diary/column “mayuge の視点
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電車の中の「棒グラフ」

 朝晩、電車で本を読む。かなり長いこと乗っているものだから、結構はかどる。長時間だけに座れるに越したことはないのだが、まあまずそういうことはない。では、ラッシュの電車の中で立って本を読む場合、どこが最適か。これはやはり長椅子中央の前のつり革である。僕の場合。乗降口から最も離れているため、駅ごとの降りて乗ってというストレスフルな「儀式」に巻き込まれないからだ。背後の「つり革マン」(またはウーマン)との間に、一人「NOつり革マン」が入れば、もう絶妙のバランスが保たれる。押し合いへし合いもほとんど起こらない。集中できるんだこれが。
 ところが、である。たまに「ハズレ」を引いてしまうときがある。正面に座っているバカタレが、どんなに混んでいても足を投げ出したまま、というシチュエーションだ。よく「電車のなかで化粧をする女は他人からどう見られているかに気付かない、そもそも周りを気にするという概念がない」といわれるが、まさにこの足投げ出し男も同様だ。混んだ車内で自分がどれだけ周囲を不愉快にしているかを気にする、という概念がない(笑)。
 ふと他の座っている人を見ると、きちんとかかとを引いている人がいたりする。そんな人を見ると、「あ、この人は相手の立場が普通に感じられる人なんだな、仕事でもそうなんだろうな」と思う。それにひきかえこのバカタレ。たまに露骨なオバちゃんに靴で足を押されたりすると、逆にムキになって足の投げ出し度を死守しようとする。アホや。アホすぎる。
 そこで皆さん。朝晩のラッシュ時に電車に乗ったら、ぜひつり革ポジションに立ってもらいたい。それでもって、前に座る7人衆の足の投げ出し度をとくと眺めてみてほしい。きっとそこには、見事なまでに彼らの「頭の回転度」を映し出した「棒グラフ」が描かれていることでしょう。ぷぷぷのぷー。

2004年09月29日(水)

やっぱりうれしいかも

 カナダより帰国後、もうじき一年になる。仕事も決まったことだし、いつまでも実家でパラサイトしてもいられない。実際、実家から会社まで1時間40分かかっている。乗り換えで始発を待って乗ろうとすると1時間50分になったりする。ありえない。というわけで最近、部屋探しを始めた。
 それにしても、「引越し&新生活」って金かかるんだよなあ。どうすんだよ。資金のことを考えると頭が痛い。でも、物件の内見帰りに電気屋で洗濯機なんかを見ていると、ちょっとワクワクもしていたりする。

2004年09月26日(日)

また男かよ

 H編集長と、とある歌手の事務所へ。『****』の読者層と年代的にバッチリはまる人である。つまりオジサンである。マネージャー氏と打ち合わせをしていると、その歌手本人がチラっと現れた。低音で、「あ、ちょっと失礼」。おおー、ホントにいい声だ。
 しかし、前の広告の仕事をしているときもそうだったが、有名人と仕事でお会いする機会があっても、なぜか男性ばかり。某化粧品会社を担当していたときも、「男性化粧品」の仕事をしていた。妖しく光るくちびるとか、つるつるお肌とかには、とにかく縁がない。
 たまにはないのか、長谷川理恵とか伊東美咲とかのオーラを浴びることは(怒)。そんなミーハーな思いと裏腹に、『****』のメインターゲットは哀しいかな「50〜60代の男性」。

2004年09月24日(金)

わたしの知らない世界

 夜、H編集長の先輩編集者T氏と会食。四谷の渋い小料理店である。なんでもこの店には、作家の村上龍氏あたりもたまに顔を出すとか。マジすか。たしかに出てくる料理がやけに美味いわけである。
 メンツは、T氏68歳、H編集長62歳、弊社社長のSさん50代後半、そしてわたくし31歳。久しぶりに「若いひと気分」を味わう。とはいえ、如何せんやや肩の凝る食事であった。
 T氏は時折パイプをくゆらせながら大音量のハスキーボイスで豪快に語る。話題は主にT氏の著作について。「俺の本を読んでナカソネさんがこう言ったんだよ」なんていう世界なので、あっけにとられる。中曽根氏の首相在任時は、わたくし小学生。彼のイメージは「あたまのうすいそーりだいじん」だったりするわけである。もちろんそんな素振りは見せずに聞き入る。
 このT氏、熱弁の要所要所で「クーククク」「グワハハハ」と大声で笑う。深い見識と陽気なキャラクター。チャーミングな68歳である。
 赤坂のクラブ(アクセントは「ク」の位置)へ移動。先客として来ていた紳士とT氏は仲良さげに話しはじめた。オーディエンスに一部変更があったので、話題は再びT氏の著作について(笑)。加えてプロ野球スト問題が盛り上がる。ようやくわたくしも意見を述べたりしてみる。と、先客の紳士はストライキについて相当博識の様子。名刺交換して謎は解けた。「連合」の会長さんであった。

2004年09月21日(火)

コミュニケーション能力?

 いとこの結婚式で、「いとこのいとこ」と「はじめまして」。聞けば彼は東大の4年生。出版業界への就職がうまくいかずに、就職浪人することになるんだとか。おいおい、東大でもダメなのかよ。ひどい業界だ。
 わたくしこれでも一応、社会人の先輩でもあるし、親戚のよしみもあるし、微風程度の先輩風を吹かせつついろいろとお話をしてみた。が、ほぼすべての話題で片っ端から反論を喰う。最近の学生は弁が立つ。言っていることも立派だったりする。わたくし、情けなし(汗)。
 でも、面接で落とされた理由がなんとなく分かった気もしたりして。

2004年09月20日(月)

遺言

 H編集長とともに、町田で“毒舌漫画家”T氏に会う。ボサボサのロングヘアーに大きめの黒いサングラス、という姿で登場したT氏、年は五十代半ばといった感じか。そこで新雑誌名の由来についての話になった。

 T 「Hさんもいろいろ雑誌やってきたけど、もうこれで最後にするんでしょ? ところでどんな意味なの、この『****』って?」
 H 「一応、『意志』とかね、だいたいそんな意味があるんだよね。単語自体には、『遺言』っていう意味もあるけど」
 T 「じゃあこの雑誌、Hさんの『遺言』なわけだ。こりゃいいや、ダハハハハ」

 毒舌漫画家は、普段の会話でも容赦はない。

2004年09月18日(土)

納得

 サントリーの缶コーヒー『BOSS』に、新フレーバー「レインボーマウンテンブレンド」が登場。「ボス」というくらいで今まではハードボイルドなイメージだったのに、今度の新商品、パッケージが「虹色」。外で飲むのも恥ずかしいので事務所で飲んでみる。
 と、なんともはっきりしない味。普段コーヒーはブラックで飲んでいるからなのか、なんともピンとこない。苦くもなく、かといって超甘くもなく、スーパークリーミーなわけでもない。ええい、男なのか女なのかはっきりしろよ。例えていうならそんな感じなのである。
 そこでピンときた。「虹=ゲイのシンボル」。なるほど、はっきりしてないわけだ。

2004年09月16日(木)

「喫煙=ダメ人間」な時代

 新しく勤めることになった会社の事務所は「千代田区」。ご存知の通り、街中は禁煙なわけです。それはそれでいいでしょう。歩行喫煙は迷惑かけるし。でもそれが煙草を辞める理由になるかというと、ならないわけですこれが。事務所の喫煙所でも、喫茶店でも吸えるし。

 今夜は、この度この会社に「新入り」と相成ったH編集長と僕の歓迎会をしてもらいました。で、そこそこ遅くなったわけです。深夜に近い、乗り換えの駅。乗り継ぎが悪く、十分ほどの待ち時間。ホームの端には、喫煙所があるわけです。手持ち無沙汰なので、取りあえず吸いに行きますわな。

 するとそこには異様なまでに喫煙者が群がっているではありませんか。年代は幅広い。三十代、四十代、五十代。六十代もいるな。そのほとんどが男ばかり。みんなサラリーマンなわけです。

 本なんぞを読みながら、最後の煙をふーっと吐き出しつつ顔を上げて気付いたことがひとつ。ここに集まっている連中は、どいつもこいつも「デキなさそう」な輩ばかりに見えたわけです。で、間違いなく自分もそこにいるわけです。ヤバイヤバイ。アメリカでは煙草がやめられない奴はデキない奴だと言われるそうです。とうとう日本でもデキない奴だけが煙草を未だに吸っている、という時代になったんでしょうか?

 ホーム端の煙る空間から逃げるように離れ、思ったことがひとつ。「やめようかな」。生まれて初めて禁煙が頭をかすめた一瞬でした。なんて思い出しつつ、帰宅して「ふーっ」。

2004年09月13日(月)

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