恋愛日記



 家出。

医者嫌いなあたしが行った病院の先生は
女医さんが居て。
予約をする際、もちろんその方にお願いしたのですが
正解でした。
30代前半の綺麗でさばさばしたお姉さん。
今まで数々の病院を回ったけれど
そんな人は一人も居なかった。
ここなら通えると思った。

その夜、
幼い頃からの数々のことを彼に話すと
黙って全てを聞いてくれて、
あたしの名前の由来や、
親の素行に憤って
全てを否定して、
今まで溜めていたこと
汚らしいドロドロとした澱
トラウマの尻尾
根を張って染み付いている樹を
全部引っこ抜いて
あたしを攫ってくれました。

涙が出て
止まらなくて
あたしは彼の胸の中に身を預けるしか
術は無かったのです。

あたしは明日から横須賀で暮らします。
歩いて海が見える距離。
親と会いたくないから、
家にいたくないから、
でもどこへ行けばいいのか分からなくて
家から出たくなくて
ぐるぐる同じところを彷徨っていたところを
彼が連れ出してくれます。

ただ、妹のことが心配です。


2007年02月22日(木)



 夢。

夢を見た。
あなたと手を繋いで
なんだかふわふわ浮いているみたいで。

パステルカラーのグリーンベースの草原を
淡い色したピンクや黄色の花が踊る。
亜麻色の店を目指して道を歩いた。

あたしたちは
『しあわせになるもの』を
買いに行っているのだ。

扉を開け、店主に話すあなた。
あたしは呆っとしていた。
「…高ぇよ!」
あなたがそう呟いた所で目が覚めた。


起きたときに思ったのは、
『しあわせになるもの』ってなんだろうってこと。
隣で眠るあなたがいて、
夢で見た綺麗な風景と、
手を繋いでいたあの瞬間が
なによりも幸せなのに。
これ以上の幸せを求めるのなら
そりゃあ高い。
きっとあたしには手が届かないくらいの金額だったんだろう、と。
既に幸せなのに、
もっとと思うから、手に入らないのだと。

だからきっと、『しあわせになるもの』を買いに行ったのは、
あたしの為じゃなく
あなたの為。


とても綺麗な夢を見た。
あなたの眠る横で。

2007年02月19日(月)



 想。

5日ぶりに見た彼の顔は、
酷く疲れていて、
仕事忙しいの?と聞けば
あたしのことで悩んでいたそう。

あたしの病気を理解しようと、
調べていてくれたみたい。

彼からのメールはいつも、
別れのためじゃなく、
これからも一緒にいるために
考えてくれるものばかり。

ねえ、
あたしはあなたの足枷になっていませんか?
それだけが心配です。

言葉を胸に仕舞い込めば、
彼は
お前のことだけが心配だよ、と
言いました。

2007年02月18日(日)



 家。

あたしの家は、彼です。

家という定義を
建築物という枠から外せば、
正しくそれが答えです。

年々、家族が暮らす場所は
あたしにとって居づらいものへと変化しています。
母はどんどん妹へ対応が偏ってきます。
それを敏感に察知していたのは、
あたしじゃなく
彼のほうからだったのかもしれません。

家では気を強くして、
虚勢を張っていて、
そんなあたしを見て彼は気付きました。

涙が出ました。

以前、お前にとって俺は何?
と聞かれたことがあります。
あたしは泣きながら
『心の宿り木』と言いました。
その時彼は、彼氏だろ!と笑って言いましたが、
あたしにとってあなたは
彼氏であり、家であり、宿り木であって
あたしを包む全てなのです。

あたしが外へ目を向けて、
一人で立てるようになるには、
あなたからも卒業しなくてはいけないのでしょうか。
それは違うと、思いたいです。

2007年02月17日(土)



 病。

一昨日、体調を崩した。
久し振りに乗った車に酔って、
胃液を吐いてその後、熱が出て寝込んだ。

平熱が35度ジャストのあたしは、
夏でもアイスノンみたいだから、
36度7分もあれば高熱だ。

それから立て続けに、
鬱が来た。

もう、これ以上この病気と付き合っていたら
もし、この先
子供ができても良い母親にはなれるまい。

だから
あたしは仕事を辞めて
病気を治すことに集中する。

あたしの為じゃなく、
一緒にいてくれる
あの人のために。

2007年02月15日(木)
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