私は化粧をしない。どこへ行くにもスッピンである。この歳になってスッピンで出かけるというのも我ながら凄いと思うのだが、どうも化粧というヤツが嫌いなのだ。特にファンデーション。あれを塗ると皮膚呼吸が出来なくなって息苦しくなる（ような気がする）。が、やはりそこはほれ、大人だから年に何度かは化粧をしなければならない場合がある。ほとんどの場合は冠婚葬祭ですな。ああいう場合、スッピンだとかえって目立つじゃないですか。失礼になるし・・・多分。

が、さすがに日頃化粧をしないだけあって、化粧が滅茶苦茶下手なのだ。我ながらこれはいかん、と思うのだが、そう思うのは当日のみ。終わってしまえばまたスッピンに戻る。何しろ家に帰って一番にやることが化粧を落とすこと。これじゃいつまで経っても上手くなりませんわな。

で、先日そういう場合になってしまった。久しぶりに化粧をして、「行くよ！」と愚息に声を掛ける。「ほ〜い」と部屋から出てきた愚息が私の顔を見てびっくり仰天して叫んだ。

うわぁ、おばさん！

・・・驚くなよな、親の顔見て。

私は４７歳である。おばさんに見えて当たり前だろうが！お嬢さんやお姉さんに見えた方が不気味だと思う。

今日から夏休み。夏休みに入った途端暑くなった。気候まで律儀に夏休みに合わせなくっても良いのになぁ。愚息は夏休みをエンジョイ・・・させるわけにゃいきませんぜ、そう簡単に。6週間はきっちりとサマースクールに通ってもらう。だって、２ヶ月半も遊び狂っていたら身体に悪そうじゃないですか。

という訳で、愚息は朝7時半から午後１時まで学校へ通っている。実は愚息が通っているValley High Schoolは朝７時半から１１時半までだった。最初は午後のクレジット・リカバー（落とした単位を回復するためのクラス）を取っていたのだが、考えて見ると（考えないとわからんのか！）愚息にはリカバーする科目がないのだ。で、１１時半に終わるという毎日が夏休みのような日々を送っていたのだが、本当の夏休みになった途端、学校にいる時間が長くなったのである。しかも、サマースクールはValley Highではなく愚息が元いた学校。Valley Highでサマースクールをやっても人数が集まらないのだろう。

久しぶりに本物(?)の高校へ行った愚息は・・・「いやぁ、久しぶりに勉強したら、頭が痛くなっちまったぜ！」

お前は今までValley Highで何をしてたんだ！

６月は卒業式のシーズンだ。あちこちで高校の卒業式が行われている。もちろん大学の卒業式も６月に行われるのだが、アメリカでは高校卒業というのはビッグ・イベントなので、テレビのニュースにもなる。何故高校卒業がそれ程ビッグ・イベントなのか。アメリカでは高校を卒業すると一人前と認められるからである。というか・・・ビッグ・イベントにしているのは卒業生ではなく親の方なのではないかと思う。つまり、子供が高校を卒業したということは、扶養義務から解放されたということなのである。そこから先の人生は子供が自分で決める。大学へ行くのも自力で行くのが当然。親から学費を出してもらう場合、肩身が狭い思いをしなければならない。誰に対して？もちろん親に対してである。高校までは親が養うのが当然。子供は大きな顔をして親の世話になれる。反抗反発口答え、何でもあり。ところが高校を卒業してしまうと、反抗も反発も口答えすらできなくなる。「出て行け！」って言えるもんね、親は。

では、実際に高校卒業すれば子供は自立するか、といえば、世の中そんなに甘くない。昔と違い大学へ進学する人の数が増え、奨学金を得るのが難しくなって来ている。おまけに授業料は異常に値上がりしている。アパート借りるにも家賃が馬鹿高い。という訳で、自立して大学へ通っている子なんて、よほど頭の良い子だけ。（フル・スカラーシップを取ると授業料だけでなく生活費まで出してもらえる。）ほとんどは何らかの形で親に援助してもらっている。（２年ほど軍隊へ入るという手もあるが。）でもまぁ、「親に面倒見てもらって当たり前」という子はいないかな？バイトをしていない子もいないようだ。それなりに肩身の狭い思いをしているのだろう。愚息なんぞは今から「僕、お家大好き。母さんも大好きだよ！」と「出て行かない、面倒見てくれ」運動を始めている。

で、愚息の通っているオフィシャル不良高校でも１６日に卒業式が行われた。卒業式は、親が出席できるように夜行われる。（普通の高校も同じ。）なので愚息には関係がなく、普通通りに迎えに行ったのだが、いつもはガラガラの駐車場がとても混んでいる。私が車を止めて待っている間にも、派手にクラクションを鳴らしたり、わざとキィーという音を立てたりして車が入ってくる。なんかもの凄い騒ぎである。セキュリティーや校長先生達もみんな駐車場に出てきている。一体これは何なんだ？！と愚息に聞いてみた。

彼らは・・・１６日をもってオフィシャルにハイスクール・ドロップ・アウトになった連中だったのである。つまり卒業出来なかった連中。しかも１８歳になっているので、高校を卒業するチャンスはもうない。アメリカの高校に留年はないのだ。この先学生を続けようと思ったらアダルト・スクールへ行って高校卒業同等資格というものを取るしかない。が、これは高校卒業資格とは格が違う。が、彼らは決して落ち込んでいるのではない。これ以上学校へ通わなくてよくなったので喜んでいたらしい。親がなんと言おうが、勉強を続ける必要はない。もちろん、この後も親に養ってもらおうなんていう柔な連中でもない。いやぁ、不良君達はたくましいですな。ちなみに、Valley High Schoolの本年度の卒業生はわずか１２名だったそうだ。ほとんどがドロップアウト！

さて、愚息にドラッグ講義をしてくれていた子はその１２人の中の一人だった。結構真面目な子じゃないか！が、彼はこれから・・・２年間刑務所へ行くそうだ。罪状は？もちろん麻薬売買。１８歳になっているから少年院には入れない。が、裁判所が卒業するまで待つように取り計らってくれていたのだそうだ。「寂しくなるなぁ」と愚息はちょっとがっかりしている。

おまけ：最近わかったのだが、お外のクラスの連中、彼らはValley High Schoolの生徒ではなかった。同じキャンパスにいながら、別の名前（何ていうか忘れちゃった）を持つ学校なのだ。彼らは既に高校をキックアウトされているのだが、１８歳になっていないので、高校に戻れる可能性がある連中。そこに在学したまま１８歳になった場合、高校卒業単位を全て取っていても高校卒業資格は貰えない。なんだか変な仕組みだなぁ。

実は今年に入ってからずっと体調が悪かった。去年の１２月に主人が入院したり、父が癌の手術をしたり、今年になってからは愚息が高校をキックアウトされたり、と色々あったものだから、心身ともに疲れているのだろうと思っていた。とにかく身体がだるかったのだ。春になってからは花粉症が加わって頭は重いは目は霞むは・・・で、一月ほど前についにちゃんと立っていることが出来なくなった。頭も割れるように痛み出した。夜は咳が出て眠れなくなってしまった。眠れないと体力も衰え、もう最悪。で、日記の更新もせずにせっせと病院へ通っていたというわけ。
この歳になると、定期健診に加えて乳癌や子宮癌の検査、目の検査、等等色々な検査が加わって、ただでさえ病院に行く回数が増える。加えて血液検査だなんだかんだと、まるで病院めぐりである。おまけに、義歯まで欠けてしまった。厄年かぁ？
こちらでは専門医に診てもらう場合まず主治医の許可が必要だ。主治医の所へ行ってどこそこが悪いと訴えると、主治医が専門医に診てもらった方が良いというリクエストを保険会社に出してくれる。保険会社は許可証を主治医に出して、主治医がそれを専門医へ送り、初めて予約が取れるという何とも面倒なシステムなのだ。（歯科医は別の保険会社だからそういう面倒なことは必要ない。）
そんな訳でここ一月ほど病院巡りをしていたのだが、心臓病とか癌とか肝臓や腎臓が悪いといった深刻な病気ではなかった。要するに歳なんですな。ちょっと早い気もするけれど、所謂成人病のオンパレードという感じではないだろうか。日頃の不摂生がたたったているのだ。
立ってられないのは・・・貧血のせいだということが血液検査で判明した。そう言えば、私は若い頃貧血だったんだ。愚息を産んでから何故か貧血で倒れることがなくなったので、すっかり忘れておった。妊娠すると貧血って治るんかい？（その変わり花粉症や農薬アレルギーになってしまった。）
咳が出るのは喘息か気管支炎ではないだろうか？と医者は言っていたが・・・喘息ではないと思う。気管支炎ともちょっと違うと思う。どちらも経験済みだからわかるのだ。何しろ私は子供の頃小児喘息だった。（私は若い頃、滅茶苦茶身体弱かったのだ。他にも色々ありまっせ！）でも、中学に入った頃から発作が起きなくなった。そう医者に言うと、「喘息は治らない！」と断言されてしまった。でもなぁ、喘息だったらヒーヒーゼーゼーいって呼吸困難になるんだけどなぁ。今はただ咳が出るだけで、呼吸は普通に出来ている。気管支炎には１６年ほど前に罹ったのだが、医者が言うのは、あれも完全には治らないそうなのである。
後、高血圧。これはどうも家系らしい。母も私位の歳から血圧の薬を飲み始めたそうだ。頭痛はやはりアレルギーのせいらしい。
で、一通り検査を終えて、色々と薬を貰って、今は１週間後や1月後の再検査待ち状態。せっせと薬を飲んでいるのだが・・・貰った薬を何気なく数えて見たら、抗生物質も入れて８種類もあった。こんなに薬飲んだら病気になるじゃないか！
ちなみに来週の予定は、月曜日が内科、火曜日が歯科、水曜日が眼科である。

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