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2006年10月12日(木) 手書きの効用

今では、アメリカの低学年で筆記体の学習にかける時間が1日10分以下になり、筆記体がかけない生徒が増えているとか。例えば、2006年にSATという、大学に入るための共通テストを受けた150万人のうち、筆記体で解答したのは15%、残りはブロック体で解答。
高校生になるとラップトップでノートをとり、宿題もパソコンでやる。
実際、大人になると筆記体が必要なのはサインするときだけだったりする。

手書きが苦手な子は、書く文章も短めで単純、という調査結果がある。
小さい頃から手書きがきちんとできると、自分の考えをより上手く表現できるようになる、ということを示す研究もいくつか出ているそう。

ヴァンダービルト大学のスティーブ・グレアム博士の研究では、1年生で1分間に10から12文字しか書けない子どもたちで実験。週に3回、15分間の手書きのレッスンを受けさせた。9週間後、書くスピードは倍になり、より複雑な考えを表現するようになった。文章構成のスキルも同時に向上したという。


うちの親世代くらいだと、学歴に関係なくみんなきちんとした文章や手紙が書ける。でも自分の同世代ではそういう習慣(?)はすたれてしまったようで、「ちょっとこれは…」と思う文を時々見かける。内容がどうこういう以前に、日本語の文としてちゃんとしていなかったりする。特に、人に何かをして欲しいという目的の文で「結局どういうことなの???」と不明瞭なものは、非常に困る。子どもが保育園に通っていた頃はよく署名集めの手紙がまわってきたのだが、あるときあまりに文章がひどい請願書がきた。内容自体には同意してもいいと思ったのだが、このめちゃくちゃな文に同意したと思われるのは不本意で、協力しなかったことがあったなあ。

適確に表現する技術、というのをぜひ国語でやってほしい。


駿馬 |MAIL

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