Opportunity knocks
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2004年12月31日(金) 今年も終わり

振りかえってみれば一年、やっぱり早かった。
飛び去るように過ぎていく時間の中でわたしはいったい何を残す事ができたのだろうと、そんなことを考えながら年末を迎えている。


「映画」

良い映画というのは、やはり確実に頭の中に残っていく映画だとおもう。
そう言う意味で今年のベストを10本挙げてみた。

2046
申し分なし。想像の余地を限りなく与えてくれる映画。

25th hour
エドワード・ノートンが素晴らしい。人生のある瞬間がその人にとってどれだけの意味を持っているかということを問いかけた映画。

elephant
気だるく流れていく日常、その先にあるものは何なのか。なぜわたしは人を殺さないのか。いろんなことを考えさせられた。

欲望の翼
さまよう足元、冷たく光るアスファルト、そんな描写ひとつひとつがいつまでも印象に残っている。

ロスト・イン・トランスレーション
いつかどこかで感じた感覚、郷愁、感傷、現実。いろんなことを思い出させてくれた映画。

過去のない男
理屈なく好き。カティ・オウティネンみたいな雰囲気になれたらいいなあ。

美しい夏、キリシマ
静と動をうまく使い分けた演出や、戦時の人々の心情を繊細にえがいたところなど、良い作品だなあとおもう。

21grams
人生は偶然か必然なのか。選び取っていくものなのか、否応なく受け入れていくものなのか。それは誰にもわからないのかもしれない。

誰も知らない
当たり前に生きている社会の中で、虐げられながら生きていく子どもたちがいることをあらためて認識した。そんな世の中なんだ。

恋の門
単純に楽しい映画だった。ビデオがでたらたぶん間違いなくまたみるとおもう(笑


「本」

やっぱりあまり読めなかった。一年のはじめは時間がいくらでもあるような気がして、100冊くらい簡単に読めそうな気がするのだけど、現実はというとやっと35冊あまり。月に3冊というペース。しかもあまりジャンルを広げて読んでるわけでもなく、相変わらず好きなものしか手を伸ばしていない。来年は新書や海外文学、古典など、もうちょっといろいろなものを意欲的に読もうと思う。
数少ない中からベスト10

ボディ・アーティスト   
 ドン・デリーロ     圧倒的な存在感。言葉の強さをあらためて感じた。

白の闇   
 ジョゼ・サラマーゴ   恐るべき寓話。白の闇の世界がかなり後をひいた。

戦争の世紀を超えて    
 姜尚中 森達也     戦争のメカニズムを考えるきっかけになった。

カフカ事典
 池内紀 若林恵     まさに事典というべき本。カフカまた読んでみたい。

ランド・マーク
 吉田修一        静かなトーンなのに、背後に不気味な潮流を感じる。


午後の曳航
 三島由紀夫       なんとか読めるようになったという記念として。

トゥルー・ストーリーズ
 ポール・オースター   真実はいつも大きく人の心を揺さぶる。

ナイン・ストーリーズ
 J・D・サリンジャー   好きなのかよくわからないけど、時々文章を思い出したりする。

日本の面影
 ラフカディオ・ハーン  外国人からみた日本。第三者的見地が面白い。

神様のボート
 江国香織        読んでる間中、ほんとうに何かに乗りながら漂っているような気がした。


「音楽」

音楽に関しては小説や映画よりももっとさらに後退している気がする。
ほとんどクラシックやジャズ、ボサノヴァなど、もとから家にあるものばかり聴いていた。ほとんどCD買わなかった気がする。
その中でも比較的よく聴いていたもの。

♭5
 パリスマッチ        透明感のある歌声が好き。

TENOR MADNESS
 ソニー・ローリンズ     どこまでもクール。

BLACK COFFEE
 ペギー・リー        乾いた土のような雰囲気が良い

WE GET REQUESTS
 オスカー・ピーターソン   Time and Againが好き。

サンボマスター
 月に咲く花のようになるの  元気をもらった。

PLAY MISTY
 エロル・ガーナー      これを聴きながらよく本読みしたなあ。


とこんな感じです。
展覧会などはまだまだべストをあげるほど見る余裕はなくて少しさびしいので、来年はもう少し意識的に足を運びたいと思う。


     



2004年12月24日(金) 2日目

9時20分起床・・・早起きするはずだったのでは
と自分にツッコミを入れつつ朝食&身支度。

今日はレンタカーを借りる予定だったので、ホテルをでてレンタカーのお店に向かう。のは良いのだけど、予約でいっぱいで空いている車がないとのこと。何軒かまわってBudetでやっと1台確保。ほんとうは小さ目の車が良かったのだけど、大きいものしかない空いていないとのことなのでフォードのミニバンを借りることにした。車内は広くてなかなか良さそうな車…なのだけど、右側通行左ハンドル、加えてコラムチェンジということで連れ合いはかなり大変そう。
手続きが済んで、ようやく発車。

連「あー運転しにくい。でも昔はもっと頭の切り替え早かったよなあ。年とったってことかなあ。いやだなあ。あーやだやだ…」

となどとぶつぶついっていたがわたしとコドモは気楽なもので、

コ「あ!Kマート発見、ヴィッツ(日本車)発見!」
N「あーあれなんていう山かなあーダイアモンドヘッドー?」

など至極無邪気。





ワイキキをでてH-1からR72へ。20分くらい走ると、ハナウマ湾へ入る道が見えてくる。ちょっと寄ってみようと行きかけたら駐車場がですでにいっぱいの様子。FULLと書いた看板を持ったおじさんが「もういっぱいなの!入っちゃダメなの!」とでもいうように首を大きく横に振っている。あきらめてR72へ戻る。
島の北側に良いビーチがあると聞いたので今日はそっちの方にいくことにする。
またしばらく走っていくと、東のはずれのマカプウ岬にでる。








うまく言えないくらいすごい場所。すいこまれそうな海の色や火山島特有の隆起した岩肌、荒涼とした岩肌などみていてあきない。
数万年もの(たぶん)昔、この場所はたしかに刻々と変化しながら生きていて、そして今なにもかもが終わった場所にわたしはいるんだなあと、景色を眺めながらそんなことを考えた。波の音や車の音、人の話し声などいろんな音がきこえるのに、なぜかしんとした静けさを感じて、だからそんなことを思ったのかもしれない。

マカプウ岬をでてまたしばらく海沿いの道を走る。ハワイというとワイキキをはじめリゾートというイメージが強くあるけれど、いったんそういう場所を離れるとごくごく普通の景色なんかが当たり前のようにあらわれる。小学校とか、幼稚園とか、スーパーマーケットとか、ごく普通の人達がごく普通に生活を営んでいる日常の風景。庭の手入れが行き届いた立派な家が建ち並ぶ一角もあれば、荒れ果てたような家が鬱々と続く通りもある。それぞれの場所にはそれぞれの雰囲気がありそれぞれの日常がある。そういうものにやっぱり目がいってしまう。

そんな感じでずっと車窓に釘付けのまま、カイルアというところに到着。
ビーチの近くに車をとめる。ちょうどお昼になっていたので「Bazz‘s」というお店でランチ。お店のおすすめのハンバーガーとコーラを注文する。ハンバーガーの専門のお店らしくて、ハンバーガーはもちろん、付け合せにでてきたポテトチップスとピクルスもとてもおいしい。
ランチのあと、5分ほど歩いてビーチへいく。日差しが少し弱く風が強かったので海に入るのはあきらめて、のんびり砂浜を散歩したり、芝生の上(ビーチの所々にある)腰掛けて海を眺めたりする。時間がゆっくり流れていくような気がする。








そうこうしているうちにだいぶ日が傾いてきたので、そろそろビーチをでて車に戻る事にする。ダウンタウンの方へもどるべくR61からH-3に入って山を縦断する形で島の反対側へ向かう。
山の中を40分ほど走って島の反対側のH-1へ出る。コドモがアリゾナ記念館にいきたいというので、フリーウェイをでて一般道に入り、パールハーバー方面という標識を頼りにしばらくうろうろ。方向は間違っていないとは思うのだけどなぜかそれらしき建物が見えてこない。なんだか同じ所をぐるぐるまわっているような気がしなくもない。
しばらくそんなふうに走っていたら、前方にスーパーマーケットらしき建物。
誰かに道をきいてみよう、ということで駐車場に車を入れる。
そうして連れ合いが道を聞いている間、わたしとコドモはマーケットの中を探索。地元の人が使うこじんまりしたマーケットであるらしく置いてある物はごく普通の一般的なものばかり。といってもポリタンクのような入物にコーラが入っていたり、バケツが冷凍庫に!と思ったらアイスクリームだったり、くだもの野菜が山積みされていたり、大人の頭ほどの肉のかたまりがごろごろならべられていたり見ていてあきない。
しばらく店内を見てまわったあと、連れ合いと一緒に車に戻る。もうだいじょうぶ、完璧にわかったと連れ合い。「ほんとうにだいじょうぶー?」とふたりで合唱。するとしばらくしてそれらしき建物が前方に見えてきた。さすが一家の大黒柱!さすが縁の下の力持ち!(?)と拍手。


アリゾナメモリアルは日本軍の真珠湾攻撃によって撃沈された戦艦アリゾナと戦死した兵士たちを弔うために建てられた記念館。日本人はあまり見かけなくて、やはりアメリカ人が多い。手荷物は持って入ることができない等、セキュリティも結構厳しくて、観光地といった雰囲気はほとんどみられない。、
連れ合いは二度目の来館らしいのだけど(8年ぶり)前ここにきたとき、アメリカ人にこの記念館をどう思うか、と聞かれたらしい。そういうのって、英語でとなるとやっぱり難しいだろうなあと思う。






展示してあった新聞のDAY OF PAINという見出しをみて、ああここはそういうアメリカ人の痛みを確認する場所なんだなということを思った。でもいまなお続く対イラク問題のことを考えると少し複雑な気持ちがした。ここはたぶん戦争を否定する場所ではないと、そう思ったからかもしれない。








アリゾナメモリアルを出ると、もうだいぶ日が暮れかかっていた。
もっといろんなところを周りたいところだけど、運転に疲れた連れ合いがもうワイキキに戻ろうよ、と哀れな声で言うので、帰ることに。
H-1に乗ってワイキキに戻り、Padetに車を返す。とっても楽しくて有意義なドライブだった。
ホテルに戻って着替えた後、カラカウア通り周辺を散歩しながら買い物したり、モアナサーフライダーのツリーのイルミネーションに見惚れたりしながら歩く。

夕食は連れ合いとコドモがカリフォルニア巻きを食べたいというので日本食のお店へ。
日系の方がやっているお店らしくて、お店の人はみんな流暢に日本語を話している。味の方もとてもおいしかった。
店をでたあと、ぶらぶらしながら早めにホテルにもどる。
一日ずっと動いていたので夜くらいはゆっくりすることにする。
テラス(ハワイではラナイというらしい)にでて夜景を眺めたり、ベッドに寝転んで本を読んだり、友達に葉書を書いたり。

昼間行ったスーパーマーケットで買ったバナナを食べる。日本でたべるバナナと全く違う味がした。ちょっとそこに生えていた木からむしってきましたというような野性的な味。甘酸っぱくてなぜか懐かしいような味がした。おいしかった。

そんな感じで2日目が終わった。


2004年12月23日(木) 一日目

朝。
午後遅くの飛行機なので余裕で寝坊。
10時くらいに起き出してやっと朝ご飯。
最後のパッキングをして、12時半に家をでる。
関空出発なので、近鉄電車にのって大阪まで。電車に揺られて3時間余りようやく難波駅着。
南海電車に乗って関空までいくのだけど、予定より早く着いたので少し戎橋周辺をぶらぶらする。
焼き蟹やたこ焼きなんかをたべる。
イブを前にしてさざめいている街を眺めながら、あーこれから遠くへ行くんだなとぼんやりしたりして、
そんな自分がなんだか可笑しかった。

そんな感じで時間をつぶしているうちに日が暮れてきたので、
難波駅にもどり南海電車に乗って関空へ向かう。
だいたい快速で45分あまりの道のり。
難波駅を出たときは満員だった車内も関空に近づくに連れてしだいにまばらになり、
ついた頃にはわたし達を含めて数人だけになった。
なんだか銀河鉄道999みたいな雰囲気。

空港ロビーに入り、スーツケースを預けて、出国手続きをする。
機内食が不味かったときのために、スタバでクリームチーズのパストラミサンドと
チョコレートマフィンとミネラルウォーターを買う。

搭乗アナウンスが流れたので機内へ。NW15便。
席は通路側から中央に向かって三つ。窓際がよかったなあとコドモ。
それでも、はじめての(アメリカに行った時の記憶は殆どないらしい)飛行機、海外、ということで、周囲をきょろきょろ眺めたり、
機内放送用のヘッドホンをためしてみたりと好奇心全開の様子。
そうこうしているうちに21時50分離陸。久しぶりの感触だなあとおもう。
自分が長く引き伸ばされた影になったようなそんな感覚。
コドモをちらっとみてみると、口をぎゅっと閉じてひたすら前方を凝視しているので、思わず笑ってしまう。

飛行機が高度に達し、シートベルトのサインが消えたので、
スチュワードやスチュワーデスが機内食のメニューやら免税品のパンフレットなんかを持ってくる。機内食のメニューは、ポークカレーorチキンの甘酢ソースヌードル添え。やっぱりあまり期待できそうにない感じ。食べ物を買っておいてよかった。

離陸後、2時間後くらいに機内食が配られる。
やっぱり想像していたとおり不味い。それでも温かいのと、パンが意外においしかったのが救いかな。
コドモは緊張しながらもスチュワード相手に、エクスキューズミーやらジャパニーズティープリーズ、やらドゥユーハブコーク?など喋っていて、なんだかちょっとたのしそうだった。
コドモと時差や日付け変更線のことなど話す。
日本とハワイの間に19時間の時差があることはなんとか理解できた模様。

コ「日本の12月23日はもうすぐ終わるけど、ハワイの12月23日は今から始まるんだよね。時間をさかのぼるんだね。」
N「そのとおり。」

そんな感じで、コドモ&連れ合いと会話しつつ、持ってきた文庫本を読みつつ、
ひたすらたべものを食べつつ、映画なんかを観つつ(I ROBOTという映画。ウィル・スミスがでていた)時間は過ぎていった。

そして7時間余りが経ち、ようやく無事ハワイに到着。
雲は多めだけどいちおう晴天といってもいい天気。
機内をでてイミグレーションに向かう。
建物の中にいても明らかに気温が高いことがわかる。着てきた七分袖のニットが肌にまとわりついている。

イミグレーションでかなり待たされる。
一斉に搭乗客が押し寄せたこともあるけど、指紋(左右の人差し指)や顔写真までパソコンに取りこんでいるため、ひとりひとりに時間がかかる。
さらに男性のひとり客なんかは熱心に審査するため時間がかかっている様子。
テロ対策で新しく導入したシステムなのだそう。たいへん。

やっとイミグレーションをでて、預けたスーツケースを受け取った後、シャトルバスに乗って予約したホテルに向かう。
花の匂いというか、人の使う化粧品とかいろんなものが違うのだろうけど、
当然のごとく日本とはまったく違う匂いがする。街路樹や生えている植物なんかもかなり違う。蔓が幾筋も垂れさがってそれ自体が細い幹になりつつあるという不思議な樹(バニヤン・ツリーというらしい)が目をひいた。

ホテルにチェックインした後(広めのリビングのほかにベッドルームが別にあって思ったより広い)荷物を置いてとりあえずランチ。
コドモはお昼なのにリブステーキをいきなりオーダー。すごい食欲。







ランチ後、ワイキキをふらふら観てまわる。
巨大でゴージャスな海の家みたいな街。
前から聞いていたとおりカラカウア通りは高級ブランドショップや有名ホテルが建ち並び、大きな資本が投入されているのがよくわかる。
そしていろんな人からお金を回収しようとする、気迫のようなものも感じる。
1時間ほどみてまわったあと、どうにも眠くて仕方ないのでホテルに帰って午睡。
起きたらなんと6時近かった。
貴重な時間を無駄にしてしまったけど、午睡したおかげで少し頭がすっきりした気がする。

夕方、暮れかかったワイキキをぶらぶらしながら見てまわる。
昼間ビーチにいた人達が通りにもどってきていっきに人が増えている。
ツーリスティックな雰囲気。でもこういうのも悪くない。
みんな露出度の高いラフな服装をしていて、なんというか開放的。
でもそれだけではなくて、寛容さというか、服装なんてらくなものでいいんだよというようなeasygoing的な雰囲気があって、
それが気持ちをリラックスさせてくれる。さすがハワイ、とおもう。

予約しておいたレストラン、「DUKES」にいく。
コドモはまたまた肉肉肉。あきれるほどのたべっぷり。ほんとにすごい。
連れ合いとわたしはマヒマヒという魚とロブスターを頼んでシェアした。
ロブスターが美味しくて感動。身が厚くて味も濃厚。かなり美味しかった。
マヒマヒは味はカジキに近く食感は鯖に近い感じの魚。淡白な味だけど食べやすくてこれもおいしかった。
でもしょうゆをかけたらもっとおいしくなったような気がする。今度は隠し持っていこうと決意。
ウクレレとベースとギターの3人のバンドがテーブルをまわって音楽を演奏していたので、1曲弾いてもらうことにする。
リクエストは?と聞かれたので、何か日本の歌を知っていたらそれを弾いてほしいというと、曲名はよくわからないが知っている曲があるのでそれを演奏するとのこと。
スローバラードだけど、間違いなく日本の歌詞。
どこかで聴いたような気もするのだけどわたしたちもよく思い出せない。
でもとっても素敵な歌で、あたたかくて気だるい南国の夜によく合う曲だった。

もう食べられないというくらい食べてレストランをあとにする。
フラのショーをみたり、路上のミュージシャンを冷やかしたりしながらカラカウア通りを歩く。
コドモと連れ合いは早くもそれぞれアロハシャツを買って、そのまま着たりしている。
コドモは薄いブルーにハワイの地図やハイビスカスがプリントされたかなり派手なやつ(コドモが自分で選んだ)。連れ合いは黒に近いグレー地にベージュの花柄(わたしが選んだ)それぞれ気に入ったみたいで、終始笑顔。
わたしはというと、日中の日差しの強さに対抗するためサングラスを買った。結構大胆なデザインのやつ。日本でしているとちょっと浮いてしまうようなもの。でもOK、ここはハワイ、なんだって許されるんだよたぶん、ということで良い事にした。途中、ホテルの近くのABCに寄って(ワイキキには無数に存在する)朝食用のクロワッサン、ジュース、ソーセージ、チーズなんかを買って帰る。
日記メモを書いてベッドに直行。明日は早起き予定。

そんな感じで、たぶん人生の中でいちばん長かった12月23日が終わった。




2004年12月22日(水) ようやく

荷造り完了。
日よけの帽子に夏物の服、コンタクトレンズの洗浄液、常備薬に化粧品類、パスポートにキャッシュにTC・・・なんだか忘れ物しそうな予感がひしひしと。まあなんとかなるかな、うん。

仕事帰りに機内で読むための文庫本を買う。
川上弘美「ゆっくりさよならをとなえる」 桐野夏生「柔らかな頬」

・・とここまで書いてふと気付く。ゆっくりさよならをとなえるってなんだかちょっと縁起わるくないか?飛行機が墜落して人生にさよならをとなえることになったらどうすんだ?
ということで「ゆっくりさよならをとなえる」には大人しく留守番してもらうことにして、代わりに漱石の「行人」を持っていくことにする。

前日になってようやく出かける実感がわいてきた。
やっと、あー楽しみだなあという気になってきた気がする。
いろんなものを見たり感じたりできればいいなあと思う。

+ + + + + + + 

しばらく更新はありませんが、帰ってきたら旅日記書きますのでよかったらまたあそびにきてください。

ではでは行ってきまーす!


2004年12月18日(土) 寒くなってきました

今日は一日中ぼんやりしていた。たぶん眠かったのだと思う。
家に帰って晩ごはんつくってたべて後片付けして、
7時のニュースみてたらいつのまにか眠ってて、
起きたらこの時間(11時50分)だった。
まだ眠い。

ほんとはもっと起きていたいけど、あたたかい毛布がおいでおいでと呼んでいるのでもう限界。寝ます。
明日は大掃除2回目。晴れるといいなあ。


2004年12月17日(金) 無題

来週の木曜日にでかける旅行の準備がまったく進まない。
というか旅行にでかけるという実感が全然ない。
だいじょうぶなのだろうか、こんなで。
かなり先行き不安。


最近寒くなってきたので、ようやくこたつを出した。
そうなるともうこたつから出られない。
昨日も本読みながらうたた寝。
風邪ひかないようにしなきゃ。



2004年12月16日(木) 白いスニーカーの男

ミステリーづいている今日この頃。

「レディー・ジョーカー」
ここで告白したいと思うのですが、実をいうと合田雄一郎ファンです。といっても映画で役をやっている徳重聡さんではなく、もちろん小説の中の合田雄一郎の方。ああいうひとが実は理想です。理想と現実はかなりかけ離れていますが。
合田雄一郎にだったら逮捕されてもいい(謎

今日見た映画はというと、うーんどうだろう。原作を読んでいるのを前提としたような映画なので(要するに説明や詳しい人物背景の描写がない)高村薫をまったく読んだことがない人には少し物足らないというか訳がわからない映画だったんじゃないかと思う。個人的感想をいえば、ちょっとあっさりしすぎてるかなという感じ。男連中のざわっとした雰囲気というか、匂いというか男臭さ(女にはまったくないもの)をもっと感じさせてほしかった。
吉川晃司はかなり良かったです。また小説読もうっと。


2004年12月15日(水) 無題

職場の忘年会で蟹三昧。
ああしあわせ。

帰宅後蟹ばかりたべていた反動か急にビールがのみたくなったので、きんきんに冷えたビールを飲む。半年以上冷蔵庫に眠っていたビール。おいしかった。

布団に入って「理由」の続きを読む。
ミステリって読み出すとほんととまらない。


2004年12月13日(月) 無題

家の前が海であることは日記でも書いたのだけど、実をいうとなんと結構立派なヨットハーバーまであったりする。50艘近く係留されているのだけど、毎冬そのヨットハーバーはイルミネーションで飾られ、結構この近辺では目をひく場所となっている。
で、そのイルミネーション。
3万球もの電球が使われているのだけど、中にはいろいろな色形のものも飾られている。今年は、来年開港のセントレアのキャラクターや万博のキャラクターであるもりぞうとキッコロなどなどが飾られているのだけど、そのイルミネーションの製作者はというと、(コドモが所属している)某K中学の美術部。いつも夏休みのはじめからこつこつと時間をかけて作っていて、今月の始めが点灯式だった。
それでいったいなにが言いたいのかというと、なんと今日、NHKの夕方のニュースでそのイルミネーションが紹介されたのである。

テレビ中継といってもその他大勢の中のひとりなんだから、と軽い気持ちで見に行ったのだけど、自分で書いたクリスマスの風景画などを何人かがテレビの前で披露するというのがあって、その中にコドモがいたのでびびった(そんなことひとこともきいていなかった)全国の皆様がごらんになるというのにコドモはいつもどおりのマイペースで淡々と自分が描いた(なんとも形容しがたい)絵の説明をしていて、親のわたしの方が緊張して心臓は早鐘打つは顔色は悪くなるわお腹はごろごろいうわでたいへんだった。(ちなみにとても個性的で独創的な絵ですね、とフォローされた)
時間にしてわずか20分程度のものだったのだけど、それでも全体の放送時間から考えればかなりの時間をさいて紹介していただいたように思う。
(ちょっと心臓に悪かったけど)地元の方(ヨットの所有者のみなさんやボランティアの方々)と中学生が連携して自分の住む町をアピールできるというのはとても素敵なことなのではないかとおもった。

それにしても、ほんの何分か自分の子供がテレビにでるくらいでこんなに動揺するのだから、有名人の親なんかはすごくたいへんなんだなあと今更ながら思う。わたしにはとてもたえられそうにない。平々凡々な子どもでよかったとおもった。ほんとうに。



2004年12月12日(日) 無題

宮部みゆき「理由」読み始め。
なんで宮部みゆきを読んでいるのかと言うと、勤め先のセンセイに勧められたから。「白の闇」の内容をいろいろ話していたら、こういうのもN好みかもしれないといってわざわざもってきてくれたのだ。というか「白の闇」からなぜ「理由」なのだ?とおもったのだけど、まあせっかくなので読ませていただくことにする。


今日は朝から掃除掃除の一日。
ベランダの掃除、ガスレンジの掃除、食器棚の掃除、洗面所のキャビネットの掃除などなど。普段まめにやってないせいで、綺麗にするのも一苦労。まだまだやらなきゃいけないところがいっぱいあって嫌になる。まあ最後にはどうせ適当にやることになるんだろうけど。
それでも綺麗になるとやっぱりうれしい。掃除をしたあと綺麗になった部屋でしみじみお茶をのむのも小確幸のひとつではないかとおもう。


夜は新撰組!の最終回。とうとう最終回になってしまった。最初は結構ミーハー的な見方しかしてなかったけど、後半になるにつれ人物ひとりひとりの生き方を掘り下げながらみるようになったので、最終回はかなり感慨深かった。
幕末の人々がとても身近に思えるようになったし、自分の生き方をあくまで通そうとする強さも何となく理解できた気がする。良い一年間だった。


2004年12月11日(土) ジンバブエに行くわけではないけれど

年末に旅行にいくことになって、さらにばたばたしている。
パスポート申請しにいったり、実家にスーツケース取りに行ったり。銀行にいったり。クレジットカード作ったり。
行き先はハワイ。本当はこのまえの夏休みに行く予定だったのだけど、諸事情あって延期し、またばたばたしたあげく急遽行くことになった。
連れ合いはコドモを中学生のうちに(来年は受験なので海外旅行は×)英語圏の国へ連れていってやりたいのだそう。
ハワイで勉強になるかなあとは思うのだけど、でもまあ海外は海外なのでいろいろ適度に経験値をつんでくれたらいいとおもう。

それにしても、どこどこへ行きたい何々をしたい、というのが家族3人ばらばらで困る。もめそうな感じ。連れ合いはスキューバ、サーフィン、コドモはスカイダイビングとか言ってるし。ふたりして地球の歩き方や英会話ガイドなんかをみながら盛りあがっている。わたしはというととにかくのんびりして、余力があればそこらへんをぶらぶらできればいいなと思っているのだけど、どうやらテンションの高い男たちにぶんぶん振りまわされそうな気配。ためいき。
行ったは良いけど現地で寝込まないように、体調に気をつけながら年末まで適度にがんばろうと思う。


2004年12月10日(金) 無題

吉田修一「ランドマーク」
先日読んだ「パレード」より何倍もいいと思った。なぜかよくわからないけど。
何となく、ミルハウザーの小説を思い出した。良かった。今度は「東京湾景」(だったっけ?)を読もうかなとおもう。




2004年12月09日(木) 感想

「白の闇」読了。
早く読み終えたいような、まだまだ読み終えたくないような、そんな複雑な感じの読後感。とにかくすごい小説だった。

以下、ネタバレです↓

やはり最初に思ったのはオースターの「最後の物たちの国で」。失明した人々は、何も生み出すことができない。人々は残存する物を先を争って奪い合う。無秩序、人間性の崩壊、原始的な本能が理性を上回る心理状態。どちらも(「白の闇の場合は視覚)人間が持つ何かが欠けてしまった結果、そのような世界が生れてしまう。

全人類が視覚を失ったらどうなるか・・・現実的には起こりそうもないことだけど、この小説を読むとそれがとてもリアルに感じられる。そのような病気が起こりうるかという可能性のことではなくて、視覚というものを失った人間がどのような状態になるかということ。
読みながら、人間というものはやはり一個の動物に過ぎないんだなあということを思った。食べる、飲む、眠る、排泄する、性交する、そういう生き物として基本的なことは、たとえ目が見えなくなろうが体が動かなくなろうが、生きている限り避けようがない。状況が危機的であればあるほど人間はそれを求める。それを手に入れるためなら理性も分別も二の次。そう考えると、高等な生物として世界に君臨している人間という存在がとても危ういもののように思えて来る。今までわたしたち人間が作り上げてきたものはいったいなんなのか。ほんの少しの均衡が崩れるだけで、人間の世界(秩序)というものはたやすく壊れてしまうのかもしれない。

「目が見える、目の見えない人びと」小説の終わりに医者の妻が言った言葉が頭に残っている。ようするに、わたしたちは見えているのに見えてない(何もわかっていない)のだ、ということだろうか。
「だけどわれわれは実際にはみんな盲目じゃないか」と作者は言っている。
最後まで失明しなかった医者の妻だからこそ、わたしたちは誰一人として見えてはいないのだ、と言えたのかもしれない。

ジョゼ・サラマーゴは1922年に生れ、1995年に「白の闇」を書いたとのこと。つまり「白の闇」が書かれたのは73歳ということになる。これはちょっとかなり驚異的なことだと思う。長編を書く体力のこともあるが、なにより、文体や文章が示唆に富んで、すべてを見とおすような広がりと力強さに満ちている。それに73歳という地点にいながらなお、問題を提起していこうとする姿勢はほんとうに素晴らしいと思う。

「白の闇」を読み終えて、まだまだ読むべき本がいっぱいあるんだなあとうれしくなってしまった。これからもそんな本との邂逅をたのしみにしながら読んでいこうとおもう。世界というものをより多く知るためにも。




2004年12月03日(金) 無題

夜、久しぶりに時間ができたのでプールにいく。
寒くなったせいかプールにはあまり人がいなくて、のんびり泳ぐことができた。
青くて透明な水をたぐりよせながら、いろんなことを考える。ほんとうにいろんなこと。
そんなふうにして考えごとをするのが好き。

プールから帰って、家で「スパイダーマン」をコドモと一緒にみる。

「ねえみてみて、…スパイダーマンのポーズ!シャーッ(手首から糸がでてるらしい)」
「・・・・ださっ」

やっと期末テストが終わって、コドモはかなり上機嫌、らしい。
それにしてもだいじょうぶか?14歳。ほんとに。

明日、明後日はまたまたスポーツクラブの面々とお泊り忘年会。
船に乗って島にいくのです。島。
なぜか幹事になってたりもする。
やっぱり忙しい、師走。



2004年12月01日(水) 師も走る12月(うちの師も走ってます、かなりのスピードで)

今年もあと1月。

毎年12月は飛び去るようにして過ぎていくので、今年は少し落ちついて年末までの時間を有意義に使っていこうと思う。

「戦争の世紀を超えて」の合間に「白の闇」を読みはじめたら(同時進行本読みは結構する方)ほかのことが何も手につかなくなってしまった。
というかやらなきゃいけないことはいっぱいいっぱいあってそれなりにやってはいるのだけど、どこか魂が飛んでいるような気がする。それくらいすごい小説。ノーベル賞とるわけです、ほんと。あー最後はどんな世界になっちまうんだ?白い闇からまた世界ははじまっていくのだろうか? 

睡眠時間を削りながら読んでいるので(連れ合いによると昨日は本を抱きしめながら寝ていたらしい)一度にぐわーっと読めないのがもどかしい。はやく読みたい。


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