁ、検索でもしたまへ。



PCを立ち上げて飲食店検索サイトで
近くの中華料理店を検索した。


中華街は?

あそこはもういいなぁ。

そだね。あんまりおいしくなかったよぉ。

あい。じゃぁ、他にしやふ。

じゃぁ、いつものとこは?

そこでいいよ。



いつも行くショッピングセンター。
行き先は決まった。
近くの友人にメールを入れる。


今から行くけど。お茶に来ない?

お邪魔でしょ?

お邪魔じゃないよ。

遅くなるけど。

いいよ。きっとそれくらいまで居るはずだから。




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食事を終えてからmasayaの靴を買いにふらふらと歩く。
今回スーツで来た彼は、革靴しか持って来てなかった。



masaya君。やっぱダサいよぉ。


あい。靴買うです。



エンジのコンバースはサイズがない。
ナイキもいいのがない。
いろいろみて、結局、安いましなのを買った。
その場で履き替えるmasayaは子供みたいだ。



ね。指輪買ってくれる?

良いよ。


遅いクリスマス。
シルバーと白蝶貝のリング。
あたしの小さい右手には
ちょうどいい大きさ。


友人が着いたので
3人でお茶にする。
ひさしぶりのスターバックス。

あたしはmasayaとしかスタバには来ない。


そして、masayaに買ってもらった指輪をつけて、あたしはご満悦。


気付くともう夕方だった。
夕飯の買い物をしている間も
何を買うと決める相談も
普通だけど、けっこう楽しい。



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いつもだらだらと時間は過ぎる。


夕食を終えてテレビを見て
少し戯れて向かい合ってお風呂に入って
少しだけアルコールを摂取。


時間に余裕がある。



今日はマグロだもん。

そかぁ。マグロかぁ。

そだよぉ。いいじゃん。

ふざけたような会話からスタートする。


昨夜と違う愛撫に
昨夜と違う快感に
あたしはたゆたう。


声を出さないように我慢すればするほど
声をあげるように奥まで貫かれて
壊れるかと思うほどに掻き回される。


知らず知らず、身体が動く。
自分の快感を得る事に、あたしは正直だ。


あたしの体液とは明らかに違う匂いがする。


体内に残った昨夜の彼の精液が発する匂い。

動く度に溢れる液体と
動物的な香りが充満する部屋と
肉と襞が擦れあう音。
あたしは乱れて果てる。


最後は動物のように後ろから犯されて。




昨夜と同じように抱きかかえられて眠った。



2003年01月10日(金) 2003 First date #1

masayaが出張で大阪に来る事になっていた。

が、昨日から連絡がない。
本当に来るのかどうか。


数日前から風邪気味だったあたしは、微熱っぽい身体で
夕方頃から部屋の掃除にとりかかった。
ここ数日間、何もしていない。
取り入れた洗濯物。
乱雑な部屋。

彼が来る前に少しでもなんとかしなきゃ…。

そう思いながらも、身体が熱っぽくて言う事をきかない。
金曜日の今日は出張なので、その後飲むだろうから
あたしは夜仕事に行く事にしていたが
あまりのだるさと、彼から連絡がない事の不安とで
でかける気分になれなくて、ついに休むという連絡を入れた。


少しづつ部屋を片付ける。

きっと夕食は採ってくるんだろう。
そう思ったので何も作らない。
今のあたしにはありがたいことだった。



夜になっていたたまれなくてメールを入れる。

連絡を下さい。

もしも、出張が取り止めになっていたら…。
もしも、何かの事情で日程がずれていたら…。

そんな不安をかかえて、masayaの携帯にメールを入れる。


しばらくしてやっとレスがかえってきた。


びーるばっかりのんでる気がします。



相変わらずだ。
あたしの不安な気持ちを知ってか知らずか
本当にテキトーな返事。

それでも無事に着いているみたいなので、少しほっとしてメールを返す。


何度かやりとりを続けていると
こんなメールが来た。


もうすぐ終わりそうです。
泊めてくれると嬉しいかもだ。



最初からそのつもりだよ。
当たり前でしょう。




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終わりました。どうすればいい?

そんなメールが入る。
大阪駅で荷物を取ってから
こっちへ向かうらしい。
時刻はすでに午後11時半。
地下鉄は間に合うんだろうか?

最寄り駅までの電車には間に合わないかもしれない…。

結局JRの一番近い駅に来てもらう事にした。


列車が人身事故の為に遅れていたらしい。


午後11時36分発です。



発車時刻を知らせるメール。
masayaが着くまでに
あたしは駅に着くだろうか?


そんな事を思いながら、あたしは車のキーとって
少し焦った気分で玄関を出た。


今夜は少し寒さが緩んでいるかもしれない。


そんな事を考えながら


 < past  INDEX  will>


~*Yuu
エンピツ