日々雑感
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2004年02月17日(火) すべて世は事もなし

今日は久しぶりによく晴れた。川向こうの遠くの木々まではっきりと見える。

郵便配達の自転車がゆっくりと坂道を下ってゆく。屋根の上では小鳥が鳴いている。街角の花壇に黄色と紫のパンジーを植えてゆく男性。その手つきの確かさ、丁寧さ。「すべて世は事もなし」という一節がふと浮かぶ。

夜、荷作り。出発は明日。この街を離れて、しばしの間、違うところへ。


2004年02月14日(土) 土曜日の定番

花屋に水仙の鉢が並んでいる。黄色があまりに鮮やか。冬が過ぎたあと、黄色い花から順番に咲いてゆくのは、ここでも同じか。

土曜日はサッカーの日。夕方、大きなテレビを置いた店では、老いも若きも、女性も男性も集まって観戦中。ガラス張りの店の外では、通りがかりの人が足を止めて中をのぞきこんでいる。試合に動きがあったときには、中からも外からも一斉に、歓声、拍手、あるいはため息。見ると、バイエルン・ミュンヘンの試合だった。

帰宅後、今日はラジオからピアソラのリベルタンゴ。ラジオは、いつ何が流れてくるかわからないところがいい。


2004年02月12日(木) そんな目をしたひと

明るい目をした人と会う。色とか形とか、そういう外的な要因からではなく、ほんとうに「明るい」としか言いようがないのだ。はじめて会ったときから思っていたのだが、今日間近に座って、改めて確認。もっとよく見たかったが、さすがに理由もなく見つめ合うわけにもいかず。あの明るさは、いったいどこから来るのか。

帰宅後、夜、ラジオからスメタナのモルダウ。いつかきっとヴルタヴァ川を見に行こう。遠くにある場所のことばかり考えていた一日。


2004年02月10日(火) 折り返し地点

学校で用事を済ませたあと、映画館にて「王の帰還」鑑賞。2回目だが、見終わったあとの「たまらない」感じは変わらない。終わってゆくもの、去ってゆくものを、しっかりと見据えるというのは、なんて難しいことだろう。

夜、友人からメール。土曜日に共通の友人の結婚式があったのだが、そのときの写真が添付されている。新郎新婦ともほんとうに嬉しそうで、出席者までよい気分になるような式だったらしい。帰ったら、もう一度皆でお祝いをかねた飲み会をしようとある。嬉しい。そして楽しみ。帰って会いたい人がたくさんいる。その反面、帰ったあとのことを考えると、とても怖い。折り返し地点にきて、宙ぶらりんになっているかもしれない。


2004年02月09日(月) いつものやつ

昨日は変な天気だった。明け方、雨。強風。やがて雲間から青空。と思ったら吹雪。さらに雹。雷。夜にはしんしんと降る雪となる。

明けて今日、外は雪景色。先週見かけた黄色のクロッカスはどうしたろう。午後から大学へ行き、最後の試験を受ける。終了後、友人といっしょにピザを食べながら打ち上げ。もう何回も通っているので、店員さんに顔をおぼえられたらしい。注文する前から、にやりと笑って「ヴァイツェン?」と聞かれる。その通り、ヴァイツェンビールにて乾杯。

帰る頃には、また雪となる。バスの中、髪の毛の上に積もった雪がとけて、雫となって落ちてきた。


2004年02月02日(月) ベルリン

週末はベルリンにいた。あそこは、ほんとうに面白い場所だ。映画「ベルリン天使の詩」で天使たちが翼を休めていた戦勝記念塔のてっぺんまで階段をのぼると、うっすらと雪に覆われたベルリンの街が視界いっぱいに広がる。風が強い。混沌と静寂と活気とが混在する不思議なところ。旅の道連れもよかった。ふたりして、どれだけ歩いたろう。公園の中では、リスが目の前を横切っていった。

明けて今日は、朝から雨。空気が暖かい。同じ停留所でバスから降りた人が、歩きながら鼻歌をうたっている。次の角で、すれ違った人もまた鼻歌。寒さも気持ちも、ふと緩んだかのような二月の一日。


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