日々雑感
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2003年02月28日(金) 大ファン

実家でも朝から仕事。場所が変わっただけで、やっていることは同じだ。

松井がオープン戦でホームランを打ったというニュース。母親はテレビの前に座り込んで、すごい、素敵、としきりに頷いている。松井が好きだったのかと尋ねると、大ファンだということ。知らなかった。

夜、遠くで鉄橋を渡る終列車の音がする。なつかしい思いでその音を聞く。


2003年02月27日(木) 春は名のみの

帰省。今回は、友人とチワワのナーちゃんもいっしょだ。

東京駅へと向かう地下鉄の中では不安げだったナーちゃんも、新幹線に乗り込むと落ち着いたらしく、座席の隅にすっぽりとはまりこんで居心地良さそうに目を閉じる。人間ふたりは、駅弁にアイスクリームまで買い込んで遠足気分だ。

ナーちゃんは、ときおり思い出したように窓の外を見る。両足をかけて、流れてゆく景色を眺めている。暮れ方の空。岩手に入った頃には雪景色となる。

暗くなってから降り立った駅のホームはとにかく寒い。手袋なしの指先が冷たくて痛い。東京ではのんびりと梅の花など見ていたけれど、こちらはまだ雪とストーブの季節なのだ。そんな中でも、ナーちゃんは小さな尻尾をぶんぶん振って元気。たのもしい。


2003年02月26日(水) 「バティニョールおじさん」

新宿にて映画「バティニョールおじさん」観る。水曜は1000円均一ということで人が多い。

ナチス占領下のパリ、肉屋を営むバティニョールが、ひょんなことから隣人だったユダヤ人の少年を匿い、やがてスイスへの逃亡を手助けをすることになる。悲しいことも、おかしいことも、大げさにではなく淡々と描れてゆく。チラシには「感動作」と書かれていたけれど、感動というのは「よかった」ときっぱり言えるようなものとは限らず、よいとか悪いとか形にできないにせよ、何か気持ちが深く揺れるようなものでもあるのだ。そんなことを思い出した作品。

「バティニョールおじさん」公式ページ

そのまま紀伊国屋書店に寄り道。洋書コーナーにて、イタリアで発行されているACミランの公式雑誌を発見、立ち読みする。ほしかったけれど、洋雑誌は何しろ高い。そのミランは、昨日モスクワでの試合に勝って、チャンピオンズ・リーグ2次予選勝ち抜け決定。嬉しい。そのおかげで、今日は朝から機嫌よし。巨人が勝った日は機嫌も気前もよかった祖父を思い出す。皆してからかっていたけれども、その気持ち、今はよくわかる。


2003年02月25日(火) 「マーサの幸せレシピ」

世田谷線に乗る。世田谷線は家々の間をゆっくり走る。窓辺に並べられた鉢植え、洗濯物、庭の中の梅の木。空の高いところに薄い雲がある。春の気配のする夕方。

下高井戸にて映画「マーサの幸せレシピ」を観る。駅のすぐそばにある下高井戸シネマは、こじんまりとして居心地よく、少し前に上映していた映画をゆっくり観られるので愛用している。

ドイツの港街、ハンブルクにてシェフとして働くマーサは事故で母親を亡くした姪をひきとり、いっしょに暮らし始める。なかなか心を開いてくれない姪、「何かが足りない」と言われ、けれども自分ではそれが何かわからない仕事。ひとりで肩肘はりながら生きてきたマーサが、新しく同僚となったイタリア人シェフのマリオや姪のリナとの関わりを通して変わってゆく様子が、何か親しい友人の姿を見ているようで「よかったねえ」としみじみ思ってしまう。人にとって大事なものはそれぞれ違うだろうけれど、皆が、自分にとっての「大事なもの」が何であるのかにしっかり気づけるとよいのに。

いろいろな料理が手際よく作られていく厨房のシーンには惚れ惚れした。キース・ジャレットの音楽もまたよし。

「マーサの幸せレシピ」公式ページ

帰宅して夜は湯豆腐。鱈も入れる。


2003年02月24日(月) みぞれとビール

朝からの雨はみぞれとなる。みぞれは「降る」というより「落ちてくる」という感じがする。

ここのところずっと気に掛かっていた仕事がひとつ終わる。嬉しくて、その足で本屋、CD屋を徘徊。買わずとも、本の背表紙やCDのジャケットなど見て歩くだけで楽しい。すっかり気分がよくなって、寒いというのに缶ビールまで買って帰宅する。

寒い日のビールもまたよし。足元はコタツであたたかい。


2003年02月23日(日) 変わり続ける

自分が書いたものを読み返すことはほとんどないのだが、思い立って、昨年の今頃の日記を開いてみる。

とにかく、一日分の量が多い。ずいぶん饒舌な感じがする。一年前の自分なのに、まるで知らない誰かを見ているみたいだ。特別な何かがなくとも、また、意識してなくとも、人は日々変わり続けてゆくのだろうか。昨年の自分と今年の自分はたしかに違うし、来年の自分もきっと違う。

花屋に桃の花が並ぶ。梅、桃、桜。春の花の中で、桃がいちばん艶やかだと思う。


2003年02月22日(土) いつの間にか

しきりにカラスが鳴いている。曇り空の朝だ。

拡声器を通して誰かが何かを話している。犬が吠える。遠くに車の音もする。部屋の中にいながらも、いろんな音がここまで届く。

仕事はかどらず。机を前にうとうとしかけていたら新聞の集金に起こされる。気を取り直して作業を再開するも、やはり進まない。ぼんやりとした空気の日。いつの間にか夜になる。


2003年02月21日(金) 不言実行

昨晩はテレビでサッカー、チャンピオンズリーグのユベントス対マンチェスター・Uを観戦。時間は遅いし、録画だし、さわりだけ観て寝ようかと思っていたのだが、面白くて結局最後まで観てしまう。

ユベントスはレギュラーのほとんどがインフルエンザのため欠場、ユースなどから何とか選手をかき集めてきたという状態。しかし、フルメンバーのマンチェスター・Uを相手に、互角か、むしろ押し気味の試合運びである。特に、チェコ代表・ネドヴェドがすごい。まるで一陣の風が吹くようにピッチのあらゆる場所に現れてはチャンスを作り出す。激しいタックルを受けても文句も言わずに立ち上がっては、また走り出す。90分フルに走り回ったあげく、後半ロスタイムには自らゴール。「不言実行」を体現するようなタフな男、ネドヴェド。その精神力といい、インフルエンザ蔓延の中でもピンピンしている丈夫さといい、素敵だ。今回の試合を観てすっかり好きになった。

よく晴れた一日。日の光にあたたまった土の匂いがする。


2003年02月20日(木) ざわめく音

雨の匂いのする日。ときおり、思い出したようにぱらぱらと降ってくる。

古本屋の百円コーナーにて『ヨーロッパ退屈日記』伊丹十三(文春文庫)を買う。最近ある雑誌で特集されていたのを見て、ちょうど読んでみたいと思っていたところ。他に『ロビン・フッド物語』上野美子(岩波新書)も購入。

夕方、晴れ間がのぞく。暗くなってから外へ出ると夜空には星。雨のあとで空気が澄んでいるのか、ずいぶん小さな星までよく見える。風が強い。空の端っこのほうで、雲が流されてゆく。木々がざわめく音がする。


2003年02月19日(水) 再開

サッカー、欧州チャンピオンズ・リーグ再開。テレビ放送はWOWOWのみということで試合は観られないのだが、いつものようにネットにて結果を知る。

バルセロナ対インテルは、3−0でバルセロナの圧勝。どちらにも特に思い入れがあるわけではないけれども、UEFAサイトのハイライトで観たバルセロナ、サビオラがとにかくすごい。朝から何度も繰り返し観てしまう。自宅にスカパーやらWOWOWやらを入れた暁には、ひたすらサッカー中継ばかり観ていてそうで自分でも怖い。

午後からバイト先へ。2月は繁忙期だ。締め切りの時間ぎりぎりに届け物をして、会社から外へ出ると、ちょうど日の暮れかけ。向こうまで長く延びた線路が夕陽に光る。いろんなものの輪郭が、だんだんとやわらかくなってきた気がする。


2003年02月18日(火) 消えてしまった

梅の木が消えた。近所の一角、家を取り壊しているなかで、梅の木だけは切られずに残っていることに安心していたのだが、今朝になって、なくなっているのに気づく。がらんとした跡地。

切られたのか、どこか他の場所へ移されたのかはわからない。毎年、いちばんはじめに花が咲く梅の木。もう何年もその木の下を歩いてきた。春を知る標だったのだ。いつまでも変わらずにそこにあると思っていたものが、一夜にして消えた。

夜、友人宅にてお茶。急須で入れてくれた「蕗茶」は香ばしくて美味しい。お茶請けは漬物。


2003年02月17日(月) お国言葉

高知出身の友人と久々に会う。後からもうひとり、彼女と同郷の人がやって来たのだが、そのとたんにふたりして土佐弁になる。

生粋の土佐弁を直に耳にするのは初めて。聞きながら惚れ惚れしてしまう。お国言葉というのは、それがどこのものであってもよいものだ。土地の言葉がぽろりと出るとき、どこか深いところから、ふだん見ることのないその人の生の表情が垣間見えるような気がする。

夜、ほうじ茶を飲みながら仕事。温かいお茶が嬉しい季節はまだつづく。


2003年02月16日(日) スタジアム帰り

国立競技場にてサッカー観戦。A3マツダ・チャンピオンズカップ。

朝からの雨は試合開始後もやむ気配なく、レインコート、マフラー、携帯カイロなどの装備も役に立たず。1試合目が終わる頃には指先の感覚もなくなる。2試合目開始までには2時間あるということで、すっかり冷えた身体を温めるべく地下鉄で移動して銭湯へ。お湯につかって、ようやく人心地つく。

銭湯効果に加えて雨が上がったこともあり、2試合目の中国・大連実徳対鹿島アントラーズは集中して観戦。ナイターの雰囲気はやっぱりいい。どちらも攻める気満々の試合で面白かった。堪能する。

帰り、鹿島アントラーズの応援の歌や掛け声がぐるぐる回る。スタジアムの熱気をそのまま抱えて歩きながら、明日が日曜日ならばよかったのにと思う。夜空には月。


2003年02月15日(土) その街

先週いっぱい駆け足で過ごしてきたけれども、頑張って張っていた糸がぷつりと切れたように、気の抜けた一日。外は晴れ。

人と会う用事ができたり、通りでばったり友人と会ったり、抜け道をおぼえたり、電車の乗り換えに詳しくなったり、そんなふうにして、どこかの街が「自分の街」になってゆく。東京暮らしもずいぶん長くなった。これから、人も道も何も知らないどこかの街へ行ったとして、どんなふうにして自分はやってゆくだろう。そんなことを考えながら、ぼんやりと過ごす。

夜、銭湯へ。中途半端な時間だったせいか、広い浴場にひとりだけの貸し切り状態となる。湯舟にもつかり放題。


2003年02月14日(金) 境い目

また一軒、古い家の取り壊しが始まった。近所の路地裏の角だ。今年いちばんに咲いた梅の木がある家。大きな音をたてて、屋根が、壁が、解体されてゆく。その傍らで、梅の花はますます紅い。

夜、新大久保のスタジオにて踊りの練習の見学。南米とバルカンのダンサー同士の交流は着々と進行中。今までまったく別々に活動してきた者同士が接する、その境い目にいられるのは楽しく、そして嬉しい。


2003年02月13日(木) ここに地終わり、海始まる

友人とコーヒーを飲みつつ、ふとしたことからポルトガルの話になる。「沢木耕太郎が『深夜特急』で最後に行ったのがポルトガルで」などと言いながら、つい最近、まったく同じような話を別の人としたことを思い出す。

沢木耕太郎は、ポルトガル・ロカ岬で長い旅の終わりを決心した。ユーラシア大陸最西端の岬。そこにある石碑には次のような詩の一節が刻まれているという。「AQUI ONDE E TERRA SE ACABA E O MAR COMECA(ここに地終わり、海始まる)」。

なぜだかポルトガルにはずっと行ってみたいと思っていた。そろそろ、その「時期」が近づいてきたのかと勝手に解釈。ロカ岬、きっと行こう。

夜、渋谷にて讃岐うどんを食べる。安くて美味いと最近評判のお店。大勢の人が丼を載せたトレイを抱えて右往左往する店内、どこかに似ていると思ったら、これは学食の空気だ。ただし、うどんはこちらのほうがずっと美味い。



2003年02月12日(水) とんぼがえり

風が強い日。また寒くなる。

家の中ではなかなか作業が進まず、近所の喫茶店へ。いつもは飲み物だけなのだが、今日は奮発してランチセットを注文する。ほうれん草とミートソースのパスタにサラダ、小さいチョコレートプリンまでついている。久しぶりに充実した食事だ。

よい気分で食べ終わり、さあ、やるかと仕事道具を取り出そうとしたところ、鞄の中は空っぽ。やってしまった。結局、食事だけして部屋に戻る。観念してコタツにあたりながら仕事。

夜、NHKで再放送中の「シルクロード」を観ていると、いきなり司馬遼太郎氏が画面に現れる。この番組に司馬さんが出ていたとは全然知らなかった。おぼえていたのは、オープニングのラクダとテーマ曲ばかり。


2003年02月11日(火) お隣りさん

小雨降る一日。傘をさしても、ほとんど音がしないような雨だ。

部屋にいるときは、相変わらずネットラジオを聞いている。外国語流しっ放しの中で、そこだけよくわかるのはサッカーのニュースと天気予報だ。あとは時報。天気予報では、国内だけでなく、必ずヨーロッパ全体の天気を伝えている。ヨーロッパにおける国同士の「お隣りさん」感覚というのは、こちらで想像している以上に強いのかもしれない。

夜、スペインに行っていた友人がお土産を届けてくれる。レアル・マドリードのボールペンである。嬉しくて、キャップを開けたり閉めたりしてしまう。


2003年02月10日(月) お出かけ日和

昨日東京にやってきた友人は今日帰る。正午の新幹線に乗る前に、ふたりして新宿は都庁の展望室へ行く。月曜午前中にもかかわらず、大きな鞄を持った旅行者や家族連れなどで、なかなかの人出。日の光が入って暖かく、ざわざわしているのにどこかのどかで、小さい頃によく通ったデパートの空気に似ている。家族での「お出かけ」の空気か。

同じ都庁内の健康情報館にて体脂肪など計って愕然としたあと、見送りがてら中央線で東京駅まで。川向こうにぼうっと霞んで梅が咲く。友人が帰ってゆく地元の町では、梅が咲くのはもう少し先だ。

本屋にて、文庫になった『庭のつるばら』庄野潤三(新潮文庫)買う。久々に読む庄野節がうれしい。



2003年02月09日(日) 春の匂い

友人が上京してくるということで、あわてて部屋の掃除。布団を干す。窓も開ける。通りの向こうで白梅が咲いている。

いろんなものの気配が溶け出してきたような春の空気の匂いだ。この匂いがすると気持ちがざわざわしてくる。どんな方向にであれ、とにかく何かが動き出す季節である。

なぜだか眠い。冬眠からさめる間際の動物のように、夢うつつの日々。


2003年02月08日(土) 電気ブラン

昨日は浅草、神谷バーで電気ブランを飲んだ。強くて甘く、飲んだあとに唇がピリピリするお酒だ。「オヤジ」というよりは「おじさま」といった感じの人びとが集っている店。カーテン越しに夜の浅草の灯りが透けて見える。

一夜明けて、晴れてはいるがぼんやりとした空。一日中資料や書類と格闘、本やら何やらに逃避せぬよう近くの喫茶店へ。居眠りこそしないが、窓の外を見ながら、やはりぼうっとしてしまう。通りを行く人たちもだいぶ薄着になった。

空気の匂いだけ春めいてきている。夜、雨になる。


2003年02月06日(木) 持つべきものは

ここにきて、いろんな用事が一気に押し寄せる。今までさぼっていた分のツケもある。何から手をつけていいかわからず、ほとんどパニック状態のようになる。

夜、友人と会う。待ち合わせ場所へと向かう電車の中でも、次はあれをして、そのあとはこれで、などと「やるべきこと」のリストで頭がいっぱいいっぱい。それが、友人と会ったとたんに全部消えてすっと楽になる。コーヒー飲みながらひとしきり話し、電車の中で別れ、ひとりになったときに、ようやく「忘れていた」ことに気づいたくらいだ。不思議。そして爽快。

夜はまだ寒い。マフラーぐるぐる巻きで帰り道を急ぐ。


2003年02月05日(水) 「マルメロの陽光」

アテネ・フランセ文化センターにて映画「マルメロの陽光」観る。

語学学校である「アテネ・フランセ」の中ということで、同じ階には授業用の教室も並んでいる。人のいない教室。チョークが置かれた黒板。くすんだ色をした厚いカーテン。リノリウムの床に落ちる影。廊下の向こうからざわめきが聞こえ、薄暗い階段では足音が大きく響く。高校の古い校舎とよく似た匂いがする。

スペインはマドリードを舞台に、自分で植えたマルメロの実の絵を描こうとする画家の姿を追った作品。日の光を受けて黄金色にたわんでいたマルメロの実は、秋が過ぎ、やがて冬が来て、ある日ぽとりと地に落ちる。そのときの画家の表情が頭から離れず。

マルメロはスペイン語ではメンブリージョ。かりんの親戚だという。


2003年02月04日(火) いっぱいいっぱい

喫茶店の窓際の席、ガラス越しに日の光が入る。日なたの匂い。本を開きながらも気持ちよくて、うとうとしてしまう。

外国語をおぼえるには、とにかくその言葉を流しっ放しにして耳を慣らすのがよいと言うので、最近は部屋にいるときはネットラジオをつけている。しかし、「流しっ放し」はよいけれども、意識して聞いているわけでなくとも、日本語を書いたり、読んだりという作業がすんなり進まないのだ。日本語ならばラジオやテレビが流れていてもまったく気にならないし、外国語でも音楽の場合は問題ないのに不思議だ(言葉と音楽とでは、聞くときに使う部分が違うのか?)

あるいは、言葉に対しては、自分の表面の意識とは別に身体のどこかが必ず集中しているということか。慣れない言語と日本語とを両立すべく、その「どこか」がいっぱいいっぱいになっているんだろう。そのうち鍛えられるだろうか。何しろ、今はまだ自分の中でふたつの言語がぶつかりあって、ぎしぎしいっている最中である。

明日の天気予報、東京にも雪マークがついている。立春だというのに。


2003年02月03日(月) 春はまだか

節分。路地裏の梅の花も次々と開いてゆく。

スーパーにて豆購入。いちおう節分のために、しかし、実際はビールのおつまみ用。夜、フジテレビの「マンデー・フットボール」を観ながら豆を食べる。これと金曜夜の「セリエAダイジェスト」が毎週の楽しみだ。

春はまだか。そんな曲をつくったのは奥田民生だったか。


2003年02月02日(日) 「僕のスウィング」

渋谷にて映画「僕のスウィング」観る。祖母の家に預けられたひとりの少年が、ジプシーのギターと、黒い大きな瞳をした少女と出会う。そのひと夏の物語。

とにかく音楽がいい。全編に流れるのは「マヌーシュ・スウィング」。スウィング・ジャズをジプシー的に解釈したものであり、そこにユダヤやケルトの音楽も混じりこんでいる。

「ラッチョ・ドローム」「ベンゴ」など、ロマの人びとを撮り続けてきたこの監督ならではの視点とか、いろいろ思うところはあるけれども、とりあえずは音楽と、夏のきらきらした光があれば十分。一度きりだからこその、ひと夏のかけがえのない輝き。よい映画だった。

「僕のスウィング」公式ページ
「僕のスウィング」サントラ

映画館を出たあと、いっしょに行った友人と居酒屋へ。その後たこ焼き、さらに喫茶店でチョコレート・サンデー。さすがに少し気持ち悪くなる。


2003年02月01日(土) 「SUPER 8」

下高井戸にて映画「SUPER 8」観る。「アンダーグラウンド」の監督であるエミール・クストリッツァ属するバルカン・バンド、「ノー・スモーキング・オーケストラ」を追ったロード・ムービー。

「バルカン諸国を発祥とし2/4拍子に濃縮された、レゲエ以後に生まれた最も重要な音楽」と彼らが言う「Unza Unza(ウンザ・ウンザ)」のリズムにのって、楽器を持った男たちが、笑い、踊り、ケンカし、ヨーロッパ中を駆け抜ける。その勢いにこちらも巻き込まれ、呑み込まれて、怒涛のような1時間半。

ジャズ、スカ、パンク、クラシック、そしてジプシー音楽、あらゆるものを受け入れた音楽のエネルギー。「枠組なんていったい何だ!」という気持ちになる。最後の場面、サラエボ市街を流れる川の上、空爆によって壊された橋の下を、小舟に乗ってアコーディオン弾きのメンバーが行く。なぜ彼は楽器を弾くのか。「人生は美しいと思い込むために」。

帰りの電車。駅からの夜道。「ウンザ・ウンザ」のリズムがまわる。


「SUPER 8」公式ページ


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